りんけーじ167 雲の上亭
りんけーじ167 雲の上亭
マーシュに案内された雲の上亭は、シールドで守られた広い空間に所々にイスとテーブルが配置されているカフェの様なところだった。
シールドは透明なので360度空と雲が見えるという、かなり勇気がいる立地だった。
「さあどうぞ」マーシュはみんなに椅子に座る様に案内した。
「凄い所ね!」鈴乃が周囲を見回して言った。
「ふふ、迫力あるでしょ。空を飛んでる感覚に近いかな。始めてきた人は、大体そう言うわ」マーシュは手慣れた様に言葉を返した。
「でも、ここに来れるのは、特別な人だけ。大抵ケルベロスに撃退されてしまうわ。
仮にケルバロスの攻撃をやり過ごしたとしても、この場所は普通人間にはわからないわ」マーシュは続けた「私が気に入った人しか案内しないわ」マーシュはニコニコと笑った。
「さて、飲み物は何にする?コーヒーか紅茶のホットかアイスになるけれど」そう言うとマーシュはキッチンに入った。
みんなそれぞれ注文した。
「あと今日は、ケーキがベリーナッツのパイがあるわ」マーシュはカシャカシャと準備を始めた。
改めて周りを見回してみると凄い景色だ。
ユグドラシルに包まれた鉄塔があって、後は青空と流れる雲の中でポツンと椅子に座っている。不思議な空間だ。
雲を見ているだけでも飽きない。どんどん沸き上がっては、形を変えて行き、留まることを知らない。
「さあどうぞ!」景色に暫く見とれているとマーシュが飲み物とケーキを出してきた、
俺は、頼んだホットコーヒーを一口すすった。「美味しい」程よいほろ苦さの中に、微かな酸味を感じ、フルーティーな余韻が残る本当に美味しいコーヒーだった。
その言葉を聞くとマーシュは嬉しそうに微笑んだ。
ベリーナッツのパイもフォークで切り分けパクッと口に放り込んでみた。
ナッツの香ばしい香りとカリッとした食感が広がった。それと同時に甘酸っぱいベリー系の風味が広がる、ベリーナッツという言葉通り、一粒で2種類の美味しさが味わえる、俺たちの世界にはないナッツだった。
「このパイも美味い!」コーヒーとの相性ともバッチリだった。
マーシュはうんうんと頷き、満足そうな顔をした。
みんな満足そうに飲み物とパイを味わった。
「お代わりもあるから―」マーシュが言いかけた時だった。
急に、爆発音が起こり、黒煙が上がった。
「マ、マーシュ様」マーシュの従者が駆け込んできてマーシュに耳打ちをした。
「何、ケロベロスが!?」マーシュが叫んだ。




