りんけーじ165 ケルベロスと対峙
りんけーじ165 ケルベロスと対峙
フライング・ケルベロスは雲の中から巨大な3つの頭を覗かせた。
その頭は俺たちを見るなり、威嚇する表情に変わった。
「ガルルル」ケルベロスは牙を剥く。犬特有の臭いが漂う。
「こ、こわい」あかねは震えあがった。
その時1頭が、鈴乃が変身しているマーシュに気づいた。
「クーン」と鳴くと
鈴乃に近づいて行った。
えーっと、左のガルドからガルム、ガルゴと右に向かって順番に、名前を呼びながら、頭を撫ででやると大人しくなる…鈴乃はカカポに言われた説明を思い出していた。
「おー!愛らしいケルベロス達よこちらにおいで」鈴乃は震えを必死に押えた。
ガルド、ガルム、ガルゴは鈴乃にその巨大な頭を向けた。
これは子犬、これは子犬、これは子犬..鈴乃は頭で念じた。
「ガルド今日も可愛らしい!」そう言うと鈴乃はガルドの頭を撫でた。
ガルドは満足そうに「キューン」と泣き声を上げた。
「凄い、まるでマーシュ様だ」カカポは驚いて鈴乃の仕草を見つめていた。
「ガルム。さあ、おいで」次に鈴乃はガルムの方に手を向けた。
ガルムは嬉しそうに、鈴乃に頭を向けた。
鈴乃は、ガルムの頭を撫でた。
ガルムは鈴乃にクンクンと鼻を鳴らした。
鈴乃の匂いをかぐと、一瞬ガルムはビクッとした。
鈴乃はヤバイばれた?と思ったか、「ど、どうしたのだガルムよ!よしよし」と必死にもふった。
ガルムは鈴乃の顔を見ると、眼を閉じて気持ちよさそうにもふられた。
「またせたなガルゴ!さあおいで」そう言って、鈴乃はガルゴに手招きした。
ガルゴは雲の上に顔を置くと大人しそうに鈴乃にもふられた。
ケルベロスたちは、安心したようにおとなしくなった。
嬉しそうに金の雲の周りを飛び回っていた。
「ふーっ。これで一安心だな」俺は胸を撫でおろした。
「後はこの雲に乗って塔のてっぺんまで行けばヴィデ・ブルー・リリウムが咲いている場所に辿り着くことができる。
「これで、私は、また人間に戻れるのですね!」とヴァールは言うと嬉しそうに微笑んだ。
「ふむこの世界には不思議なことがあるものじゃ!」凜がケルベロスを見て言った。
「誰ですか!私を騙る不届き者は?」その時本物のマーシュが現れた。
「本物のマーシュ様っ!」カカポが叫んだ。
ケルベロスもマーシュが二人いることに驚いていた。




