りんけーじ162 マーシュ様
りんけーじ162 マーシュ様
「どうして、教えてくれないんだ?」俺はカカポに訊ねた。
「あそこは、危険だ。鉄塔を登るのは不可能だし、空飛ぶケルベロスが青い花を守っていて、この世界樹の守護女神マーシュ様を除いて、よそ者を寄せ付けないんだ」カカポは答えた。
「ふーん、そうなの」鈴乃は何かを考えている様だった。
「怖い怖い、いやだ」カカポは頭を抱えて怖そうだった。
「カカポちゃん、マーシュの容姿が分かるものはある?」鈴乃は、カカポに訊ねた。
「マーシュ様のお姿だったら、肖像画があそこに」そう言って、カカポは壁に掛けてある絵を指差した。
フムフム白い帽子を被って、白い布を羽織った、女神らしき人物が描かれていた。
鈴乃はマジマジとその肖像画を見つめた。
「これならイケそうね」鈴乃はそう言うと手に持っている杖を振った「トランス・フォルマーレ」。
すると、鈴乃はまばゆい光に包まれ、光が消えると肖像画に描かれた人物と瓜二つの人物がそこに立っていた。
「どう?」その人物はくるっと回った後に、カカポに微笑んだ?
「マ、マーシュ様!?」カカポは驚いた表情を浮かべていた。
「ふふふ、変身してみたのよ。私は鈴乃」マーシュに変身した鈴乃はカカポにウィンクしてみせた。
「す、凄い!そっくりだ!」カカポは目を擦った。
「これなら、フライング・ケルベロスも騙せるかしら?」鈴乃はカカポに訊ねた。
「た、多分」カカポは答えた。
「それじゃ、青い花ヴィデ・ブルー・リリウムへの道を教えてくれる?」鈴乃が変身した
マーシュがカカポに訊ねた。
カカポは少し考えた後頷いた。
「それじゃ、塔の先端への行き方を教える」カカポは答えた。
「世界樹の先の塔を登って行くのは危険すぎる。何人もの冒険者が挑んだが、途中で足を滑らし、転落した」カカポは続けた。
「それでは、塔の先端には行けない。なぜなら、鉄塔には呪いがかかっており、絶対に登れないから。呪いに罹らず塔のてっぺんに行くには、世界樹の一番先の枝に行く必要がある」カカポは腕を組んだ。
「世界樹からは、雲が沸き上がっているんだ。雲はどんどん上へ向かって沸き上がるが、その中で、ごくまれに金色の雲が沸き上がる時がある」
俺たちはふんふんと首を振った。
「その雲が来たら飛び乗れ!」カカポは人差し指を振り下ろした。




