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りんけーじ160 千人エレベーター

りんけーじ160 千人エレベーター


 俺たちは、世界樹のエレベーターとやらを目指した。

「結構観光客でにぎわっているんだな」俺は行き来する人々に目をやった。

「何かちょっと拍子抜けするわね」すっかり観光地化している街並みを見て鈴乃が言った。

やはり名物は死者を蘇らせると言う、幻の花ヴィデ・ブルー・リリウムで街中に土産物屋から漂う花の甘い香りが漂っていた。

「うわっ!やっぱり大きいですね!」あかねが世界樹ユグドラシルに近づいて感嘆の声を上げた。

北欧神話にも登場する世界を支えると言われる巨木ということもあって、その荘厳ともいえる佇まいに圧倒される。

エレベーターの入口まで来ると、世界樹のてっぺんまで行こうとする人で更にごった返していた。

エレベーターのチケット売り場まで来ると説明書きが書いてあった。

「ええっと、大人金貨1枚子供銀貨1枚…」うわっ高っ!俺は叫んだ。

大体こっちのレートで金貨1枚10万円、銀貨1枚千円といったところか。

俺、鈴乃、あかね、凜、える、ヴァール、マリス7人分で70万円!

「そんなに金持ってねーし」俺はぼやいた。

「わらわに任しとき!」マリスはウインクすると、くるりと人差し指で空間に円を描くと、ぽっかり空いた時空の穴から竜の袋を取り出した。

そしてチケット売り場に行くと、チケットの売り子に「大人7枚」と声を掛けた。

チケットの売り子は「お勘定は金貨7枚です」と答えた。

マリスは巾着の様な竜の袋を開けると、無造作に、じゃらじゃらと金貨を7枚取り出した。

そして、エレベーターの搭乗券を買ってしまった。

「マ、マリスさん、何でそんなにお金を持っているのかしら?」鈴乃が引き攣って訊ねた。

マリスはチッチッチッと口許で人差し指を振ってから「こうみえても、わらわは、海の女神や、そら信者さんから、お供え物を少なからず頂いてます、その中からちょーっぴりお給金を頂いているんや!」と答えた。

マリスのご利益とやらはあるのか?と疑問が脳裏をよぎったがマリスの意外な一面を垣間見つつ、みんなチケットを受け取った。

エレベーターに乗る行列に並んでいると、やがて俺たちの番になった。

エレベーターの扉を抜けるとまるで、体育館のホールの様な場所に入った。

注意書きを見ると、「定員1,000人」と書いてあった。

「せ、せんにん!!俺は声を上げて読み返してしまった。

さすが世界樹用のエレベーターだけに規模が違った。

まるでこれから、イベントが開かれる会場の様だった。

扉が閉まると、ゆっくりとエレベーターは上昇していった。


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