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りんけーじ157 東の果ての塔

りんけーじ157 東の果ての塔


「ふーん、これも古い言い伝えなんやけど」マリスは腕を組んだ。

「ふんふん」ヴァールは頷いた。

「東の果てにある高い高い尖塔の先にとこしえに一輪だけ咲く青い花があるらしんや。その花の蜜を飲むと、死者の肉体を蘇らせることができるんやて」

「じゃあ、えるに乗って取りに行けばすぐじゃないの」鈴乃が人差し指を前に振った。

「それがやな、塔はちゃんと下から登っていかないと、花を見ることすらできないんやて」マリス眉をひそめた。

「つまり、ズルはダメで登り縛りってことか」俺は腰に手を当てた。

「せやな!」マリスは頷いた。

「相当高い塔なんですか?」あかねが心配そうに訊ねた。

「あれ?あかねちゃん来てたのね!?」俺はあかねの方を見た。

「ええ、先ほどから話を聞いていました!」あかねは頷いた。

はっと思ったが、女性化して過ごしているうちに喋り方まで女性化してきていた。

マリスは頷いた「塔の先端は雲の先で良く見えないらしいで」マリスは両手を裏返した。

俺は、塔の高さを想像して身震いした。

「私だけで行きます!みなさんを危険に巻き込む訳にはいきません!」ヴァールが立ち上がった。

「ちょっと待って!」鈴乃がヴァールを制した。

「私たちは異世界探検部よ!その塔とやらを探検して踏破してやろうじゃない!」鈴乃は右手で握り拳を作った」

カラララ…その時扉が開いて、凜とえるがやってきた。

「ほぉ、みんな揃って何の算段じゃ?」凜がツカツカと近寄ってきた。

鈴乃からいきさつを聞いた凜は、フムフムと頷き、「面白そうなクエストじゃな!是非もない我も参加するぞ!のう、える!」とえるに訊ねた。

「はい、ますたー」えるはニコッと微笑んだ。

「皆さんが、こんな私のために…力を貸してくださるなんて...」ヴァールはえんえんと泣き出した。

「何言ってるの、ヴァールは人間に戻りたいんでしょ?」鈴乃は、もらい泣きしながら言った。

「それに純粋に異世界探検もしたいしね!」俺はヴァールに言った。

「はい」ヴァールはうれしそうに微笑んだ。



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