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りんけーじ154 転校生マリス

りんけーじ154 転校生マリス


「えーっ。急ではあるが転入生を紹介する。マリス・ドラコマリヌス君だ」岸町京子はマリスの方を見た。

マリスはペコリとお辞儀をすると「マリス・ドラコマリヌスと申します。どうぞよろしゅう!」と言うと俺の方を見てフフっとウインクした。

マリスの神々しい美しさにクラスの生徒は圧倒されていた。

「な、何で!?マリスが」と俺は心の中で叫んだ。

「では、ドラコマリヌス君は、あそこの席へ」と言うと、俺の後ろの席へ案内された。

マリスはつかつかと髪をなびかせながら歩くと、俺の後ろの席の椅子をゴトッと引き、腰かけた。

背中にちょんちょんと言う振動を感じたので、振り返ると「よろしゅうな!」と、シャーペンを持ったマリスが、いたずらっぽく微笑んだ。

生活リズムを崩さない様に呼び出された登校日はあっという間に終わった。

「何で、マリスさんがこの世界に!?」ヴァールも驚いて問い質した。

「うーん、何て言うかこちらの世界に興味が生まれてやな、暫くこっちで楽しんでみようかと思って」

しかしマリスがクラスメイトになるとは。

「これが学校ちゅうもんやな。この制服もかわいいな~」マリスは自分の姿をくるくると見て満足そうだった。

蝉もうだるような夏の熱気に気圧されないように必死に鳴いていた。

「何であんたがいるのよ?」鈴乃は下敷きでパタパタと自分を仰ぎながら想定通りの質問をしてきた。

放課後、部室に3人で顔を出した時だった。

部室は冷房が点いていたが、空気はむっとする生暖かさで、先に来た鈴乃がさっきスイッチを入れたばかりの様だった。

「わらわもこちらで、暮らしてみよう思うて~」マリスは頭の後ろで手を組むと、窓からもくもくと元気に沸き上がる入道雲も見上げた。

「ふーん、そうなの」鈴乃はハンカチで額の汗を拭った。

俺とヴァールはそれぞれ椅子に腰かけた。

「異世界探検部の入部届も出してきたで」マリスは、ズーッと近くの椅子を引くと腰かけた。

部室のエアコンが聞き始め汗がスッと引いてきた。

その時カララと部室の扉が開きあかねがやってきた。

「あれ!?マリ・・・スさん??」あかねは、一瞬ここが異世界なのか区別がつかなくなった。

「せや!よろしゅうな」マリスはあかねに手を振った。


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