りんけーじ153 登校日
りんけーじ153 登校日
マリス達とはここで、お別れとなった。
「また遊びに行くで」マリスが言うと、リーヴァ、ローリィも手を振った。
「じゃ、またね!」俺たちも手を振った。
元の世界に戻ると何も無かったかのように時間が動き出した。
あかねを無事送り届け、家に戻るとドット疲れが出て眠りに就いた。
「…ちゃん、お兄ちゃん」朝になると、妹に起こされた。
「う~ん」俺は枕に顔を埋めた。
「起きないなー!これでどうだー!!」そう言うとばふっと俺に馬乗りになった。
「うげっ」と俺は押しつぶされたカエルの様な声を上げた。
まだ抵抗していると、「こうしてやるー!」と言って、脇腹をくすぐりだした。
「きゃははは」と、俺は声を上げて笑ってしまった。
「苦しい降参、降参起きる!起きる!」そう言うと、英美里はくすぐるのを止めた。
俺は涙を拭きながら英美里に訊ねた「どうして今日、早く起きるんだ?」
すると妹はさらりと答えた「今日、登校日じゃないの?」
「!?」俺は慌てて予定表を見た。
そうだった!今日は登校日だった!いろいろあって、すっかり忘れていた。
俺は妹に礼を言って、起きると、シャワーを浴びた。
この女性形態にもすっかり慣れてきた。
シャワーを浴びると制服に着替えた。
ダイニングに向かうとコーヒーの香りが漂っていた。
くっ、このよくできた妹よ!
コーヒーとイチゴジャムトースト、ベーコンエッグにレタスとミニトマトのサラダ、はちみつ入りヨーグルトとバナナの朝食が用意されていた。
俺は、美味しく頂くと、食器を洗った。
食器を洗う時は、シンクも洗わないと気が済まないのだ。
「いってらっしゃい」と英美里に見送られて家を出た。
朝からジリジリとした夏の日差しのむせかえる様な匂いに、セミはモーニングコールを賑やかに奏でていた。女子制服のスカートは涼しくていい。
しばらく歩くと、鈴乃とあかねが歩いていた。
俺はトトトと速足で2人に近づくと「おはよう」と声を掛けた。
「ああ、円正寺くん…さんおはよう」「円正寺せんぱいおはようございます」鈴乃とあかねが返した。
傍から見るとJK3人である。
あかねの様子を見たがどうやら元気そうである。俺は胸を撫でおろした。
入口で2人と別れて教室に向かった。
やがて担任の岸町京子がやってきた。
「今日は登校日だが新入生がいるので紹介したいと思う」と岸町京子が言った。
「やあ!」そこにはマリスが制服を着て手を振っていた。




