りんけーじ149 ゴーレムの腕
りんけーじ149 ゴーレムの腕
しばらく進むと銀色に輝く門が見えてきた。
「あそこが出口ね!」左手を額にかざして眩しそうに鈴乃が目を細めた
なおも地面の揺れは続いた。
「ゴーレムたちが蘇る前に辿り着きたいもんじゃ!凜がえるの方を見た。
えるは頷いた。
段々と門扉が近付いてきた。
その時だった。地割れと共に巨大な腕が姿を現した。
「まずいぞ!」おれは叫ぶと背中に背負った剣を抜いた。—――女性化するとどうしても、背が縮むため背中に背負っている。—――
「ゴッド・ヴィント!」掛け声と共に剣を振った。
剣からは青い稲妻が溢れだし地中から生えているゴーレム巨大な腕に当たった。
ドドーンと言う凄まじい音と共にゴーレムの腕はガラガラとチョコレートの塊となって崩れて行った。
「やったか?」凜が叫んだ。
一瞬辺りが静まり返り、ココアの香りが辺りに漂った。
しかし再び、地割れが起こり何本もの腕が湧いてきた。
「これじゃきりがないっぽ!」ローリィが腕を見上げた。
「出口に向かって走るのよ!」鈴乃が叫んだ。
ゴーレムの腕は俺たちを捕まえようと迫ってきた。
鈴乃は杖を構えた「ムルティス・アクアエ!」鈴乃は魔法で水を作り出すと、杖を振りゴーレムにぶつけた。
ドドーンと水が溢れた。
「ゴーレムに変化がありません!」ヴァールが叫んだ。
ゴーレムの腕が再び襲い掛かってきた。
「やっぱりだめか…」鈴乃は呟いた。
「どうして、ゴーレムの弱点は水のはず。なぜ効かないのでしょう?」ヴァールが訊ねた。
「おそらく魔法には、効果が無い事で、魔法で作った水も同じなんでしょう」鈴乃は答えた。
「何をする!」その時リーヴァがゴーレムの腕に摑まった。
「放せっ!」リーヴァはジタバタした。
「きさまーっ!これでも喰らえ!」怒ったリーヴァはリヴァイアサンの咆哮をゴーレムに放った。
「おおその手があったか!」俺は叫んだ。
リーヴァの口から吐き出された強烈な水流を浴びると、ゴーレムの腕は粉々に崩れ落ちた。
俺たちはそのスキに何とか、門をくぐり抜けた。




