りんけーじ148 白い霧とヴァール
りんけーじ148 白い霧とヴァール
「ふーっ、大変な事になるところじゃった!」凜はえるに抱えながら涙目でゼエゼエと肩で息をした。
「ますたー!欲張ってはダメですよ!」えるは凜の状態を確かめるとそっと凜を地面に下ろした。
凜はしゅんとして頷いた。
俺たちは次の扉に向けて歩きだした。
太陽がキラキラと輝き、時折そよ風が吹くと、サラサラと草原の草がお辞儀した。
何とも心地よい陽気だった。
とぼとぼ歩いていると不意にサーっと霧が地平線から広がってきた。
辺りが霧に包まれると同時に眠気が襲ってきた。
「ふわ~っ」っと、ローリィがあくびした。
俺もそれにつられてあくびしてしまった。
「何だか皆さん何だか眠たそうですね?」ヴァール一人元気そうだった。
辺りを見回したが、みんな眠そうにとぼとぼと歩いていた。
それにしてもさっきから眠気が止まらない。
これは歩き疲れたからか?と、疑問に思っていると、マリスがファンタスマ・ヴィラ・デ・デルチーブスについて話し始めた「あっ…そう言えば、この幻想郷の伝説やねんけど、霧に眠くなる成分が含まれていて、その眠りについたものは…、お菓子になって永遠に目が覚めないというんや…」と唐突に眠た気に言った。
「えっ!なんですかそれは!じゃみんな危ないじゃないですか!」ヴァールは慌てて「み皆さん~起きてください!.お菓子になりたくなかったら、目を覚ましてください!」と叫んで両手をパンパンと叩いた。
ヴァールは一度永遠の眠りについているので霧の効果は通じないらしい。
「う~ん眠いわね」鈴乃は眼を擦った。
その時突然ゴーッと地響きが鳴り始めた。
「あかん…!そろそろゴーレムちゃんたちのお目覚めの時間やな」マリスが半分閉じた目で呟いた。
「なーに!またローリィに倒してもらえばいいじゃないか」俺は、再び口に手をあてながらあくびした。
「それがだめだっぽ!ウタバクアーは一日一回しかつかえないっぽ」ローリィは目をしばしばさせながら答えた。
「えーっ!それってかなりヤバイんじゃ..」俺は慌てた。
「出口の扉が…もう直ぐです。ゴーレムたちが本格的に動き出す前に、何とか脱出しましょう…」えるが真っ白い霧が立ち込める中、ドラコ・クレイルボヤント(竜の千里眼)を使って扉のある方向を指差した。




