りんけーじ146ファンタスマ・ヴィラ・デ・デルチーブス
りんけーじ146ファンタスマ・ヴィラ・デ・デルチーブス
「ほーっ!珍しいなこれが噂に聞くファンタスマ・ヴィラ・デ・デルチーブスやな!」マリスが目を輝かし足元の草をむしるとペロリと舐めた「う-ん、フルーティーなマスカット味や。爽やかな甘さやなっ!」
「ファンタ・デデ?」俺は聞き直した。
「ファンタスマ・ヴィラ・デ・デルチーブス。まあ、お菓子の幻想郷と言ったところやな」マリスが説明した「伝説の里で、全てがお菓子でできていて、ゴーレムが守っているんや、かなり古い言い伝えに現れる里で、本当に存在するか疑問に思われてたんや」
確かに、マリスの言っていることに全てが当てはまる。
「凄い所ね!もう少し探索してみたいところだけど、あかねちゃんを助けに行かないと」
鈴乃は辺りを見回した。
「せやなー、幻と言われていた場所やし、お菓子も世界一美味しいと伝えられているしな~」マリスも残念そうに言った。
「でも、ゴーレムは溶けてしまうと里を守るものがいなくなってしまうんじゃない」鈴乃が尋ねた。
「ゴーレムは土くれで出来てるんや。何また、土が乾けばそこから生まれてくるやろ」マリスはニコッと微笑んだ。
「ってことは、復活したらまたゴーレムも戦わないといけなくなるってことじゃな?」凜は確認するように言った。
「うん..まあそうとも言えるな、あははは」マリスは頭をかいた。
「じゃあゴーレムが復活する前に、早く次の扉に行かないとですね」ヴァールが地面の溶けたチョコレートを見つめた。
俺たちは、入った扉――—こちら側の扉はクッキーでできている様だった――—、だけが立っている不思議な光景だった。
次の扉はどこにあるんだろう?俺たちは、キョロキョロと辺りを見回した。
「あれは、何でしょう?」マリスは数キロ離れたところに、キラキラ光るものがあるのを見つけた。
「よく見えないわねー」鈴乃が言った。遠くてそれが何なのかよくわからなかった。
「ふっふーん、こういう時は、えるの千里眼で見ればあっというまじゃな!のう、える」凜が自慢げにえるに言った。
「はい」えるはニコッと笑ってコクッと頷いた。
えるは右手を左目の前に置いた。
「ドラコ・クレイルボヤント(竜の千里眼)!」と叫んだ、するとえる左目が輝き出し光が溢れだした。
「おお、凄いのう!」凜がうれしそうにぴょんぴよんと飛び跳ねた。
えるが手を左目から放すと、光線が一直線に目標に伸びて行った。




