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りんけーじ137 ゴブリン

りんけーじ137 ゴブリン


 門番のリザードマンを倒した俺たちは、橋を渡り城内に入って行った。

「うわっ!何だここは?」そこはチラチラと光る無数のロウソクに照らされた螺旋階段が、天に向かって無限広がっている様だった。

「先を急ぎましょう!」鈴乃が先陣を切って、コツコツと階段を昇って行った。

「待て!何か人間くせえぞ」俺たちが進む先に影が現れた。

「塔のてっぺんに囚われてる、仲間を助けに来た者よ!」鈴乃がマントを翻した。

ちょっとカッコいいと思ってしまった。

「ここは通さねえど!」ロウソクの灯りに照らされたそれはゴブリンだった。

大きな頭にギョロリとした目と大きな鼻が付いており、耳は尖っていたが下に垂れていた。そして何より耳まで裂けた口に牙が生えており、ヨダレを垂らしていた。

長い爪の生えた右手で棍棒を持ち地面に引きずっていた。

「ふぇふぇふぇ、女ばっかりか繁殖用だ!」ゴブリンは、口から滴るヨダレを拭った。

「おいお前たち人間の女だ!」ゴブリンがそう声を掛けると階段の横の扉からわらわらとゴブリンが出てきた。―———その数30頭ほどか—――

「おお久しぶりの人間だ」、「俺はあの女がイイ」出てきたゴブリンたちは口々にぼそぼそと囁いた。

 そして、ジリジリと間合いを詰めて近寄ってきた。

「待ちなさい!今、そこを通すなら、痛い目に合わせず、見逃してあげるわ!」鈴乃が声を張り上げた。

「何だお前は、魔法使いか!?このゴブリン様に魔法は通じねえ!なあにとっ捕まえて可愛がってやるでよう!死ぬまでゴブリンを産み続けることになるけどな、グアハハハ」ゴブリンは高笑いした。

「どうやらわたしたちの警告を聞く耳は持たない様ね」鈴乃はキリッと毅然とした視線を返した。

「しゃらくせえ!」ゴブリンは鈴乃の棍棒を向けてブンッと振った。

「!」鈴乃は箒に摑まるとヒラリとかわした。

ゴンッと鈍い棍棒が石造り階段を叩く音が響いた。

「チィッ!」ゴブリンは悔しそうに歯ぎしりした。

「どうやら、痛い目に合わないと分からない様ね!」階段に着地した鈴乃はえるに合図した。

えるは頷くと、スッと一歩前に進み出た。

「むぅ、人間の形をしてるが、ドラゴン臭えな」ゴブリンがクンクンと鼻を動かした。

「ドラゴンで悪かったな!」えるは、竜の瞳でゴブリンを睨んだ。そして、右手を竜の形態にメタモルフォーゼさせた。

「テラドラコニス・ライトニング!」えるは右手を顔の前に構えると叫んだ!


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