りんけーじ135 ヴァール戻る
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「...と、言う訳です」ベゼブはヒソヒソと喋り終えた。
「ふーん、なるほど!」ヴァールは説明をひととおり聞いて頷いた。
「後は、異世界探検部の皆さんが納得してくれるかですね」あかねはヴァールを見つめた。
「あかねちゃんを救うためにはこれしかないのであれば、仕方ない。みんなには私から説明してみる」ヴァールはそう言うと、ふわっと浮き上がった。
「すみません」ベゼブはすまなそうに下を向いた。
「じゃあ、ヴァールさんよろしく頼みます」あかねは、浮遊しているヴァールの腰にキュッと抱き着くと離れた。
「わかったわ、それじゃあ一旦みんなの元に戻るから」そう言って、ヴァールは透明化すると静かにスッと部屋の扉を通り抜けた。
部屋を出ると再び不気味な蝋燭の灯りで明滅する、永遠と続くような螺旋階段が広がる尖塔の内部を降りて行った。
降りる途中でベゼブから聞いた階段の守る配下の魔物と弱点について確認していった。
やがて、ヴァールは城の門の外まで出ると、やっとみんなの顔が見え、ほっと安心した。
「ヴァール遅かったじゃない、心配してたのよ!」鈴乃がヴァールを抱きしめた。
「すみません、ちょっと手間取りまして」ヴァールは、コトコトと鳴る鈴乃の心音の温もりを感じた。
「で、どうだったのじゃ?あかねは無事なのか?あんな目や、こんな目に合わされてはいなかったのか?!」凜が待ちきれない様子で尋ねた。
「あんな目や、こんな目ってなんだよ!」って俺は心の中で思った「で、あかねには会えたのか?」。
ヴァールは頷いた「会えました。あかねちゃんは大丈夫です元気でした」
一同それを聞いて安堵した。
「元気でしたが、その…」ヴァールは口ごもった。
「どうしたの?」鈴乃はヴァールをじっと見た。
「ふぅ」と深呼吸し、ヴァールは話し始めた「一つ面倒くさいことになりまして…」ベゼブに見つかったことと、その後の経緯について説明した。
「ふーん、そう言う事」ヴァールの説明を聞いた鈴乃は頭を抱えた。
「しかし、面子のためとは言え、魔王軍幹部も大変じゃのう」凜は話を聞いて同情した。
「今の話、どう思う?」鈴乃はリーヴァに話を振ってみた。
一連の話を聞いていたリーヴァは口を開いた「うん、あいつのことは、昔からよく知っている。あの見栄っ張りのことだから、大方、魔王に言われて仕方なくあかねを連れ去ったんだろうな」リーヴァは尚も続けた「あいつの性格からして嘘は言っていないだろう」
「ふーむ、魔王軍配下との戦闘か」俺は、背中に背負った剣を見た。
「久々に腕がなるわ!なっ、える親分」マリスはえるに向かってほほ笑んだ
「やれやれ、しょうがないドラゴン(ひと)ですね」えるは困った顔をした。
「まあ、弱点がわかっているからチートだけどね」鈴乃はウィンクして見せた。
感想をログインなしでも書ける様にしてみました(ドキドキ)。
日々練習のつもりで書いているので、感想を頂けると
有難いです。




