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りんけーじ132 虜のあかねとヴァール

りんけーじ132 虜のあかねとヴァール


「ベゼブさん、わたし眠くなっちゃった」あかねはふわぁ~、と口を手で覆いながら生あくびをした。

「マッサージがそんなに気持ちいいですか?」ベールゼバブはうれしそうにまたがっているあかねに顔を寄せた。

確かにベールゼバブのマッサージは弱すぎず、強すぎず絶妙な揉み心地だった。

「そ、そうね」あかねは、愛想笑いを浮かべた。

「このまま、眠ってしまってもいいですよ」ベールゼバブはうれしそうに揉み続けた。

「え、えーっと、わたし眠る時は人がいると眠れないの。だから一人にしてほしいの」あかねは、顔だけずらしてベールゼバブを見た。

「そうですかー…わかりました。あかね殿!」ベールゼバブは残念そうに、またがっているあかねの上から、ゆっくりと離れた。

「ゆっくりお休みください」そう言うと、名残惜しそうにベールゼバブは部屋から出て行った。

「あかねちゃん大丈夫!?」ベールゼバブが出て行き、室内にあかねだけになったのを確認したヴァールは実体化し、姿を現した。

「ヴァールさん」あかねは、ベッドから飛び起きると、足に括り付けられた重たい鉄球の鎖を引きずって、ヴァールに抱きついた「怖かったよぉ、怖かったよぉ」

「大丈夫、大丈夫」ヴァールはあかねの頭を撫でた。あかねは体を震わせて泣いていた。

強気に振舞っていたのも、恐怖心を押し殺すためにやっていたことなのだろうという感じがヒシヒシと伝わってきた。

ヴァールがしばらくあかねを抱きしめていると、ようやく落ち着いてきた様だった。

あかねの様子を確認したヴァールは話し始めた「みんなで、あかねちゃんの救出にきたの」

あかねはヴァールの顔を見て頷いた。

「みんなは、城の入口で待機しているわ。わたしが偵察のため、一人で様子を見に来たの」

ヴァールはいきさつを説明した。

「そうですか」あかねはヴァールから離れた。

「ここの首領のベールゼバブ自体は、わたしが強気に振舞ったせいで、手名付けることに成功しました。ですから、首領と話しさえ付けられれば、良いと思うのですが、問題は、逆にベールゼバブはわたしの事を気に行ってしまい、好意を持っている様です。そのベールゼバブが、私を解放してくれるかです」あかねは説明した。

「ふーん…ベールゼバブあかねちゃんのことが、お気に入りか」ヴァールは腕を組んだ。

「でも、やるじゃないあかねちゃん」ヴァールは、先ほどのあかねのベールゼバブに対する振る舞いを思い出しクスリと笑った。

「もう、笑わないでくださいよー」あかねは、ヴァールを見るとプクっと頬を膨らませた。

「冗談はさておき、状況はわかったわ!必ず助け出すから」ヴァールは、あかねの肩を握った。


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