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りんけーじ127 ヴァールの偵察

りんけーじ127 ヴァールの偵察


「何か、薄気味悪いところじゃ…」凜は、人型に戻ったえるに抱き着いた。

沼が点在する湿地帯の様で、沼の中では泡がはじけ、白い煙を上げている。ジメジメしてかび臭い。

周囲には紫色の霧が立ち込め、赤い血の様な色をした月が、霧とも雲とも言えないものの間から、その不気味な顔を覗かせていた。

「ひいぃ、あれは何?」珍しく鈴乃が、遠くから、聞こえる狼の遠吠えの様な声を聞いて、俺にしがみ付いてきた。

俺は、心の底からこみ上げる恐怖心を必死に押さえ込んだ「さ、さあ、何だろ?」声が裏返ってしまった。

俺たちが降り立った場所には、一本道が伸びており、先は霧で覆われていたが、時折霧の合間から見える、例の尖塔のある城まで続いている様だった。

「ほな、ベールゼバブの城まで、隠れつつ行ってみますか?」マリスは腕を伸ばし、ストレッチしながら言った。

「待って!偵察であれば、私に任せてください」その時、ヴァールがすっと前に出た。

「ああ。そうか、ヴァールはんは幽霊やったな。宙に浮けるし、姿を透明にもできるんやったな」マリスは自分の顎に指を当てた。

「ほな、ヴァールはん!頼んだで。みんなええな」マリスは皆に確認した。

「ヴァール一人で大丈夫?」鈴乃はヴァールを心配した。

「幽霊ですから気配も消せますし、大丈夫です」ヴァールはニコッと笑った。

「では、行きましょう!」そう言うと、ヴァールは自分の姿を薄くしていった。

ふわっと空中に舞い上がると、「偵察に行って、戻らなかったら、何等かのトラブルが発生したと思ってください」と告げ、城の方に飛んで行った。

「ヴァールは大丈夫かのう?」凜が心配そうに霧の中に消えて行くヴァールの後ろ姿を見送った。

「ヴァールもこちらの世界の者です。この城のことも知っていた様ですし、今は任せましょう」えるは凜の頭を撫でた。

 ヴァールは下に見える道を頼りに錐の中をふわふわと進んで行った。

やがて、霧の中から、ぼうっと城のシルエットと、点在する灯りが見えてきた。

ヴァールは注意して、木に姿を隠しながら、城の入口に近づいて行った。

城の前には、護衛が2名いた。甲冑に身を包んで、顔はトカゲの顔であった。いわゆるリザードマンというのであろうか。

リザードマンたちは何かを話し合っていた。

ヴァールは姿を消して、門番のリザードマンの方に、そっと近づいて行って聞き耳を立てた。

何やらあかねの事を話している様だった。


今週は土日に予定があり、執筆ができないため、本日の更新となりました。

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