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りんけーじ126 西の尖塔を目指す

りんけーじ126 西の尖塔を目指す


 3頭のモンスターは凄い勢いでヴァールの指し示す、西の方角に飛んで行く。ヴァールは時々下界に広がる世界を見ながら方向を確認している「マリス!もうちょっとだけ左側に!」

「任しとき!」マリスは長い首をもたげ、ヴァールの方を振り返り、ヴァールの指差す方向を確認すると、飛行ルートを修正した。

途中聳え立つ雪山を越えた。上空はかなり温度が低そうだったが、竜たちがシールドを張っていてくれたおかげで、凍える様なことは無かった。

そのまま、進んで行くとジメジメした湿気を含んだ臭いがしてきた。そして、あっという間に周囲が紫色の濃霧に覆われ視界が遮られてきた。

 濃霧の中で、マリス、えるの2頭も見え隠れしてきた。

「あと、少しなのに、これじゃ、何も見えないっぽ…」ローリィが呟いた。

確かに危険だ!下手すると、竜同士で衝突しかねない霧の濃さだ。

その時マリスがニヤッと微笑んだ「ふっふーん。心配しなくても大丈夫や!竜の眼があるさかい、視界が塞がっても飛べるんやで!」

ほとんど肉眼では、何も見えない中物凄いスピードで飛んでいく、リーヴァに振り落とされない様―――と、言っても、竜たちは人が乗ると、強力な磁力の様な魔力を使い、人をくっ付けてくれている―――しがみ付く手に力を込めざるを得なかった。

一瞬濃霧が明るく光ったかと思うと同時に、ゴロゴロ雷鳴も轟始めた。

「あ、あれ…何かしらー?」俺の前方で鈴乃が叫んだ。

前方を見ると、霧がぽっかり空いたなかに聳え立つ尖塔が見えてきた。

霧の中からヴァールを乗せたマリスが見え隠れした「あれに、間違いありません!」

ヴァールは手を振っている。

「このまま、尖塔に近づくと、ベールゼバブの反撃をうけることになるぞ!一旦地上に降りて様子を見た方がいい」リーヴァが叫んだ。

「うむ、あいわかった!える、下に降りるぞ!」凜がえるに指示した。えるは「はい!ますたー」と言うと、くるっと反転し地上に向かった。

「しっかり、つかまっていろ!」そう言うとマリス、リーヴァもそれに続いた。

ほとんど霧の中で方向感覚が狂い、上下さえも覚束ない中、おそらく地上に向かってのだろうとしか、わからなかった。

 やがて、リーヴァが羽根を上下に大きく羽ばたかせ始めると、霧が一瞬晴れ、地面が見えてきた。

 すると、竜たちは地上にズシンと舞い降りた。

「うわー、何かカビ臭いわねー」鈴乃が周囲から漂う臭いに鼻を覆った。

さすが魔界の地、寒い訳でではないが、何故か悪寒がして、ぞわぞわと鳥肌が立つ。

周囲を見渡すと、うっすらと点在する沼から泡がブクブクと沸き上がっていた。


今週は、明日用事があるため、早めの投稿となりました。コミケ...

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