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りんけーじ125 異形の3頭の飛翔

りんけーじ125 異形の3頭の飛翔


「早くあかねを助けないと!」俺たちは、次の朝、異世界探検部の部室に集まった。

俺は女剣士用にあかねがデザインしたコスチュームに身を包んでいた。

コスプレ風といっても、胸当て、肩パッド、各腕、足当てなどはチタニウム合金でできているので、固く、軽量な本格派だ。

あかねの図案を基に凜の家がスポンサーとなり、特別に造形してくれたものだった。

それに愛剣ベルシュフォードを携えていた。

 これで今の俺はくっころ女剣士だな…とふと頭によぎった。

「あかねちゃん、今助けるわ」魔女のコスチュームになった鈴乃も心配そうな表情をしていた。

「あの気弱なあかねのことじゃ、どんなヒドイ仕打ちを受けている事か…」凜も涙目になっていた。

「さあ!いきましょう!」えるの案内で西方の尖塔を目指すことになっていた。

みんなで指輪を投げた。

その瞬間眩い光に俺たちは包まれていた。

光が消えるといつもの、街の雑踏の中に俺たちの集団は立っていた。

「おお、みんな来たな」先に異世界に行っていたマリスたちがいた。

「ふふん、深海に魔王の実力を、ベールゼバブの見せつけてやろうではないか!」リーヴァは握りこぶしに力を込めた。

「おらも、存分暴れるっぽ!人魚の悲鳴を聞かせてやるっぽ!」ローリィも頼もしそうに言った。

「では、救出に行きましょうか!」ヴァールが西の尖塔の場所を知っていたので、ヴァールの先導で向かうことにした。

える、マリスとリーヴァはそれぞれ異形の姿になり、マリスにヴァールが乗り、先頭で飛び、えるに凜、ローリィが、リーヴァには俺と、鈴乃が乗り込んで付いて行くことになった。

「あれ、深海の魔王のリーヴァは空が飛べるの?」鈴乃が不思議そうに尋ねた。

「はーっ、はっ、はっ。深海の魔王たるこの私が、空を飛ぶことなど、造作もないことだ!」

リーヴァも空を飛べることは、この時始めて知った。

異形の3頭は皆が乗ったことを確認すると、翼を広げた。

「それじゃ、マリスさんお願いします!」ヴァールがマリスに言うと、「ほな、行くで!道案内は任せるさかい!」とマリスは翼を羽ばたかせ、周囲に物凄い突風を巻き起こしながら、その巨体をゆっくりと、宙に浮かせた。

それを合図にえる、リーヴァも羽ばたき、足を地面から浮き上がらせた。

3頭は空中に浮かぶと、見る見るうちに地上が遠ざかり、頭上に浮かぶ雲がグングンと迫ってきた。

「よし、それでは西の方角に進路を取って!」ヴァールは小さくなった地上の風景キョロキョロと確認し、一点を指差した。

マリスはヴァールの方に長い首を折り曲げて確認すると「了解!方角が外れたらまた声をかけてや!」と言うと、首を一直線にピンと伸ばし、グンッとスピードを上げて、ヴァールの指差した方向に飛んだ。


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