りんけーじ123 黒ネコと西の尖塔
りんけーじ123 黒ネコと西の尖塔
「やあ!久しぶりだね!」ミーは、脳内に直接話かけてきた。
「ミー、あかねちゃんが、異世界の魔王軍幹部に誘拐されたの!私たちこれから、助けに行こうと思うんだけど」鈴乃の声は動揺していた。ミーは、鈴乃の脛に纏わりついたので鈴乃はミーを抱き上げた。
ミーはうれしそうにのどをゴロゴロしながら「ミャー」と一声鳴いた。
「猶予はないわ!すぐに助けに行かないと!」鈴乃はミーに矢継ぎ早に言った。
「今日は、もう遅いから、明日行けばいいよ」ミーは答えた。
「でも、それではあかねが!」凜が心配そうな瞳でミーに訴えかけた。
「あかねなら大丈夫!」ミーは続けた「ボクの異世界透視魔法で、あかねの無事は確認している」
「あかねは、無事なんじゃな!?今どこにいるんじゃ?」凜はミーに詰め寄った。
「ごめんね!ボクの透視魔法も完璧にそれを見れるわけではなく、何と言うか、透視対象の現在の状況というか意識の思念みたいなものを感じ取れるんだ。それによると、あかねの意識は最初はかなり動揺していた様だが、現在は安定していて、今後も差し迫った危険は無いようだね」ミーは目を細めた。
「明日にするとして、あかねちゃんの両親には、どう説明すればいいんだ?」俺は、ミーに質問をぶつけた。
「それも大丈夫!ボクがこの世界の因果をちょっとイジくって、今ここのボクたち以外は
あかねの存在を知らない。無論あかねの両親もだ!」
「相変わらず便利な猫ね」鈴乃はミーの、のどを擦った。
ミーは気持ち良さそうに顔を上げた。
「一つだけ、わかっていることは、あかねはもう一つの世界の中つ国、―――ああ君たちが最初に居た所だ――—の、西にある、「ベールゼバブの尖塔」に囚われている様だね」
「じゃあ、私たちはそこに行けばいいんですね?」ヴァールはミーに尋ねた。
「そうだね!」そう言い終えると、ミーは鈴乃の胸からぱっと飛び降り、「じゃあ、またね」
と言うと、何事も無かったかの様に雑踏の中に消えてしまった。
「ますたー!みんなで助けに行きましょう」えるは、凜を見た。
凜は頷いた。
その頃、あかねは――—
もう一つの世界の中つ国の西方にある、「ベールゼバブの尖塔」。
勝ち誇った笑い声が聞こえてくる。
「フハハハハハ、リヴァイサンめ!神などと仲良くしおって!神とその軍勢は、我ら魔王軍の敵だ!ケジメとして、あいつらの一人を人質にとってやった。コイツを利用して、魔王軍の悪名を世に知らしめしれくれる!」ベールゼバブは王座に触り肘当てに右肘をついて、掌に頬を乗せていた「のう」。
そこにあかねはいた。ベリーダンスの踊り子の様な衣装を着せられ、左足は鉄球のついた鎖で拘束されていた。
ベールゼバブはあかねの方を見た「どうだ!人質!このベールゼバブ様が怖いか!恐怖に慄くか!泣け!叫べ!」




