りんけーじ12 魔法の杖と古の剣
りんけーじ12 魔法の杖と古の剣
「何これ、外国語?まったく読めないじゃない!」と鈴乃は文句を言った。
「ふむ、この本は、古代ルディア文字で書かれているんじゃ。かの偉大な魔法使いであるオルディアゴールが記したものじゃよ!そうか、読めんか、それでは意味がないのう」と、店主は残念そうに答えた。
更に店主は続けた「じゃが、その魔法の杖、こういう時にも使えるんじゃよ。本に記された文字を持ち主が使用している言語に変えられるんじゃ」。
「えっ?すごいじゃない!」と鈴乃は目をしば立たせて答えた。
「それでは、こう唱えるのじゃ。古の賢者に告ぐ。其方の偉大な力を尊ぶ者に力を与え給え、この書物に我が知識の根源と成らんがための力を与え給え。フォルディルーサ!と」
ノミの店主は答えた。
鈴乃は杖をスッと構えると詠唱を始めた。
「ええっと、いにしえの賢者に告ぐ。其方の偉大な力を尊ぶ者に…何だっけ?」
「力を与え給え。じゃよ」のみの店主が助言した。
鈴乃は続けた「力を与え給え、…この書物に我が知識の根源と成らんがための…、力を与え給え。ええっと、フォルなんだっけ?」
グダグダだな。…大丈夫かな、と俺は心の中で呟いた。
「締めくくりは、フォルディルーサ!じゃよ」のみの店主は再度助言する。
「フォルディルーサ!」と、鈴乃が最後だけちょっとかっこよく叫び、杖をそれらしく振ると、杖の先から金色の閃光が迸り、書物を包んだ。
「おぉ!」と感動していると、本が宙に舞った。ページがパラパラとめくれ上がり、ドサッと落ち、金色の光は消えた。
本からは、シューっと、白煙が湧き出していた。
鈴乃が恐る恐る本を開くと、記されていた古代ルディア文字は何と、日本語に変換されていた!
「へー、すっごいわねこの杖♪」と、鈴乃は満足げに杖をまじまじと眺め、「ありがとねっ☆おじいさまっ♡」と、ノミの店主に向かってウィンクした。
「おお、そうじゃ。あと、この剣はベルシュフォードの剣と言い、古にドレイ・ハルス・ドラシュの討伐に使われたものじゃ。伝説では、使う者と心が通じ合えば、切れぬものはない。とまで言われている名剣じゃ。その切れ味は使う者次第ということじゃよ」と、ノミの店主は説明した。
俺は、剣を鞘から抜き、握ってみると不思議なオーラが剣を通して体にじわじわと流れ込むのを感じた。ノミの店主の話を聞いて、何となく最初にこの剣に触れた時に感じた、不思議な感覚が分かった気がした。
店主に礼を言い店を出ると「また何か困ったことあったら、来るんじゃよ!気をつけてな!」と、店主から返答があった。




