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りんけーじ119 邪眼と魔眼

りんけーじ119 邪眼と魔眼


「お祭りとはおもろいもんやなあ」 マリスたちは両手の抱えきれないほどの大量の景品をゲットしていた。

「もうすぐで、花火会場よ」鈴乃が人の流れに乗って説明した。

「ほお、花火か…」リーヴァが小首を傾げた。

「夜空を見ていれば、分かるよ!きっと、感動するから」あかねが嬉しそうに両手を口許に添えてほほ笑んだ。

「じゃあここらへんで見ましょうか」妹の英美里が会場の桟敷席の一角を見回した。

「そうだな、みんなここでいいかな?」英美里に言われ俺は皆に確認した。

「ふむ。では座るとするか…」そう言うと凜はスッと正座した。

それは日頃の凜の言動からは察しえない、大和撫子の立ち居振る舞いだった。

「へーっ!あんたも、ちゃんとすれば、お嬢様に見えるのね」と、それを見ていた鈴乃が茶化した。

「!?」凜は、一瞬ハッとした顔をして、真っ赤になると、左手を顔に当て「じ、邪眼が、左目の邪眼が疼き始めたのじゃ」と、取って付けたような中二病で取り繕った。

「ハイ、ハイ」と鈴乃は頭に手をやった。

「ほお、凜には邪眼とやらがあるのか…」リーヴァが興味深気に呟くと、凜に手を取り、左目を見ようとした。

「や、やめろ、何をするのじゃ!これはそう言う設定で…」凜は必死に目を瞑り抵抗した。

「設定?とは何だ。まあ、減るものではないだろう、奇遇だな!私には魔眼があるのだ!わたしのも見せよう!」そう言うと、リーヴァは瞳を閉じ、再び開いた。

リーヴァの瞳はキラリと紫色の怪しい炎を帯び、見るものの瞳を虜にしてしまう、まるで希少な宝石の様な、キラキラとした魅力的かつ破滅的美しい輝きを、放っていた。

「いい加減に…」目を開いた凜は、その瞬間リーヴァに瞳の魔力に吸い寄せられる様に見入ってしまった。

「な、なんと言う、美しい輝きなんだろう..、見る事を止められない、ずっと見ていたい、まるで心が満たされるような、幸せを感じる…」凜は自分の意志とは関係なく、うっとりと魅了された。

凜の瞳にもリーヴァの瞳からユラユラと溢れ出る紫色の炎がキラキラと反射していた。

リーヴァの瞳を心無げにぼうっと、見つめる凜をさすがに尋常では無い、雰囲気を感じ取ったえるは「ますたー!その目を見るのは危険です!」と、凜をリーヴァの怪しい瞳の輝きから、引き離そうと凜の肩を掴んだ。

「きゃあ」その瞬間、えるは物凄い力で弾き飛ばされた。

竜であるえるが意図も容易く、人間である凜に突き飛ばされることなど、通常ではあり得ない。

凜は「わたしの邪魔をするな!他のものなどどうでもいい、この光だけも見つめていたい、呼吸するのも面倒だ…」と、うっとりと恍惚の表情を浮かべた。

「―――これ以上は危険だ!」その時、リーヴァは瞳を閉じた。

凜は気を失いパッタっと倒れ込み隣にいたヴァールに抱きかかえられた。

「凜!大丈夫!?」ヴァールは凜に話しかけた。

「これが魔眼の威力だ。見るもの全てを虜にし、その者を狂わせる」凜がぱっと瞳を開け呟くと、再び気を失った。

それを見たリーヴァは微笑んだ。



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