りんけーじ110 3つの光
りんけーじ110 3つの光
突然の突風はつむじ風となり、ゴウゴウとガラクタを巻き上げた。
みんな砂埃を避けるために目を掌で覆った。
「お、お兄ちゃん..」英美里が必死にしがみ付いてきたので、「英美里大丈夫か!?」と飛ばされない様に、俺は英美里の手をしっかりと握った。
つむじ風が治まると、それがあった辺りが輝き始めた。
「何でしょう?」とあかねが訝し気に注視した。
光は最初、野球のボールほどの大きさだったが、やがて人間ほどの大きさとなり3つに分離した。
嫌な予感がする―、俺の直感が心の中で叫んだ。
光が徐々に消えると、そこから姿を現したのは―――
「やーハロー!親分―」と、聞きなれた声がした。
「マリス、何であなたがここにいるんですか!」えるがマリスを睨みつけた。
「そんなー、冷たいこと言わんといて、親分ー!!」マリスは涙目で訴えかけた。
「泣き真似しても、ダメです!」えるはぷんすか怒って帯に両手を当てた。
「今日はこの2人も連れてきたんや」マリスは自分の両サイドに手をやった。
「あーっはっはっはっ!久しぶりだな、われこそは、深海の魔王…」ドンっと、凜はリヴァイアサンを突き飛ばし「おおっ!ローリィーではないか!元気だったか?」とローリィの元に駆け寄った。
「うわーっ」と言う叫び声と共に、リヴァイアサンは彼方へ飛ばされて行った。
「久しぶりだっぽ!」とローリィはうれしそうに微笑み凜の両手を掴んだ。
突き飛ばされた、リヴァイアサンは、戻ってくると「お、おのれー」と、凜の前に立ちはだかった。
「鈴乃―、ローリィじゃー!」と、凜は鈴乃に声を掛け、鈴乃の方にタッタッタッタッと駆け寄った。
再び、凜はどーんと、リヴァイアサンを突き飛ばした。
「うわーっ」っと、リヴァイアサンは再び飛んで行った。
鈴乃は、ローリィを認めると「あら、ローリィいつも雰囲気が違うと思ったら、足で立ってるの?どうしたのよー!?」と、ローリィに近寄った。
「えへへへ」とローリィは嬉しそうに笑い「マリス様に、尾びれを足に代えてもらったっぽ~♪」と、くるくると回った。
その話を聞いていた、えるは「マリス!」と声を掛けコホンと咳払いをすると「あ、あなたもたまには、良い事をするのですね」と、マリスの方をちらっと見た。
「せやろ、親分~、わらわをもっと褒めて、褒めて~!!」と、えるに抱き着きキスしようとした。
「マリス!調子に乗り過ぎです!」と、えるはマリスをサッとかわした。
「あーん、親分のいけずー!」マリスは、体を起こしながらえるに呟いた。
「お、おのれー、一度ならず二度までも…」よろよろしながら、リヴァイアサンは凜に近付いて行った。




