りんけーじ11 武器屋の店主
りんけーじ11 武器屋の店主
な、何はともあれ2人とも欲しいものが決まったので、「あのー、すみませーん!」声をかけてみた。
「・・・・」返答はない。「誰かいますかー?」もう一度声をかけると、「何だ、誰じゃい!」と声が聞こえてきた。
声のする方を見ても誰もいない。「どこに、いるんですかーっ?」と再び声を掛けると、
「ここじゃ!」と声は聞こえど、誰も見当たらない。
「あのー!どこですかー?」鈴乃が声を張り上げた。
「ここじゃと、言っておろう!」と前の机から声がした。
「?」声のした机の上をよく見てみると、小さな小さなノミの店主がいた。
鈴乃は「うわっ、ここにいたんですねっ」と驚いた顔をした。
「えーっと、このソードと魔法の杖が欲しいのですが、ぼくたちおカネは持っていないので、この宝石と物々交換することは、可能でしょうか?」と鈴乃が拾った宝石を取り出した。
「ふーむ、ベルシュフォードの剣と、シャサナの魔法の杖か…どれ、お前さんたちの宝石とやらを見せてみろ」とノミの店主は答えた。
店主の前に宝石を机の上に置くとノミの店主は「ゴレグンディアのルビーか。うーん、この剣と杖には足りんな」と答えた。
「何でよー、命がけで手に入れたものなのよ!けち臭いこと言わないで交換してよ!いいじゃない!!」と鈴乃が詰め寄った。
「ふーむ。して、これをどの様に手に入れたのじゃ?」とノミの店主は尋ねた。
「オオネズミに危うく、殺されそうになりながら倒したら、転がっていたのよ。まぁ、正確には、ミーと言う黒猫に助けてもらったんだけどね」と、鈴乃は答えた。
「何?お前さんたち黒猫のミーの知り合いか!?」ノミの店主が驚いた様な声を上げた。
ノミの店主が続けた「ミーにはその昔、世話になってな。うーん、そうか、ミーの知り合いか、ちょっと足らんが…、どうするかのう、ミーの知り合いと聞けば仕方ないのう、わかった。交換してやるわい」と、店主は答えた。
「やった、交渉成立!武器を手に入れた!!ありがとねっ♡ノミのおじいさんっ♡てへっ」と鈴乃がニッコリと笑いペロッと舌を出した。くっ、あざといっ!と、俺は思った。
「やれやれ、こんなかわいい娘さんに、言われちゃ仕方ない。わしゃかわいい娘にはめっぽう弱いんじゃあ」とノミの店主は答えた。
「そうじゃ!物のついでじゃ、魔法の杖の解説書をやろう」とノミの店主は言い、そこの本棚の上から2段目のえーっ左から3冊目じゃったかのう」
「はい、これでいいの?」鈴乃が言われたところから本を取って、カウンターに置いた。
「おおこれじゃ、これじゃ」と、ノミの店主は答えた。
その本はかなり古い物の様だった。
「ふーん、何だか難しそうな本ね..」鈴乃が本を開くと、見たことの無い文字が書かれていた。