表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/294

りんけーじ109 お祭りの匂い

りんけーじ109 お祭りの匂い


 会場は隣の東浦浪駅であり、俺たちは、電車に乗った。

電車内はやや混んで座席は埋まっていた。

 みんなでつり革につかまって揺られていると、程なく隣駅に到着した。

 改札を抜けると、鈴乃とあかねが待っていた。

「あら、来たわね!」俺たちを見つけると、鈴乃が声を掛けてきた。

「こんばんはー、英美里ちゃんも一緒なんだー、兄妹仲いいねー」とあかねも手を振った。

英美里はペコリとお辞儀をすると、手を振り返した。

俺たちも挨拶を交わした。

「ほーっ、2人共きれいじゃのー」凜が口を両手で押さえた。

2人を見ると共に浴衣を着ていた。

鈴乃は水色をベースに赤い花模様の描かれた生地に、淡い藤色の帯を着けていた。髪の毛は後ろでまとめた三つ編みをくるっと巻き、耳の上に付けた水色の花の髪飾りがアクセントになって、しっとりとした美しさを醸し出していた。

 あかねは、淡いピンク色生地にピンク色の花模様が描かれた浴衣に、茜色の帯を巻き、帯と同じ茜色のリボンを頭に付け可愛らしかった。

「お二人とも浴衣が似合ってますね!」と、ヴァールがウンウンと頷くと。

鈴乃も「みんな、浴衣姿カワイイわね」とぐるっと見回した。

「ほぇーっ…少女化した円正寺先輩の浴衣姿ほんとカワイイですねー、何かモデルの人みたい」と、あかねがぽかーんとした顔をで見つめるので、「そ、そんなもんじゃないからっ!!」と、俺は、恥ずかしくなり、あかねの手を引っ張った。

「じゃあ、会場に向かいましょうか」鈴乃が合図と共にみんなカラコロと下駄を鳴らして歩き始めた。

 夕時と言いても日差しは未だ元気で、じりじりと体に当たった。

 俺たちは、楽しそうな賑わいのする人波に乗って、会場に向かって行った。

「ふーん、何か美味しそうな匂いがしますねー」えるが鼻をクンクンさせた。

「本当!おなかがぎゅーって鳴っちゃったー」ヴァールが頬を赤らめて下を向いた。

確かに、風に乗って醤油やソースが焼ける香ばしい、お祭り特有の匂いがふわっと漂い始めた。

すると、道の両端に電球に照らされた様々な屋台が現れ始めた。

「わた飴、じゃがバター、いか焼き、たこ焼き、フランクフルト、からあげ、焼きそば、ベビーカステラ、お好み焼、かき氷、バナナチョコ、りんご飴…」えるとヴァールは、通り過ぎる屋台をキョロキョロと目を輝かせ眺めながら、二人そろって涎を堪えて、まるで詠唱魔法の様に呟いていた「あーっ!」「もうっ!」「全部食べたいでーす!!!」。

夜の帳が下り始め、宵の明星が輝き始めた。

「きゃっ」あかねが声を上げた。

と、その時、よどんだ蒸し暑い空気の中を、何の前触れも無く、ゴオッと、激しい突風駆け抜け、屋台の上に連なる提灯の灯りと、屋台の電球が激しく揺れ、光が乱舞する幻想的な光景が広がった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ