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りんけーじ106 ラプラスの悪魔と黒猫

りんけーじ106 ラプラスの悪魔と黒猫


みんなに異論が無い事を確認すると、えるはすぅーっと息を吸い込んだ、そして瞳を閉じると、掌を交差させた。

すると、交差させた掌から光が溢れ出し、徐々にえるを包んで行った。

えるは髪をなびかせ、光が球体となってえるを取り込んだ瞬間、瞳を開いた。

えるの瞳は、ドラゴンのものとなっている。

両手を天に向かって広げると「連関天則!」と叫んだ。

 その瞬間「ドグォン!」と言う地響きの様なソニックブームが鳴り響き、世界は白と黒だけのモノクロームとなった。

「ああ!危ない!あいつが!ラプラスが現れる!!」えるが片膝を着いて叫んだ。

光の中に黒い点が現れると、やがてそれは大きな空洞となり、渦を巻き始めた。

暗黒の渦は、周囲の光を徐々に飲み込み始めた。

大きくなった黒い穴の中からは黒い稲妻を帯びた触手の様なものが現れた。

触手は最初、生まれたての生物の様な、ぎこちない動きをしていたが、俺の方を向くと突然物凄い勢いで向かってきた。そして、グルグルと俺の体に巻き付いた。

「ああああ!」俺は、体中に電流が走る様な衝撃を受けた。

「このままでは、取り込まれる…」えるは、苦痛に満ちた表情に変わった。

その時、光の球の中に黒雲が湧き出し、それは、黒猫の姿となった。

「ミ、ミイ!?」俺は、激痛に薄れゆく意識の中呟いた。

突如現れたミイは、その鋭い爪で俺に巻き付いているモノを、断ち切った。

「グオオオ」と言う咆哮と共に俺に巻き付いていたそれは、消滅した。

ミーは、くるりと踵を返すと「フフフ、あの触手はラプラスの悪魔のものだね、連関天則を用いる時は、よほどあいつに注意しなきゃだめだよ」と警告しウインクすると、煙になり霧消した。


世界は元の色を取り戻した。

「ミ、ミーに助けられた」俺はあまりにも、一瞬の出来事だったので、まるで夢でも見ている様だった。

呆然としている俺を見て、えるはニコッと微笑み「ふう、ミーのお蔭で、これで大丈夫!もう少しで、ラプラスの悪魔に取り込まれるところでした」と、右手で額を拭った。

 あれがラプラスの悪魔の触手??取り込まれるとどうなるんだ??と、たくさんの?が俺の頭に浮かび上がったが、えるの微笑みは、俺が立ち入ってはいけない世界のことを、静かに物語っていた。

「これで、連関天則が発動しましたので、円正寺さんは、男女どちらの場面であろうとも、それに即した生活を送ることが可能となりました♪」そう話す、えるの笑顔に畏怖の念を感じた。


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