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りんけーじ102 俺、男に戻る!

りんけーじ102 俺、男に戻る!


 遂に、スフフパールを手に入れることができた!マリスによると、今日が満月で、あと数時間で午前0時らしい。これで、名実ともに俺も晴れて男に戻れる!

 かわいい美少女の外観も、ちょっと名残惜しかったが(入浴した時、あんな事や、こんな事、鏡の前であんな事や、こんな事が出来なくなってしまうのはちょっと、残念…)、

そもそも、恐ろしい事に、最近男の姿を忘れかけている自分がいて、仕草や立ち居振る舞いも女性のものになりつつあった。

 長く、ゲルトルフード草の効果で女性の姿でいると、身も心も女性化してしまう様だった。

「じゃあ先ず、スフフパールを粉にするで!」と言って、マリスは海中に大きな円を描くと、それはマリスを包む、空気の泡の空間になった。次にマリスは異空間の穴を開け、そこから大きな乳鉢を出し、そこにスフフパールをカラカラと入れた。

マリスの一連の行為を見ていたローリィは「おお!さすがはマリス様だっぽ!あんなこともできるっぽ!」と感心していた。

マリスは、スフフパールをゴリゴリとすり潰し、粉末にした。

その粉をサラサラと平たい鍋に移した。そして、マリスがサッと指を振ると炎が現れた。

炎を地面に移すと、マリスはその上でスフフシェルの粉を煎り始めた。

しばらくして、水分がなくなると、「よし、これで完成や」とマリスは火を消した。

みんなマリスの一挙手一投足を、固唾をのんで見守っていた。

「あとは、午前0時を待つだけや!」マリスは懐中時計をパチンと開け時間を確認した。

そして、俺を泡の中に来る様に手招きした「円正寺はん、中へ!」。

俺は、恐る恐る泡の中に入った。

「円正寺はん、もうすぐやで!」マリスが俺に言った。

その時、スフフパールの煎じ薬が青白く輝き始めた。

「おお!」おれは、その神秘的な輝きに、見とれていた。

「さあ、今や!これを飲むんやで!」マリスは、紙に煎じ薬を取ると、俺に渡した。

俺は頷き、ドキドキしながら、煎じ薬を飲んだ。

味は、粉末にしたビオ〇ェルミンの様で、粉っぽかった。

飲んでしばらくすると、俺の体は見る見るうちに、青白い光に包まれて行った。

「ふぇ~っ!神秘的ですね~」あかねが、見とれていた。

光の中で俺は、体が変化していくのを感じた。

しばらくすると光がシュワシュワと消えて行った。

俺は、自分の感覚を取り戻した。まず最初に感じたのは、視線の高さが違う!明らかに高くなっていた。次に両腕に触ってみると筋肉が硬い!胸も覗いてみた。膨らみが無くなっている!そしてパンツの中にも、俺のベルシュフォードの剣も付いている!

ようやく、男の姿に戻れた!俺は、安堵して、はーっと、息を吐いた。

「ようやく、男に戻れた!これも、みんなの協力あってだ。みんなありがとう!」とお礼を言った。

「こうして見て、みると、円正寺君も案外背が高かったのね」鈴乃が男に戻った俺を見上げた。

「やったー!元の円正寺さんだー!」ヴァールは、俺の姿を見て喜び勇んで、駆け寄ってきた。

「あっ!」その時、ヴァールは何かにぶつかりパリン!と音がした。

音のした方を見ると、乳鉢をひっくり返し、スフフパールのキラキラと輝くミルク色の粉が宙を舞った。

その粉は、俺の鼻腔に入り込み、鼻がムズムズしだした。堪え切れなった俺は「ハクション!」と、下を向いて、大きなくしゃみをした。

「スフフパール、粉末アレルギーかな!?」と、俺は前にいる鈴乃に話しかけた。

「あ、え…?」俺の姿を、見た鈴乃は固まっていた。


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