りんけーじ100 海の深淵へ
りんけーじ100 海の深淵へ
「さあ、じゃあ、先に行くっぽ!」
ローリィを先頭に深い海の中を進んで行った。
「な、何じゃあれは?」凜が眼前の広がる風景を見て叫んだ。
海底には無数の煙突の様に、ひょろひょろと高く伸びた岩から、もくもくと、黒灰色の煙の様な海水が吹き出していた。
「まるで、深海の工業地帯ね…」鈴乃がその光景を見ながら言った。
「コウギョウ..チタイ?」少女の姿に戻ったリーヴァは、鈴乃に不思議そうに尋ねた。
「詳しい事は直ぐには分からないだろうけど、私たちが住む地上の街には、工業地帯っ言う、ああいう似たようなものがあるのよ!」鈴乃は、説明した。
「ふ~ん」リーヴァは、生返事した。
しばらく進むと、鈴乃の言う工業地帯を抜けた。
「あ!あれ何だろ?」あかねが、前方を指差した。
しばらく、進むとキラキラと七色に輝く小さな彗星が猛スピードで飛び交っているのが見えてきた。
それは、飛び去った後に、光の粉を散りばめている。
「綺麗..」ヴァールは舞い降りてきた光の粉を、手に取って見とれていた。
「あれは、何?」えるがローリィに尋ねた。
「あれが、スフフシェルだっぽ!」ローリィは、無数に飛び交う光の玉を仰ぎ見ながら
答えた。
「えーっ!あれがか?」俺は呆気に取られた。
貝と聞いていたから、てっきり海の底の砂にいるものとばかり思っていたから、あんなに水中を飛び回っているものとは予想外だった。
確かに、光の大きさは20センチ位で、良く見ると平べったい。
ローリィは頷いた「さあ、皆でスフフシェルを捕まえるっぽ!」。
「みんなで捕まえましょう!」鈴乃の掛け声と共にスフフシェルの捕獲作戦が始まった。
「ようし!」あかねは、飛び交うスフフシェルに向かって泳いで行った。
「それっ!せいっ!」あかねは、近づいてきた光を、捕まえて様と手を振りまわした。
しかし、スフフシェルはすばしっこく、巧にあかねの手をすり抜けて行った。
「何をやっているじゃ、あかね!」しびれを切らした凜もあかねに加勢した。
「ほっ!」ぱん!「よっ!」ぱん!、凜も目の前で輝くスフフシェルを両手で捕まえようとするが、まるで盆踊りを踊っている様に凜の合いの手が響くだけだった。
「あ、あと少し…、あと少しで円正寺さんが男に戻るっ!」ヴァールが1匹のスフフシェルを岩の間に追い込んでいた。
「円正寺さん挟み撃ちにしましょう!」俺を見たヴァールが答えた
「ほいきた!」俺は、ヴァールに対峙し、スフフシェルとの間合いをじりじりと詰めて行った。
「じゃあ、両方から3.2.1で飛び掛かりましょう!」ヴァールが言った。
俺は相槌を打った。
「3!…2!…1!…、それっ!」ヴァールの合図と共にスフフシェルに飛び込んだ。
「あっ!」ヴァールは、スフフシェルに触れたが、あと少しのところで、指の間をすり抜けて行った。と共に、俺とヴァールは頭から激突した。
その瞬、間俺は、目から火花が出た。




