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DESIRE chronicles  作者: 縁迎寺
infected DESIRE
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しばらくお休みのお知らせ&設定集

皆さんまいどどうも。エンゲイジです。今回はお伝えしたいことがあります。これから先も長く続けようと思ったこのシリーズですが、ネタが崩壊したためしばらく休止いたします。完結と言うわけではないので、遠い未来での更新はあります。ですが何かと迷惑をかけることになるのは事実です。なのでそのお詫びとして、初期のころに書き溜めていた設定集を載せることにします。エンゲイジの慰みを少しでも見ていただけると幸いです。それでは、また別の作品、もしくはこの続編で。

マグナ・バベル:10の階層から成る天をも貫かんばかりに聳え立つ塔。優れた科学技術を有しており、塔自体が巨大なアーコロジーとして機能している。塔の総人口は約1億人に上る。外部との接触を完全に断っており、この塔の外部について知っている者は殆どいない。300年も昔から存在している。

 

認証レベル:各階層に定められたレベル。対応する認証レベルの持ち主でなければ自由に出入りすることができず、レベル以上の階層への出入りには評議会が発行する『臨時レベル』か、マグナ・バベルの役に立つ人材であると認められ、レベルを上げることが必要になっている。評議会メンバーや一部の学者などの重要度の高い人物に与えられるレベルS、貴族などの上流階級の者に与えられるレベルA、一般市民に与えられるレベルB、監獄に収監された犯罪者や無階級人に与えられるレベルCの4つのレベルがある。



デザイア:マグナ・バベルに生きる者達の一部が持つ特殊な力。己の人格をも歪めるほどの欲望を抱き、それが元から備わっているデザイアの素質と一致した時に発現する。いずれも人智を超えた力を発揮するが、何かしらのデメリットも存在している。

オープナー:最近になって出回りだしたヘッドギアのようなデバイス。誰でもデザイアに覚醒することができる。取りつけるだけで超常的な力に目覚めることができるこのデバイスは、瞬く間に広まった。


第10階層・行政区ジグラトピア:マグナ・バベルの行政を司る階層。認証レベルはS。評議会メンバーは『天塔(タワー)()エテメン=アンキ』。マグナ・バベルの頂点に立つ王。第10層の統治者であると同時に評議会の議長でもある。

バベル評議会:マグナ・バベルの最高機関。9人のメンバーそれぞれに与えられた『使命』の下に、各層を統治している。


第9階層・第一居住区ザナドゥ:マグナ・バベルの貴族たち上流階級の者が住む区画。認証レベルはA。評議会メンバーは『上都官(エデンズ)トウカ=シャバラ』。騎士道精神を重んじる高潔な貴人。マグナ・バベルの名門シャバラ家の長女。

秩序使(オーダーズ):ザナドゥに本部を置くマグナ・バベルの治安維持組織。通り屋などのデザイア覚醒者の犯罪にも対応できる。現リーダーは監獄区ディーテの長でもあるアケロン=シャバラ。


第8階層・研究区シボラ:マグナ・バベルの発展のための研究と開発を続ける区画。認証レベルはS。評議会メンバーは『研究師(ジーニアス)キスタ=ドラード』。頭脳一つでレベルCからのし上がってきた努力の人。エテメンから特別に他の評議会メンバーよりも高い権限を与えられている。また『ネクスト・ステージ』というデザイアを覚醒させている。

ネクスト・ステージ:キスタのデザイア。彼の『マグナ・バベルを遥かに発展させたい』という欲望を元に発現した。力を行使すれば、生物に劇的な進化を齎す。ただし幾度かの使用後には激しい貧血と下痢に見舞われる。


第7階層・繁華区イラプセル:マグナ・バベルの繁華街。認証レベルはB。評議会メンバーは『大宴主(フェスティバルズ)ティル=ノーグ』。経歴不詳のスーパーウーマン。イラプセル最大の娯楽施設『マグメル』のオーナーでもある。

マグメル:イラプセル最大の娯楽施設。人が思いつく限りの娯楽がそこにある、と誰かが言った通り、イラプセルの全てがそこにある。中にはレベルA以上の住人のみが出入りできる店もある。


第6階層・第二居住区マゴニア:マグナ・バベルの一般市民が住む区画。最も人口が多い区画である。認証レベルはB。評議会メンバーは『空都官(スカイズ)テンペスタ=シャバラ』。市民たちに慕われる名君。シャバラ家の次男でトウカの兄。また『グレート・ウォール』というデザイアを覚醒させている。

グレート・ウォール:テンペスタのデザイア。彼の『臣民たちを守りたい』という欲望を元に発現した。堅牢な障壁を生み出すことができる。マゴニア全域を覆う障壁を展開することもできるが、それほどの障壁を生み出せば命にかかわるほどにエネルギーを消費してしまう。


第5階層・自然保護区ブロセリアンド:塔の中にあるとは思えないほど広い、マグナ・バベル内に形成された自然界。平原、山脈、湖沼、砂漠、森林などの様々な景色を見せる。かつてはもう一つの居住区だったが、ある日突然住人が全員姿を消した後に、自然界が現れた。認証レベルはA。評議会メンバーは『観測者(ゲイザー)ヴァース=ルー』。未知を観測するもう一人の研究師。レベルC時代からのキスタの親友で、彼と共にのし上がった。また『ホーク・アイ』というデザイアを覚醒させている。

ホーク・アイ:ヴァースのデザイア。彼の『広がる自然の全てを視たい』という欲望を元に発現した。浮遊する眼を自在に操り、それらの視た景色を視ることができる。ただし眼を展開しすぎると、ヴァース自身の視力が落ちてしまう。


第4階層・工業区アストラン:マグナ・バベルの産業を担う区画。重要度の高い区画であり、認証レベルはA。この区画で働く者達はこの階層限定のレベルAを与えられている。評議会メンバーは『匠工帝(マイスター)コアトル=ツィーロ』。アストランでは名の知られた職人であり、前任者であるテスカから直々に指名され、メンバーとなった。


第3階層・監獄区ディーテ:マグナ・バベルで罪を犯した者達が収監される巨大監獄。認証レベルはC。評議会メンバーは『監獄長(ヘルズ)アケロン=シャバラ』。かつては偉大だった粗暴な男。シャバラ家の長男。かつてこの監獄は難攻不落と謳われていた。

破獄事件:11年前にディーテで起こったデザイアの発現者たちによる大規模脱獄事件。この事件によって当時収監されていた囚人の8割と、死刑執行予定だった7人の死刑囚のうち6人が脱獄した。


第2階層・廃棄区ゲヘナ:マグナ・バベルの吹き溜まり。様々な物が廃棄されている。認証レベルはC。評議会メンバーは『技巧帝(エンジニア)テスカ=ヤオトル』。病的なほどの発明狂であり、エテメンに無理を言ってジャンクであふれたゲヘナに向かわせてもらった。評議会メンバーでありながら評議会に顔を出すことは滅多になく、それについてエテメンは何も言わない。

テスカコレクション:テスカがゲヘナに転がっているジャンクを使って製造した発明品の数々。彼は造った傍から興味をなくすため、完成したらそれを放置してまた新しいものを造り始める。本人が把握しきれないほどに量がある。たいしたことのない物から、放っておくと危険なものまで数多くある。


第1階層・失楽区アガルタ:マグナ・バベルの最下層。最も治安が悪く、数多くの無階級人がここで過ごしている。かつては第二のイラプセルとも言えるほど発展した区画であったが、破獄事件で脱獄してきた囚人たちに乗っ取られてしまった。認証レベルはCにも拘らず、誰も近寄りたがらない。支配者は、破獄事件で脱獄した6人の死刑囚の一人である『グリーク=オルト』。『王国』を率いてならず者たちの上に君臨する絶対王。強力なデザイアである『アブソリュート・モナーキー』の覚醒者である。

王国:グリークが率いる組織。共に脱獄した元囚人たちを中心とした大規模な組織であり、アガルタの9割を支配している。アガルタの都官庁跡を根城にしている。アガルタを恐怖で支配し、無階級人たちの支配と恐怖の象徴として君臨している。また、数多くのデザイアの覚醒者が所属しており、そのほとんどが元囚人である。3人の幹部以外は全てゴロツキである。ゲヘナに出向いては、放置されているテスカコレクションを回収している。

イザヤ:幹部の一人。全身を覆い隠すような白装束に身を包んだ女。テスカコレクションの回収を主導している。ゲヘナについて詳しく、ジャンクの山に埋まっている放置されているコレクションを探し当てることができる。『エンパシー・ウェーブ』というデザイアに覚醒している。

エンパシー・ウェーブ:イザヤのデザイア。彼女の『みんなに喜んで欲しい』という欲望を元に発現した。周囲の者たちに自身の望む感情を抱かせることができる。しかし今の彼女のドライな人格とデザイアの元になった欲望は一致しているようには思えない。

エレミヤ:幹部の一人。大量の重火器を携えた巨漢。他階層の破壊活動を主導している。破壊行為に快感を見出しており、彼によってもたらされた被害は計り知れない。

エゼキエル:幹部の一人。逆立った白髪の男。かつてアストランのオープナー製造工場の工場長だったが、技術を盗んでアガルタの犯罪組織に売り渡した。一度ディーテに収監された後に、王国の技術者として加入した。彼の作る劣化品のオープナーと、彼とシボラの元研究員たちが作っているドラッグ『ライジング』が王国の資金源となっている。

ライジング:王国の資金源となっているドラッグ。既存のどのドラッグよりも依存性が強く、何をしてでも手に入れようとする者達が多く、社会問題となっている。


通り屋:マグナ・バベル内に出没する集団。認証レベル関係なしに様々な階層に出没し、犯罪行為に手を染めている。かつてはもう一人いたが、デザイアの覚醒者を4人有している。頭目を筆頭にセキュリティの突破を担当する『鍵師』、様々な物品を回収して回る『回収班』、秩序使や敵対者との交戦を担当する『戦闘班』、回収された物品などを元に様々な物資を開発する『技術者』などを抱える精鋭揃いの組織。アガルタの僻地にある秩序使の支部跡を改装して根城にしている。

ムーン:通り屋の頭目。普段から構成員たちの前に姿を現さず、ラプサとヴァーミリオンの前にだけ姿を現す。無法地帯のアガルタをその力だけで生き延びてきた古強者。故にアガルタにおいてはグリークに並ぶほどの力を持っている。デザイアとは似て非なる力『イフ・ストーリー』の覚醒者。極めて珍しい『塔の外部』から来た人間であり、マグナ・バベルに来る以前の記憶を失っている。

イフ・ストーリー:ムーンの力。自身のいくつかの可能性から『最良の結果』を選択し、それを自身の未来として決定できる。例え可能性が限りなく低くても、少しでも可能性があればそれを引き出して未来として決定できる。他にも、姿が不明瞭な影を使役することができる。

ラプサ=ブラック:通り屋の鍵師。デザイア『マスター・キー』の覚醒者。階層ごとの認証を突破する役割を持っている。冷静に確実に仕事をこなすできる女。仕事終わりの薄いコーヒーをこよなく愛する。

マスター・キー:ラプサのデザイア。彼女の『秘匿を全て取っ払って、真相を解き明かしたい』という欲望を元に発現した。自身の権限よりも上位の認証やセキュリティ、物理的な鍵を解除できる。ただし自身の権限以下の認証や、物理的な障壁は突破できない。


ヴァーミリオン=ノーティア:通り屋戦闘班の班長。デザイア『トリガー・ハッピー』の覚醒者。敵対者との戦闘を担当している。かつては戦闘班の構成員だったが、前班長の死に伴って新たに班長となった。旧式から最新式まで数多くの銃を取り揃えているが、それらは本人の趣味で集めているのであり、実際に戦闘で使う銃は、昔から使っているリボルバーと秩序使から強奪した自動小銃である。たまにその日の気分でコレクションからランダムで銃を使う。

トリガー・ハッピー:ヴァーミリオンのデザイア。彼の『本能のままに銃を放ち続けたい』という欲望を元に発現した。それぞれの銃に応じた弾丸をいくらでも精製でき、更には銃が破損した場合も即座に修復、機能を向上させることができる。ただし銃以外の武器が使用できなくなり、銃以外の武器に触れることすらできなくなる。

ヴィシャル=ハダール:通り屋回収班所属で攪乱担当。デザイア『ブラック・アウト』の覚醒者。秩序使からの逃走における攪乱を役割としている。常にギリースーツに身を包む小男。色々と喋りたがらない。

ブラック・アウト:ヴィシャルのデザイア。彼の『自身の醜さを徹底的に隠したい』という欲望を元に発現した。一定範囲を漆黒の闇で覆い、何も見えなくする。当然本人も見えなくなるが、デミアが造る特殊な暗視ゴーグルで対応可能である。


デミア=レッジ:通り屋の技術者。通り屋の使用する武装やヴィシャルのブラック・アウト下での行動を可能にする特殊な暗視ゴーグルの開発をした。元々シボラで研究員として働いていた経歴を持ち、その時に手に入れた定期制の臨時レベルSを無制限に使えるよう改造している。そのため、ラプサがデザイアを覚醒させるまでは彼が鍵師を担当していた。


エクサ=ブラック:ラプサの姉で、かつて通り屋戦闘班の班長だった。『ウィズ・ザ・ウィンド』というデザイアの覚醒者で、通り屋が誇る最大戦力だった。しかし3年前、遺体となって発見された。姉の死の真相を探ることに全てを懸けていくうちに、ラプサはデザイアを覚醒させた。

ウィズ・ザ・ウィンド:エクサのデザイア。彼女の『誰をも抜き去る疾風になりたい』という欲望を元に発現した。文字通り疾風のような神速の移動を可能とする。速度を上げすぎると制御が効きづらくなるという欠点があるが、本人が制御能力を身に着けることで対応が可能。


7人の死刑囚:マグナ・バベルの7人の死刑囚。全員が強力なデザイアに覚醒しており、それによる史上最悪な罪を犯したため、死刑が予定されていた。

グリーク=オルト:死刑囚の一人。ボロボロになった秩序使の旧制服を着た屈強な男。デザイア『アブソリュート・モナーキー』の覚醒者。元は秩序使のリーダーであったが、当時の構成員たちを自身のデザイアの影響下に置き、当時収監されていたディーテの囚人たちを無差別に虐殺させ、その後構成員同士を互いに死ぬまで殺し合わせたことによって死刑の判決を下された。

アブソリュート・モナーキー:グリークのデザイア。彼の『絶対的に傲慢で、圧倒的な支配欲』を元に発現した。自身に対して少しでも屈服した者を自身の支配下に置く。支配下に置かれた者は自身の意思とは関係なしにグリークの操り人形となってしまう。これといったデメリットを持たない珍しいデザイアの一つである。


ユーゴ=ラルス:死刑囚の一人。鉄仮面を被せられ、拘束服を着た男。デザイア『ビッグ・バン』の覚醒者。元々ディーテに収監されていたが、囚人たちを怒りのままに殺し尽くしたことで死刑が確定した。他の死刑囚と違ってまだ監獄に残っているが、拘束された状態で監獄の最深に幽閉されている。

ビッグ・バン:ユーゴのデザイア。彼の『きっかけさえわからない燃え尽きない怒り』を元に発現した。自身が望んだ位置に望んだ規模の爆発を引き起こす。他にも自身の身体能力を『爆発的に』上昇させる。非常に単純ではあるが、それゆえに危険性はシンプルに高い。


マーネイト=ディライ:死刑囚の一人。卑屈そうな血色の悪い男。現在行方知れずとなっている死刑囚の一人。デザイア『ジェラシック・パーク』の覚醒者。かつてはマゴニアに住む一般的な青年だったが、デザイアによってマゴニアはおろかマグナ・バベル全体に不和とそれによる惨劇を齎した。

ジェラシック・パーク:マーネイトのデザイア。彼の『他人の幸福を全て破壊してやりたい』という欲望を元に発現した。人々の間に不和を生じさせ、争いを起こさせる。それぞれが持っている『我慢できる許容範囲』を絶妙に超える不和を生じさせるため、誰であろうと抗えない。


ヴェックス=ネイル:死刑囚の一人。眠り続ける小柄な老人。デザイア『アイディアル・ワールド』の覚醒者。自然保護区となる前のブロセリアンドの住人であったが、無意識に発動した自身のデザイアによって、当時の住人全てを消し去ってしまった。眠ってはいるものの、どういうわけか意思疎通が可能である。

アイディアル・ワールド:ヴェックスのデザイア。彼の『現実から逃げたい』という欲望を元に発現した。他者を引きずり込める夢の世界を形成する。彼の世界では各々が抱く理想を実現させ、夢から逃れられなくさせる。ただし覚醒者は意識だけを残して半永久的に昏睡状態に陥る。


ヘジクス=クロウリー:死刑囚の一人。脳と内臓組織以外を全て機械に付け替えた学者風の知的な男。デザイア『オール・マイン』の覚醒者。元はシボラの優れた機械技師であり、自身の身体も当時改造したものである。ある時自身より優れた成果を上げた同僚の手柄を奪うために殺害し、その後同じことを何度も繰り返した。最終的な被害者は30人を超える。

オール・マイン:ヘジクスのデザイア。彼の『自身よりも優れた同僚の成果が欲しい』という欲望を元に発現した。対象を握り潰すことで、その対象が保有している知識や記憶、果てはデザイアをも自身の物とする。奪い取っただけではうまくデザイアをコントロールできないのが欠点。


ルクス=ライル:死刑囚の一人。理性を失い、異常なまでに肥大化した男。デザイア『グランド・イート』の覚醒者。元はただの無階級人であったが、異常なまでの食の執着を持ち、その果てに肉親を含めた100人以上の人間を貪り食った。現在はグリークによって保護されている。

グランド・イート:ルクスのデザイア。彼の『お腹いっぱい食べたい』という欲望を元に発現した。あらゆるものを食べることができる。代償として徐々に理性が失われていき、最終的には満たされない食欲を埋めるために貪り食うだけの獣となり下がる。


ラビリア=サバト:死刑囚の一人。誰もが息を呑むほどの美女。現在行方知れずとなっている死刑囚の一人。デザイア『ファム・ファタル』の覚醒者。元はイラプセルのとある店の女店主であったが、デザイアを使い数々の男を虜にし、果ては当時の大宴主をも手玉に取りイラプセルに混沌と惨劇を齎した。死亡説も出ており、実際に彼女と思われる遺体も発見されている。

ファム・ファタル:ラビリアのデザイア。彼女の『幾重にも織り絡まった痴情の上に立ちたい』という欲望を元に発現した。自身にほんの少しでも気を許した者を完全に言いなりにする。それ以外の人間に対しての記憶操作などもできる。ただしある程度強力なデザイアの覚醒者には通じない。


運命界の臣民:マグナ・バベル内で少しずつ勢力を広げている宗教団体。『運命の子』と呼ばれる者を信奉しており、その導きによって運命界と呼ばれる新天地へ向かうことを目指している。

運命界:臣民たちが目指す地。あらゆる運命を乗り越えた先に存在するとされ、そこでは何の枷もなく苦しみもなく、全ての生命が安寧を享受していると言われている。『運命の子』はこの地に臣民を導く為に運命界から遣わされた者とされ、来るべき日にこの世に生まれるという。

『運命の子』カリーア:運命の子と呼ばれる少女。慈しみの心を持つ心優しい少女で、自身の導きを待つ臣民たちをどうにかして導いてあげたいと思っている。特殊なデザイア『リ・ジェネレイト』の覚醒者。

リ・ジェネレイト:カリーアのデザイア。彼女が生まれついた時から発現していた珍しいデザイア。傷を負っても瞬く間に再生する。他人の傷を治癒することもできる。しかし使うごとに少しずつ効力が落ちていく。















ネタバレ


マグナ・バベルの外:人が住める世界ではなくなっており、複数存在するこの塔のようなアーコロジー以外は未知の『化け物』が闊歩し、大地そのものが牙を剥く地獄のような有様である。塔がいかに広大とはいえ収容できる限界はあり、人口が一定数に達すると、無作為に選ばれたレベルS未満の市民を『追放』することで人口のバランスを保っている。


ティル=ノーグ:イラプセルの大宴主。その正体は死刑囚の一人ラビリア=サバト。人々の記憶を改竄し、大宴主としてイラプセルの頂点に立っている。彼女と思われていた遺体は全くの別人であり、その遺体の顔を『ラビリアの顔』として、彼女自身の顔を『ラビリアではない誰かの顔』として認識するように操作している。


マーネイト=ディライ:行方知れずの死刑囚。密かにラビリアに飼われており、自身の意志で彼女に従っている。彼のデザイアは不和を生み出すだけであったが、今では人々の殺意を駆り立てて殺しあうように仕向けるように形を歪めている。


デザイア:デザイアの覚醒には2種類あり、1つ目は前述したとおりだが、2つ目は『デザイアの素質を弄って強制覚醒させる』というもの。デザイアの素質とは『鍵穴』のようなものであり、それに適応する欲望が『鍵』となる。このピッキングのような行為で発現したデザイアの覚醒者は当然無事で済むわけもなく、感情が消滅してしまう。オープナーは後者の原理でデザイアを覚醒させているが、機体にあらかじめ感情のバックアップを取っておき、覚醒後も以前と変わらない状態にすることができる。しかしオープナーは高価であり、誰もが手を出せるわけではない。最近では感情のバックアップ機能をオミットした安価な粗悪品が流通している。基本的に発現できるデザイアは一人一つであるが、極稀にもう一つデザイアを発現させる者もいる。その多くは、人格を複数持つ多重人格者である。


王国:支配体制こそ完全に独裁だが、アガルタの秩序は保たれている。この組織が創設されたのも、元をたどればならず者たちを抑えて統制するのが目的であった。しかし内部では好き勝手やっている者達が多く、エレミヤの破壊活動も、エゼキエルの劣化オープナー流通も、全て彼らが勝手にやっていることである。グリークは王国のトップということになっているが、事実上の支配権はエゼキエルに渡っている。


7人の死刑囚:実は彼らは罪を犯してはいない。彼らが覚醒したデザイアはプロトタイプのオープナーによるものであり、それは『そのデザイアを発現させるに至るまでの記憶と欲望を植え付ける』というものであり、彼らはその被験者だった。大半の被験者は、植え付けられた記憶や欲望を受け止めきれずに廃人となってしまった。この惨状が起きることを想定していた者によって、植え付ける記憶の中に『覚醒したデザイアで凶悪犯罪を引き起こした』という記憶を混ぜていた。

グリーク=オルト:部下にも慕われる優秀なリーダーであったが、彼のことを良く思わない者によって被験者にされた。王国を秩序ある組織にできたのは彼自身のカリスマによるものである。


ユーゴ=ラルス:ディーテに収監されていた囚人だったが、『減刑プログラム』として紹介された案件で被験者となった。正気に戻らなかったことから、厳重な拘束を施されて幽閉されている。


マーネイト=ディライ:ただの学生であり、単なる献血のような気分で被験者となった。元からの彼の性格が歪んでいたこともあり、彼のデザイアは今でも成長している。


ヴェックス=ネイル:彼自体は本当にブロセリアンドの元住人であり、行き場を失い彷徨っていたところを被験者としてスカウトされた。ブロセリアンドが変貌した時、彼はアストランで仕事中だった。『自身の故郷を自身の手で壊滅させた』という記憶に耐え切れず、自ら意識を奥底に墜とした。


ヘジクス=クロウリー:実はこの実験をする側の研究者だったが、主導者に無理やり被験者にされてしまった。人格者であり、この実験についても以前から参加を拒否していた。


ルクス=ライル:無階級人の少年であり、家族の為に食料を買って帰るために被験者となった。植え付けられた記憶による強烈な飢餓感とデザイアの覚醒によって、正気ごと研究者たちを喰らった。


ラビリア=サバト:本当は店主でも何でもない単なるバイトである。日頃から『力による成り上がり』を願っており、今回の実験はデザイア欲しさに参加した。しかし植え付けられた記憶を本来の記憶と誤認している。


運命界:こことは違う次元に本当に存在する異世界。かつて存在した『異世界を観測できるデザイアの覚醒者』が最期の時まで至らんとした世界。異世界を夢見た彼こそが、臣民たちの祖となった。

『運命の子』カリーア:リ・ジェネレイトの力が弱くなっていくごとに、別の力が強くなっていった。リ・ジェネレイトは彼女の『人間としての人格』を消費して力を発揮しており、その全てが使い果たされた時に『運命界の使者としての人格』が目覚め、臣民たちを運命界へと導くのである。

ディザ・スター:使者としてのカリーアが持つデザイアとは異なる力。運命界へと導く力、それを阻害する者を排除する力が内包されている。代償として人間としての人格は消滅し、リ・ジェネレイトの力も消滅する。


自然保護区ブロセリアンド:文字通り『ある日突然マグナ・バベルに現れた』。その真相はある者の『空間を入れ替えるデザイア』の力によるものであり、この入れ替わった空間はこの世界に存在する空間ではないどころか、別の世界そのものであるという調査結果が出ている。当時の入れ替わりの際にこの階層にいなかった者達だけが、かつてのブロセリアンドの姿を物語る。


ブロセリアンドの生態系:昆虫から魚類、小動物から大型動物、おとなしい草食動物から獰猛な肉食獣、更には空想上の生物、絶滅生物など様々な生物がいるが、そのどれもが人間に対して微塵も敵意を持っていない。


第三居住区ブロセリアンド:第6階層にかつて存在していたもう一つの居住区。『階級なき都市』を掲げており、レベルAからレベルCまでの全階級の人間が平等に暮らしていた。当時の評議会メンバーは『安息公シンアル=アンキ』。エテメンの弟であり、彼の唯一の肉親。次期天塔王との呼び声も高く、民からも慕われているまさに希望の星。また『ヴァイス・ヴァーサ』というデザイアを覚醒させている。

ヴァイス・ヴァーサ:シンアルのデザイア。彼の『自身と兄の立場が逆であれば』という欲望を元に発現した。二つのものを入れ替える。物同士から空間同士まで様々なものを入れ替えることができる。ただしあまりに大きなものを入れ替える際には、自分ごと入れ替え先に飛んでしまう。


廃喰界ブロセリアンド:異空間へと飛ばされたブロセリアンド。初めのうちは皆戸惑いながらも普段通りの生活を営んでいたが、資源が減っていくにつれて秩序は失われていった。共存を謳っていた貴族は、一般市民や無階級人たちを『下民』として彼らから資源を巻き上げ、飢えた者達は弱った者を喰らい、それらを喰い尽くした後には隣人を、愛する者を、肉親を喰らいあった。この惨劇から生き延びた者達は僅か数十人足らずであり、彼らはほんの僅かに残っていた資材で暮らしている。


キスタ=ドラード:マグナ・バベル創設者の一人であり、自身の本当のデザイアの力によって今まで生き延びていた。実質的なマグナ・バベルの支配者であり、天塔王は代々彼の秘密を受け継ぐ。自身を置いてこの世を去っていく友たちを憂い、自身と共に歩む者が欲しい、という欲望を抱いたことでネクスト・ステージを覚醒させた。

ヘル・ゲート:キスタの本来のデザイア。彼の『いつまでもマグナ・バベルを見守り続けたい』という欲望を元に発現した。自身の命が尽きる瞬間に全身を炎に包み、望む年齢の姿で蘇る、まさに不死とも言える力を持つ。


デイブレイク・プロジェクト:キスタがネクスト・ステージに覚醒した200年前から秘密裏に進めていた計画。ネクスト・ステージの力でマグナ・バベルの住人全員を長命となるように進化させる計画。『人類を次のステージに移行させる』ことを掲げているが、その根底には『自身と共に永劫を歩む者を増やしたい』という彼の欲望が根ざしている。

ファイア・ワークス:彼のプロジェクトを進めるための鍵となるデザイア。他者のデザイアの効果を拡散できる。このデザイアを発見するために初期型オープナーを用いた大規模な実験が行われ、多数の人間を廃人にした。


ヴァース=ルー:キスタと同じマグナ・バベル創設者の一人。彼自身は不死のデザイアを持っておらず、自身の精神とデザイアを宿したアンドロイドを遺している。キスタの抱える狂気を知り、それを止めるべくテスカと協力している。




テスカコレクション:造って気に入らなかったものはすぐに廃棄してしまうので彼が保有しているのは10種類のみである。


No.1ジャンクロイド・アダム:テスカが最初に造った発明品。ジャンク工作の練習で造った、AIを搭載した人型ロボット。主にテスカの身の回りの世話をしている。若い男性の声が出る発声パーツを搭載しており、かなり多彩なコミュニケーションが取れる。後に振られた型番はEX00。

量産型ジャンクロイド:テスカが気分転換に不定期に造る人型ロボット。勿論作った後は放置される。アダムとほぼ同等のスペックを持ち、各々が勝手にジャンクから住居を組み上げて生活している。テスカのことを親であると思っているが、彼からは特に何とも思われていない。アダム以降に造られた個体は人工皮膚が搭載されており、かなり人間に近い姿となっている。スペックにより型番が振られており、精密作業に特化したGM型、力作業に特化したMG型、豊かな感情を持つKS型、そして特殊な個体に振られるEX型がある。

ジャンクゾンビ:同じく気分転換に造っているロボット。ジャンクロイドよりもかなり質の悪いAIを使っているせいで知性は無いに等しい。目に見える動くものを攻撃するバグが発生してしまっている。


No.5ジャンクアーマー:テスカが己の身を守るために作った強化服。ジャンク製とは思えないほど性能が高く、ジャンクゾンビの攻撃をものともしない装甲に、対ロボットに特化した各種兵装を搭載している。機能性と誰に向けたかもわからない子供受けを意識して、ブレスレット型のデバイスから展開されるようなシステムになっている。



No.43ティーファクトリー:テスカが自身の好むジャスミンティーを精製するために作成した大型機械。茶葉を育成するプランターAとジャスミンの花を育成するプランターB、それらを収穫するハーベスター、収穫物を混合し茶葉にジャスミンの香りをつけるミキサー、茶葉と花を分離するセパレーター、それぞれを乾かすドライヤーAとBを経てジャスミンティーの茶葉が精製される。因みにお茶を淹れるのはアダムの役目である。それ以外にも、精製の際に出た茶葉と花を使って食料を精製する機構もある。茶葉と花の育成にかなりの時間を要していたが、テスカが気分転換にゲヘナに捨てられていた可燃ゴミを配合しまくった結果生まれた『すごい肥料』によって、わずか3日で成長しきるようになった。


No.46ジャンクワークショップ:テスカがアダムの『仲間が欲しい』という要望に応えて作成した大型機械。ジャンクロイドを自動で製造している。たまにジャンクゾンビが造られて野に放たれる。


No51ジャンクアニマルズ:テスカがブロセリアンドに生息する生物たちを参考に作成した動物ロボットたちとそれを自動製造する大型機械。本物に限りなく近い動作をするようにプログラムされている。製造の際にたまにジャンクゾンビのような凶暴な個体が製造されることがある。


No.59ジャンクビー:テスカがブロセリアンドに生息する生物の中でも『虫』に着目して作成した大型機械。巨大な蜂の巣の形をしており、蜂型のロボットを自動製造している。蜂型ロボットは巣を防衛、維持している。

ビー・ソルジャー:巣の防衛を行う個体。巣に近づく者を撃退する役割を持つ。撃退の為の兵装として、一発限りのミサイルと機械の感知能力を阻害するチャフ散布装置が搭載されている。

ビー・エンジニア:巣の維持を行う個体。巣の損傷個所や損傷した他個体を修理する役割を持つ。ビー・ソルジャーのミサイルやチャフを補充したり、巣の損傷個所をジャンクで修理したりしている。

ビー・プロデューサー:動力源の生産を行う個体。他個体や、他のテスカコレクションの動力源として利用できる物質を生産している。

クイン・ビー:全ての個体を統制する個体。巣のコアと同化しており、この個体の停止は全個体の停止を意味する。


No.67ジャンクティターン:テスカが『本格的な戦闘用の作品を造りたい』という思い付きで作った巨大人型兵器。性能よりも生産性を重視したため、搭載している兵装はジャンクビーの使いまわしである。


No.72クロノス:テスカが『究極の兵器』をコンセプトに作成した巨大兵器。ジャンクティターンとは比較にならないほどの兵器を搭載しており、エテメンがテスカに強く出られない主な要因。


No.99ジャンクロイド・イヴ:テスカがある日ジャンクの山から発見したAIの入ったデバイス。そのAIを適当なジャンクロイドに組み込んで造ったのがこのイヴである。振られている型番はEX02。AIとは思えないほどの反応を多く見せ、その振る舞いはまるで人間のようである。


廃棄したコレクション:何となく気に入らなかったから、危なかったから、単純に実用性が無かったから、などの理由で廃棄された作品群。廃棄とは言ってもその辺にポイ捨てしただけなので、普通に使える状態である。


No.16量産型ジャンクアーマー:大量に作ったジャンクアーマー。変形ギミックもそのまま。No.5と違う点は、使っている材質とそれに伴うカラーリングの違いである。本人も納得のいく作品であったが、『装着者がいない』という点が問題であった。ジャンクロイド達に装備させようと思ったこともあったが、彼らが装備すると変形ギミックが上手く動作しないことが判明したため、その案は没となった。こうなってしまえばスペースを取るだけの荷物でしかないので、ゲヘナの適当な場所に廃棄した。


No.24ジャンクホークアイ:テスカがヴァースのデザイアを再現して作成した監視ドローン。全部で7機作成されたが、監視の精度が甘かったので1機を残して全て廃棄した。


No.29ジャンクソルジャー:戦闘向けに調整を施したジャンクロイド。通常版と違って戦闘向けのAIのみを搭載しており、戦闘という点では非常に優秀。しかし制御系統に問題があるらしく、よく暴走してしまう。ジャンクゾンビと違いあまりにも危険すぎるため、全機体が廃棄された。


No.73フードメーカー:ティーファクトリーの副産物として精製される食料に飽きてきたため造った機械。そこらへんのゴミの可食成分を抽出して、栄養ブロックを作成する。ゴミを処理出来て食料も確保できる、かなり有用な作品だった。しかし精製される栄養ブロックがとんでもなく不味かったため、キレたテスカによって投げ捨てられた。その後のテスカの叫びはゲヘナ中に響いた。


No.84ジャンクロイド・リリス:テスカが自身の持てる技術を全てつぎ込んで作成した人型ロボット。振られている型番はEX01。『ジャンクロイド達を人間に近づけたい』という願いを込めて造られているためか、後に造られるイヴに引けを取らないほどに感情豊かで、彼女に影響されジャンクロイド達は彼女ほどではないものの、豊かな感情を手に入れた。しかしある日彼女は姿を消した。彼女の失踪はジャンクロイド達に『悲しみ』という形でさらに感情を齎した。





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