ファリウス
お久しぶりです。
評価ポイント等々ありがとうございました。
もう三月ですね。
進みが遅くてすみません。
病気は大分良くなりました。
冬は全てが凍りつく北の地に
僅かな間だけ夏の日差しが降り注ぐ。
その恩恵を少しでも
逃さないように建設された温室の中
長い白髪の人物が薬草の世話をしている。
性別は男性。見た目は四十代ほど、面長で長身。
特徴的な長い耳を持っており、目元は眼球は見えないほど細く
その顔から感情を読み取ることは難しい。
数枚の書類を持ち、温室に入ってきた若い男に対し
振り向く事もなく感情が籠らない声で
「結果は? 」
と聞いた。
問われた男は
報告書の内容を読み上げる。
「彼の国における淫魔捕獲は失敗。
王名で『淫魔を見つけた場合は手出しせず国の機関に通報すること』と全土に通知がな
され、入出国の際の検問が強化されました。」
報告を受けた男の眉が僅かに動くが報告は続く。
「サン・レノールに現れた純血種の淫魔に酷似した娘は、例の英雄『エイロー』の孫娘で
名前はフォルセティと呼ばれています。
彼の国で、ロングコート砦に現れた淫魔の特徴を持つ者は他におらず、この者が該当す
るかと思われ調査致しましたが……」
「どうした? 」
「は、どれだけ調査しても、この娘からは淫魔であるとの証拠が出てきませんでした。
魔力計測の質も人族であることを示しています」
「その娘は、三日ほど前から孤児院で病気の治療をしていると報告を受けているが? 」
「はい、報告を受け、病気に罹患させた間者を潜りこませましたが、治療にあたっている
者達は皆、防疫対策と称し、フードを被り、肌どころか人相、性別も判別できない状況
でした。接触して治療する必要がある重症者については、治療が苦痛になるとの理由で
眠られましたので、状態異常耐性の高い間者を廃石病に罹患させ、眠る振りをして治療
を受けさせました。その結果、エイローの孫娘ではなく、使用人が治療に当たっている
事が判明しました」
「間違いないか?」
「廃石病以外にも、別口で死にかけ状態の者を三名ほど送り込み、確認したので間違いあ
りません。それに、病気の治療中、件の孫娘はエイローとともに、彼の国の王族の使者
と会談しています」
「ふむ、送り込んだ者達は間違いなく、”普通”では治療困難な状況だったのだろうな?」
「間違いなく、現在の技術で完治は困難です」
「治療後の、その者たちの容体は? 」
「完治です。状況から、エリクサーかそれに近い上級ポーション……純血種かそれに近い
淫魔の体液を使用したものと考えられます」
白髪の人物は左手で口元を押さえ、しばしの間考え込む。
「と、すれば英雄エイローの孫娘は純血種の淫魔ではないのか……?
その使用人についての情報は?」
「現在、収集中ですが、地方領主の館内に匿われているため、全容を掴むにはしばらく
時間が必要です」
「エイローの孫娘が現れた時期と淫魔の現れた時期が同時というのは偽装……逆に考えれ
ば、エイローが偶然淫魔を保護したため……お忍びで旅をしていた孫娘を表に出した方
が自然か……一連の動きは衆人の目を逸らすため……なるほど、サン・レノールにいる
廃石病患者は何人だ?」
「例の淫魔が治療する前は10人ほどでしたが、現在は副領主の娘のみです」
「そうか、ちょうど良いな。種を使うか」
「あれは、人では、まだ実用段階ではありませんが?」
「まあ、あわよくば、だ。
なに、迷宮に変異せずと魔人化する事は実証済みだ
混乱に乗じその”使用人”とやらの回収を」
「サン・レノールは壊滅しますが、よろしいので?」
「すでに魔力欠乏症、廃石病は世界中に広がり、罹患者のデータ収集も終わった。
次の段階に進む時期に来ている。サン・レノールはその実験場になってもらおう」
「は、では、早速準備を」
報告を終え
足早に去っていく若い男を尻目に
白髪の人物はガラス越しの青空を仰ぎ見呟いた。
「フレイ、後少しの辛抱だよ……」
補足です。
※白髪の男=アテム・ファリウス=アルテール・フォン・セメギス
世界中に魔力欠乏症と廃石病の種を蒔きました。
これから色々起こります。
(の、予定)
ですがこの
コロナ蔓延のご時世になる前に
設定した状況が
今現在、世界中で発生していて
続きを書いていいのか悩んでおりました。
(と言っても密かに書こうとは思っていますが……)
長い目で
よろしくお願いします。




