ヘレンさんのお話
おひさしぶりです。
1ヶ月も経過してしまいました。
今回、セリフで進める試み。
字と情報が多くて
すみません。
「エイローさん、ちょっと席を外していただけますか?
フォルセティさんと、
二人だけで、
お話がしたい事がありますの」
笑顔を
貼り付けたヘレンさんが
エイローさんの方を向く。
「ひっ、あああ、わかった
今出る、すぐ出る
あとは任せた」
とエイローさんは逃げる様に
部屋を出て行った。
扉が閉まるのを確認した
ヘレンさんはしっかり鍵をかけた後
防音の魔法を使う。
「さて、フォルセティさん
お話……の、前に服を
いくらお部屋が暖かくても風邪をひきますよ?」
「ふあ、あ、あああ」
慌てて
背中をみると羽根も尻尾も消え
人間の姿に戻っていて
僕は急いで服を着た。
それを見届けた
ヘレンさんは
僕の手を取り跪いたかと思うと
「フォルセティ様、いえ、私の女神様、感謝申し上げます」
と、震える声で言った。
「あ、あの……、ヘレンさん? 」
「貴方には、神に願っても手に入れることができない
未来を頂きました。
私にとっては女神様です」
「そ、それは、淫魔の能力だから……」
「そう、ですね、
しかし、現在、純血種の淫魔の存在は確認されていません。
そして、神に願っても決して手に入れられない
寿命を、私は貴女にいただきました」
「はあ、まあ」
「貴女はそれは大したことではないと
思っているかもしれませんが
これは大変なことなのです」
「……」
「大きな力を持っていたとしても
必ずしも幸福になれるわけではありません」
「ご自身と、フレイさん……の事ですか? 」
「セティさん、貴女やはり、私の記憶を……」
「あ、え、ご、ごめんなさい」
「いえ、良いんです
私も貴女の記憶を……だからお互い様です」
「!!」
「その話はひとまず置いておきましょう
まずまお互い座りましょうか。
問題は、これからの事です
貴女のその力は必ず狙われます。
お名前から察するに
エイローさんの孫という後ろ盾を得ていますが
それだけだとまだ足りません。
その前に、貴女はエイローさんについてどの程度ご存知ですか?」
「……組合長から少し、推察すると
エイローさんって昔の大戦で活躍した英雄で
現在はどこかの国の中枢に関わる人物かなと、
恐らくトップか二番目辺りじゃないかと考えていますが……」
「そう、ですね
ほぼ正解です。
彼は、アルベイロ共和国の元首相で
隣国の、アンデシン帝国の先帝でもあります。
そして今でも、両国への影響力は絶大です」
「凄い……ですが、ややこしいですね」
「まあ、これはアルベイロ共和国の成り立ちにも関係するのですが……
大戦後解放されたアルベイロ地方とその周辺国ですが、いろいろな民族が入り乱れ
資源を手に入れるため、裏から多くの国が介入したこともあり、
紛争を起こしかけたのです」
「……」
「大戦で疲弊していたアルベイロの首長達は、
これ以上の争いを嫌い、帝国に助けを求めたため
最初は静観していたエイローさんも
強力なリーダシップを持って、この地方の紛争を収め
周辺国を帝国へ併合、または独立させました」
「なるほど」
「この中で、独特の文化を持つアルベイロ地方だけは帝国へ併合することはなく
共和国として独立したのです
……というのは表の顔で
アルベイロ共和国は、現在も帝国の庇護化にあります」
「もしかすると、人外種が関係していますか? 」
「聡い子ですね、その通り
血が濃く出たため、他国では生活が困難な種や、
貴女のように、その血や特性が狙われるような種族が
安心して暮らせるようにエイローさんが作った国です」
「……エイローさんは帝国の先帝って言う事ですが
国民は民主化は望まなかったのですか? 」
「先の大戦の被害はあまりに大きすぎました。
人民は、政治より生きることが先で
暮らしを優先したのです。
自ら政治を行うより、強いリーダーのもとでの安定した暮らしを求めました。
また、先の大戦の様に、人間至上主義者が台頭し、
血の濃い種族の能力を、再び道具として使う事を恐れています。
アルベイロも共和国と名乗っていますが
首長が持ち回りで代表者を決め、帝国の庇護、指導の元
国の運営が行われています」
「はあ……」
「最近は、国民から選挙で代表者を選出して、代表者を決め議会により
国の行く末を決めているところも出始めましたが、まだうまく行っていないところが
多いと聞きます
どうしてかわかりますか? 」
「ああ、もしかして、この世界の魔獣が関係していますか? 」
「そうです。
高位の魔獣は
議会での話し合いなど待ってはくれません」
「冒険者組合は……」
「国が危機に陥った際の依頼者はどなた?」
「ああ、国家かあ」
「国との協定である程度のレベルまでは
冒険者組合が討伐を行いますが
事、国家規模での危機では軍隊の出番になるんです。
恥ずかしい話ですが、この国も、一度、民主化、議会による運営を
行ったことがありました
しかし、高位の魔獣が出現した際
議会は機能不全に陥ってしましました。
その原因が資金の提供先や、責任の所在を巡っての内部争いだ言うのだから
……呆れてしまいます」
「ああ、お金と責任……なんとなくわかります」
「結局、この国は、各地を収める貴族制と、国を治める王政を復活させました
貴女がいた世界のように、魔獣がいないのであれば民主制でも良いんでしょうが
この世界ではこちらの方が都合がいいみたいですね」
「ああ、そうか、ヘレンさんも僕の記憶を……」
「私が見た、貴女個人に関する情報はわずかでしたが……話が逸れました
その話は後でしましょう。
この国は王政と貴族制を敷いています
そして私は貴族の身分です」
「ああ、ヘレンさんが後ろ盾となってくれると言うことですか? 」
「いえ、違います」
「へえ?」
「後ろ盾という話であればその通りですが
それは私ではありません」
「旦那さんです……か? 」
「いえ、それも違います
私は、王位継承権第四位を持っています」
「はあ? それって?」
「兄上にお願いして、この国の王に身分を保証してもらいましょう
エイローさんの帝国とこの国、二国からの後ろ盾がある
人物に手を出そうとする愚か者は、まずいないでしょう」
「え?」
とんでもない単語が飛び出していて理解が追いついて来ない。
王様? 兄上? 誰?
僕はいったいどうなってしまうんだろう……
ふたたび、病気が悪化しました。
そして、お休みを。
徐々に体調を取り戻しつつありますが
まだ不調です。
進みが遅く
大変、申し訳ありません。




