お願い
続きです。
※7月26日に若干訂正いたしました。
書き上がりました。
よろしくお願いします。
ヴィーちゃんの案内で
到着した孤児院の宿舎の外観は
白く太い木組みに煉瓦造りの
三階建の建物で
内部は
太い木の梁と白い漆喰の壁が
印象的な建物だった。
二階は男の子
三階は女の子の部屋があり
一階は食堂やお風呂になっているらしい。
6畳より少し広い部屋の中には
四人分の机と
二段ベッドが二つ置いてある。
部屋に入ってから
念のため扉に鍵をかけてもらい
床にルナちゃんを下ろそうとするが
しがみ付いたまま離れようとしない。
「ルナちゃん、お部屋ついたよ? 」
「……うん」
そして
なぜか僕の前には
ヴィーちゃんは跪いている。
「ヴィーちゃん?」
「「女神様」」
「……えっと、僕、女神じゃないよ」
「いえ、フォルセティ様は女神様です
ルナを救っていただきありがとうございました」
「ヴィーちゃん、違う
僕、そんなすごいんじゃないからね? 」
二人とも
じっと僕の顔を見てから再び
「「やっぱり女神様」」
と言って来た。
ふう
このことはひとまず置いておこう。
「着替えよ? ね? 」
ルナちゃんの顔を覗き込むと
僕の胸に頭を押しつける様に
グリグリしてくる。
うさ耳が鼻に当たって
くすぐったい。
「着替えないと、血だらけだよ」
「やだ、女神様、一緒」
あ、これはあれだ
怖い思いをしたから
少し幼児退行している。
孤児院に住んでいた頃
年少の子が良くなっていた症状だ。
怒ったり
無理に引き離したりすると
余計拗れるので
できるだけ優しい声で
語りかけてみる。
「でも、このまま戻らないと
みんな心配するよ
お昼ご飯、食べられないよ」
「……」
「うん、じゃあ、さ
着替えたらまた抱っこしようか? 」
「……うん、わかった」
渋々承諾した
ルナちゃんを床に立たせると
僕の裾を誰かが引っ張る感じがした。
振り向くと
ヴィーちゃんがうるうるした瞳で
『じぃー』っと見ている。
「じゃあ、変わりばんこに抱っこしよう
その前に着替えさせてね」
と言うと
ヴィーちゃんは、ぱあっと花の咲く様な
笑顔になった。
「ルナちゃん、ヴィーちゃん、さっきの事だけど
内緒にしてほしいんだ。
僕のことも女神様じゃなく
『セティ』って呼んでほしい
あと敬語もいらないよ」
着替え終わってから
二人が満足するまで抱っこし頭を撫でた後
ベッドに座らせてから
視線を合わせ、そうお願いする。
「え、何で、
すごい力なのに」
「女神様は女神様だよ」
と
二人は不満そうだ。
「さっきみたいな『力』は
人を助けることができるけれど……
世の中には悪い人間もいるでしょ」
二人は
僕の言葉に少しはっとして
真剣な表情で聞いている。
「この事がそんな人間にバレたら
秘密を知ろうと
ルナちゃんやヴィーちゃんだけでなく
孤児院の人達にも危害を加えるかも知れない
強すぎる『力』は幸せだけじゃなくて
厄介ごとも運んでくるんだ。
だから、簡単に他の人に漏らしては駄目だと思うんだ」
「「…うん」」
「三人だけの特別な秘密って事にしてくれると嬉しいな」
「「うん、わかった!」」
素直に聞いてくれて
ほっとした反面、少し心が痛む。
僕の言った事の
ほとんどは
自分の保身のため。
でも
僕の持つ『力』で
彼女やこの孤児院の人達に
迷惑をかけたくはない気持ちは本当だ。
淫魔の力の全ては
把握はできていないけれど
怪我を治す程度はできる。
自分を納得させるためこう付け加える。
「あと、もしまた何かあったら言って欲しいな。
僕がこの街に居る間であれば力になれるかも」
そう言うと
二人共少し考える素振りをした後に
「……あの」
「お願いが……」
と再び跪いた。
うさ耳
触り心地が良いですよね。
猫カフェ入ったことありますが
ウサギカフェって無いかなあ……
ウサギ
もふもふしたい。




