浸食
続き書きあがりました。
よろしくお願いします。
『おい、相方、魔力酔いは治まったか? 』
医務室に急行しながら
私の部屋で休んでいるパートナーに問いかける
『まだ少しクラクラするが大丈夫だ
すまん、視ていなかった
何が起きたのだ? 』
少し間があって返事があった。
『ウラキがラビリンスシードに感染した』
『なんだと! 』
念話の向こう側で息を飲む様子が伝わってくる。
『隔離病棟に運び込んでくれ、魔力壁の展開要員も頼む』
『了解、2分ほどで現着する』
と言いながら念話を切る。
「おい、そこの君、緊急事態レベル5発生だ、
隔離病棟の魔力封鎖の準備をしてくれ」
廊下にいた隊員に事態を告げ
隔離病棟の魔力封鎖を命じる。
レベル5は、緊急事態の対応中、最高ランクのもので
ここ何十年も発したことのないほどのもの。
それだけ今回の事態は
重い。
「くそう、イノシシ魔獣の段階でなぜ気がつかなかったんだ! 」
自責の念が湧き上がって来るが時間は戻らない。
隔離病棟の処置室に到着後、病棟内にいる
人間を必要な人員以外は退避させた後
封鎖を行った。
対応を指示している間に
ウラキは隔離病棟へ搬入され
先ほど相方も到着した模様で
私もそれに続く。
手術台の上には青白い顔のウラキ
その脇には息を切らした相方がいて
診察を行なっていた。
ウラキの意識はすでに無く
呼びかけにも反応しない。
「どうなっている」
相方に状況を確認する。
「おそらくウラキの体と意識は、ラビリンスシードと戦っている」
「助けることはできるのか」
「足や腕であれば、切り落とすことで全身が侵されることを
防ぐことができる。
だが、体の胸部付近、それも重要器官に巣喰ったもの取り除くことは
本人の命に関るためほぼ不可能だ。
体温を下げ体内への浸食を遅らせることはできるが、
全てを取り除く術は失われて久しいのだ。
このまま
己の意識を保てたとしても迷宮は生成され
体は魔物に変異し、迷宮の中心で生物の魔力を求めるようになる。
己を保てなければイノシシ魔獣の成れの果てになり迷宮を生成したのち
その迷宮は魔王となるべく主を求め、より意識の強い他の人間を取り込もうとするだろう。
どちらにしてもウラキは
人間ではなくなるということだ……」
ラビリンスシードは
迷宮がおのれの領域を広げるため
ごく稀に迷宮内部から発生するもので
迷宮に操られた魔獣の体内に宿り移動して
魔力が薄い地域で発芽し
地中深くに潜り込み
地殻に流れる魔力を直接引き込んで
迷宮を作る性質がある。
迷宮からは多数の魔獣が発生するとともに
強力な魔力が溢れ出た地は
そこに住む人間も含めた生物を魔獣に変異させてしまうのだ。
そのため
世界中の迷宮は冒険者組合により
全ての場所が特定、管理され
ラビリンスシードを持った魔獣が現れた際は
すぐに専門の冒険者が駆除を行っているのだ。
しかし百年近くの間
ラビリンスシードを持った魔獣も
新たな迷宮が発見されたという情報も無く
今回の魔獣の暴走も
ラビリンスシードについての情報は皆無であった。
今回の事件は
新たな迷宮が生まれ
生息範囲を広げようとしていることに他ならず
目の前のウラキはその確たる証拠であるのだが
私にとっては
あまりに大きな代償であった。
「王都へ、本部に報告だ。あと、
できうる限り文献を調べねば
彼を助けるための情報が足りん。
私は諦めんぞ、
記録と措置は頼んだ」
相方にそう言い残し部屋を出る。
「夜分にすまんが各分隊長を集めてくれ
緊急会議だ。すぐ対応しなければならない事態が発生した
本部へ連絡の準備も頼む、隊員も変異体の処理を行っている者以外は
全員講堂に集めてくれ」
部屋の外で控えていた隊員に告げた後
私の頭の中は物凄い速さで
情報の処理と今後の対策について考え始める。
この国を
国民を
守らねば。
迷宮なぞによって
失うわけにはいかんのだ。
体調あまりよくありません。
更新回数
落ちるかもしれないです。
後
書きたいけど
表現がなかなか出てこなくて
絞り出している状況です。
文章って
難しいですね。




