死
やっと、書きあがりました。
それは
刹那の出来事で
黒髪の美しい
女の子が
俺に向かって槍を構えたのに驚くが
背後から強烈な殺気を感じ
何事と振り返る前に
女の子に蹴られ倒れ込む。
無様に転がりながら見えたもの。
少女がイノシシ頭の口の中に槍を突き立て
牙に当たり、吹き飛ばされる光景。
それが
スローモーションの様に。
手を伸ばそうとするが届かない。
遅れて耳に届いたのは
『グシャ』と骨の砕ける音と
一拍置いて
『トサッ』と何かが落ちる音。
受身を取り体勢を立て直すまでの僅かな間に
女の子が身を呈して
俺を殺そうと飛んできた、イノシシ頭から
助けてくれたのだと認識する。
慌てて
跳ね起きて女の子の姿を探す。
イノシシの頭は
川の近くの岩に激突し
横倒しなり止まっていた。
口から脳天に槍が突き抜け
ビクビクと痙攣している。
その先
少し離れた茂みの中に白い足が見えた。
心臓の鼓動が跳ね上がり
息が苦しくなる。
ケガの状態は?
早く助けなければ。
ポーションを取り出しながら駆け寄るが
状態を見て絶句する。
右胸から肩、右腕までが無くなっている。
血がとめどなく流れ出ていて手の施しようがない。
それでも俺はポーションかけ流し続ける。
治れ!治れ!と念じて。
そんな俺に
女の子は微笑みながら
震える左手を俺に差し伸べて来た。
目が、もう見えないのだろう、
焦点の合わない瞳から頬には涙が伝っている。
口が何かの言葉をかたどっていく
その意味を知り
彼女の手を強く握るが
握り返す力はなく力が抜けていく。
「死ぬな、死ぬな、生きろ!!」
どんどん冷たくなって行く指先。
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!
何で?
何で!!
油断した?
自身に対する怒りと後悔が湧き上がり続けて来る。
目から涙があふれボタボタと落ちる。
「治れ、治れ、治れ!足りない、早く回復魔法を!!」
周囲に怒鳴り散らすが
他の隊員達は、悲痛な表情を浮かべたままで
俺をと少女を取り囲んだまま動かない
いや動けない。
他の隊員達は
既に結果を知っているから。
女の子の手から力が抜け
呼吸が止まっても、俺は持っているポーションを使い続けた。
生き返れと祈りながら。
しかし、奇跡は起こらない。
ポーション瓶をすべて空にし
目からは溢れ出るものを拭うことも忘れ
両腕に少女を抱き上げる。
想像以上に軽く細い。
こんな体で
あんな化け物と対峙していたのだ。
俺はもう
もう間違えないと誓ったのに
何度過ちを繰り返せば良いんだ。
自責の念で心が塗りつぶされていく。
誰かが俺の肩に手を置いた。
振り返れば硬い表情の隊長だった。
大きく、鋭い声で号令がかかる。
「撤収準備だ。魔獣のイノシシは船上の隊で回収。
念のため、魔獣と要救助者がいないか確認は厳にしろ。
地上班は周辺を警戒しつつ、少女の行動範囲を確認。
遺体と遺留品は全て回収しろ、日が暮れる前に撤収する」
そして隊長は
俺にだけ聞こえるように
静かに言った。
「これは事故だ
魔獣は頭を落とされても動いていた。
あの状態では私でも対処出来なかっただろう。
異常な個体であり、詳細な調査が必要だ。
少女の遺体は砦に連れ帰り身元を確認する。
いつまでも彼女にそんな格好をさせておくのはかわいそうだろう。
お姫様を砦にお連れするのがお前の役目だ。」
「・・・・・・了解」
涙を堪え返した自分の声は、まるで老人の様だった。
お仕事が忙しいです。
続き書きたいのに
時間がない。
今はただ
引きこもって
続きを書きたいです。




