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華ノ探偵少女・反町友香  作者: 空波宥氷
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プロローグ

主な登場人物


・反町友香(ソリマチ ユウカ

中華街に暮らす探偵少女。中学2年生。

ピンク味の帯びた白い髪に、赤い瞳を持つ。

茉莉花茶が好き。



・青山清花(アオヤマ サヤカ

神奈川県警の警部補。友香の姉的存在。

英国人と日本人のハーフ。

灰色の髪色に青い瞳という身体的特徴を持つ。

愛車はナナマル(JZA-70)。

1


 反町友香そりまち ゆうかは、日課である早朝のランニングをしていた。

 コースは決まって山下公園沿い。水の守護神像や開港資料館を横目に、赤レンガ倉庫へと向かうルートだ。彼女は、ここから見える海とみなとみらいの景色が好きだった。

 七月も中旬。これからますます暑くなる時期である。だが、時間帯のせいなのか海風のおかげなのか、さほど暑いとは思わない。

 空もまだ太陽は昇っておらず、薄っすらと水色を帯びていた。



「はっ、はっ、」



 友香は、腰まで伸びた白い髪を一つに結き、ポニーテールにしていた。そのままでは鬱陶しいし、何よりも首回りが蒸し暑い。

 いくら太陽が顔を出していないとはいえ、夏は夏。熱中症は侮れない。暑さに弱い友香にとってはなおさらだった。

 少女の髪が、歩を進めるたびに左右に振れる。それはまるで猫の尻尾のようだ。


 しばらく走っていると、前方に人影が見えた。

 友香は、それに気がつくと声をかけた。



「あら、おばあちゃん。おはよう」



 声をかけられた老婆が顔を上げ、こちらを見る。

 彼女は、声の主が見知った顔であることがわかると柔和な笑みを浮かべた。



「おはよう、今日も頑張ってるねぇ」

「ええ、ワンちゃんもおはよう」



 友香はしゃがみ込むと、老婆が連れていた犬にも挨拶をする。

 犬種はダックスフンドだろうか。ハッハッと息を切らせたその犬は、少女の挨拶に首を傾げただけだった。


 これも日課の一つだった。

 この老婆も友香と同じく、毎朝この道をこの時間に犬と散歩をしている。毎朝出くわすものだから、すれ違ううちに挨拶を交わすのがいつの間にか通例となっていた。



「じゃあね、ワンちゃん」



 犬に別れを告げ、老婆にお辞儀をして再び走り出す友香。

 数歩進んだところで、少女は立ち止まり振り返った。その視線の先には、老婆と犬がいつも通り、仲良く歩いていた。

 そのいつもと変わらない風景を、友香は意味ありげに見つめた。


 一方、ちょうどその頃、朝日が顔を出した。

 その光は背後から友香を照らし、中華街に1日の始まりを告げた。






〜華ノ探偵少女・反町友香〜








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