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Seventh Sense  作者: 朽里ききあ
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出会い



酒くさい。



 酒場とは酒を飲むところである。故に酒くさいのは致し方ないことではあるが、もう少しどうにかできないのであろうか。鼻の細胞一つ一つが悲鳴を上げている。毎日通っていても、このにおいにだけはいつまでたっても慣れない。盛大に顔をしかめながらマスターの方を睨んでやったが素知らぬ顔でグラスを執拗に、執拗すぎるほどに磨いている。絶対わざとだ悪魔めガラスのくもりと一緒にお前の心の汚れもふき取りやがれと心の中で悪態をつきながらアルコール風味つきホットココアを口にしている、そんなときだった。

「マスタぁぁぁぁごはぁぁぁぁぁぁん!」

強烈な聴覚への刺激。嗅覚からの情報量だけで手一杯だった私の脳は、どうやらキャパオーバーしたようだ。かろうじてココアだった液体が刺激臭のする泥水に様変わりしている。口に運んでいたカップをカウンターに戻し、少しづつ近づいてくる奇声の主の方に体をゆっくりと向けた。

「マスター聞いてるー?あ、お客さんと話してる最中だったのか、ごめんごめん。ところで君1人?てかめちゃめちゃ可愛いね!よかったらこれから僕と一緒に食事でもど…」



ばきっ



これが彼との、アオとの出会いだった。

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