私がなろうの小説に求める3つのこと
2匹目のドジョウを釣りに来ました。
materialismです。
前回は感想どころかレビューまで頂きまして、本当にありがとうございます。やはり私に求められているのは小説ではなくエッセイだということが身にしみました。
さて、前回は小説一般の話だったので、今回はなろうに限った話をしようと思います。
第1に、なろうに限らずウェブ小説の最大の敵は何でしょうか?
そう、ブラウザバックです。
題名が魅力的で、あらすじが面白そう、さて読んでみるかと読み出すと、重い滑り出し……
読むのヤーメタ。
と、1話切りされるケースが結構多いのではないでしょうか?
1話切りされているかどうかは、話別のアクセス数を見てみれば一目瞭然ですので、確認してみてください。
もし1話から最終話までアクセス数に変化が無いようなら、おめでとうございます、私からは何も言うことはありません。
もし1話のアクセス数が多いのに2話以降が少なく、さらに1万文字あたりからアクセス数がガクンと減っているようなら、私の話は役に立つかもしれません。
まず1話切りの最大の原因は重いプロローグにあります。これは前にも書きましたね。
ところが、軽くしたのに1話切りが減らない、更に1万文字くらいでガクンと減ってしまうという人はいらっしゃらないでしょうか?
そういう方は序盤に山が無いのかもしれません。
何を言っているんだ?
こちとら起承転結をしっかり守っているんだ、序盤で山を持って来られる訳が無いだろう!
と、お怒りの方もいらっしゃるかもしれませんが、そこはそれ、ウェブ小説の宿命です。1冊の小説を買い、面白くなくても最後まで読み通してくれる紙媒体の小説とは違い、ウェブ小説では序盤に山が必要なのです。
この辺は、編集局からの1話切りがあり得る少年漫画などに通じるものがあると思います。例えば、なんでかバスケ部の主将と勝負することになり反則だけど勝ってしまってバスケ部に入ったり、友達と一緒に見学に行った自転車部で秋葉原まで自転車で通っていた体力が認められたり、異世界に転生して魔法の才能が認められたり。
序盤のラッキーパンチを出しやすいという面で、異世界テンプレに一日の長があるのは認めざるを得ないところです。逆に言えば、序盤のラッキーパンチを説得力ある形で導入できるならテンプレでなくとも人気は出ると思いますよ。
第2に、人物描写はしっかりやりましょう。
これもウェブ小説の宿命なのですが、ウェブ小説は人気が出て書籍化が決まってから絵師さんがつきます。
そのときに、絵師さんが迷わずに絵が描けるくらいの情報は小説内に埋め込んでおきましょう。そうすれば、イメージが違うとクレームが来たり、熱烈なファンだけど書籍は買わないということを防げると思います。
ただでさえ、小説を書き始めた頃は人物描写の重要性に気付かず、なあなあで済ませがちなので、そこはしっかりやりましょう。
また、書籍化は目指してなくても、できれば読者がイメージしやすいようにある程度の視覚情報は入れておいてください。
ある小説で何百年も生きているという設定の女性が登場したとき勝手に大人びた女性をイメージしていたのですが、数話後、年増ロリ設定であることが判明し、イメージの作り直しに苦労したことがあります。
ただ、主人公視点の小説の場合、あまり人物描写をしていると主人公が気持ち悪い人になってしまうので、周囲の声で語らせるとか、主人公が服を買ってあげるイベントを発生させるとか、工夫をお願いします。
第3にテンプレ以外を書いている作者の方にお願いなのですが、その設定に無理は無いでしょうか?
テンプレ自体に無理があるだろう?
というツッコミが来そうではありますが、なろうの読者はテンプレ設定には疑問を抱かないよう良く訓練されているのです。
ですが、作者様の独自設定世界の場合、その設定には無理があると感じれば、読者は離れていきます。
テンプレ以外の世界を描くのであれば、設定集を作成して、せめて小説の中で矛盾や無理が発生しないよう注意してください。
ただ、そうは言っても、第1で述べたように序盤に山を持って来て欲しいので、無理が無い形で主人公がラッキーパンチを出せる世界観をお願いします。
以上、3点ほど、なろうの小説に求めることを書いて来ましたが、いかがでしたでしょうか?
私はプロの編集者でも出版業界の人間でもありませんので、上記の内容が絶対に正しいというつもりは
全くありません。あくまで一読者の感想と受け取ってください。
また、私も小説を書いている身の上としては、皆様の小説を書くコツには興味がありますので、
異論反論をお待ちしております。よろしくお願いいたします。