チュートリアルの続きだ。
さて、管理者も帰ったし、チュートリアルの続き行くか。
【強くなるには】
『初めましてかもしれませんし、また会いましたね、かもしれませんが宜しく御願いします。ミネルヴァです。
【強くなるには】といっても、様々な強さが御座います。肉体的な強さや知識的な強さ等が御座いますが、こちらではこの世界の領主に必要な強さとされるものを、下級神達が頑張って考えた強くなるための方法を説明させていただきます。』
へぇ、下級神って沢山居るんだな。んで、あくまで全てじゃないのかね?
『まず、肉体的な強さが必要です。領主とは貴族ですから、民を守る盾としての働きを真っ先に果たさねばなりません。まぁ、兵を率いて戦う者が大半ですが、一騎打ちも御座います。そこで討ち取られてしまっては兵の指揮ががた落ちですし、そもそも暗殺者等の襲撃者も撃退できなければなりません。
そして、肉体的な強さを強くするには、鍛えましょう。トレーニングメニューは戦の神や軍神が組んでくださっています。腕立て伏せやウェイトトレーニング、素振りも御座いますよ。眼球などの鍛え辛い場所は魔力強化のトレーニングで強化します。ディルート様いわく【目指せ、不死の英雄!馬刺し量産の貴族となれ!】だ、そうです。』
…うん。死ににくくなるのは大事だし、鍛えるのは良いことだな。何なら前のトレーニングメニューも引っ張り出してくるかな…ディルートのコメントは無視だ。柑橘類の王は知らん。
『次に、知識的な強さです。領主は領内を発展させねばなりません。そして、外交をする場合も御座いますし、商人とのやり取りもしなければなりません。その上、この辺り一帯は一世代以上前の、所謂古代の遺跡が残っています。残されている遺跡の情報を読み解くのにも知識は重要です。更に、魔術を扱うのにも知識は重要です。魔導原理・魔方陣・魔術式・発動手順を正しく理解しておけば、アレンジした魔法も撃てるようになりますよ。
知識的な強さを鍛えるには、勉強あるのみです。領主権限で結構な蔵書が閲覧できますので、【発展メニュー】のその他から御確認下さいませ。』
あぁ、うん。遺跡か。遺跡があるなら探索者も欲しいとこだな。ってか、行きたいな、遺跡探索。まぁ、探索済みの所か調査団と一緒に行くしかなさそうだけどな。
『その次に、魔力的な強さです。魔力は力であり、知識でもあります。魔力が弱いと呪いにかかるか病にかかるか洗脳されるか…ろくなことはございません。さらに、魔術を扱う場合に燃料として魔素を消費しますが、魔力が弱いと魔素を蓄える能力も小さくなってしまいます。逆に魔力が強いと相手を呪う、洗脳する、消し去るなんていう魔術を扱うことが出来るかもしれません。…あまり魔術は使わないでいただけると有り難いのですけれどね。魔術の処理は基本的に私共神々が行っておりますので、強力な魔術…それこそ、魔法と呼ばれるようなものは世界の処理能力の限界で世界がロールバックしてしまうかもしれません。最悪第8世界で言う原始時代まで。なので、使わない・使わせない・使うなら許可を取るという三つを原則としていただきたいです。』
フムフム、何かあれだな。かなり強力そうだけど、強すぎると不味いと。…何だろ、ゲームで言う大型modとかその辺かね?
『主にはこの三つで御座います。詳細は口頭で説明しますと誤りが出る可能性が高いため、以下に表を用意させていただきました。一度見ていただければ問題なく記憶できるよう、記憶同化処理を行えますので御留意くださいませ。』
おう。とりあえず、強さは力だけじゃないけど、全部大事と。んで、魔術や魔法はあるけど使わないでねってのと同化処理をすれば忘れる事は無いよってのも大事か?…一応感想としちゃあ、魔術とか魔法とかはチートみたいな物で、それの処理で神々の仕事が増えるって事なら消しちまえば~とは思うけど、何かあるんだろうな。兄貴も使わないようにしてたみたいだし。とりあえず、荒城流刀術で戦えば良しと。で、次だな。
【ステータスについて】
『どうも、です。ステータス担当神の、ミナです。よろしく。
えっと、【ステータスについて】と、言われましても、【ステータス】は【ステータス】です。としかいえない…。あ、そうだ。こういえば良いのかな?【この世界に居る限り心身に莫大な影響を及ぼす特殊かつ大がかりなシステム】、です。
つまり、この数値は、この世界だけでしか影響しません。それと、別に、元々の筋肉が増えるわけでも、無いです。あくまで、システムです。これ、クラッキングされて、無効化されると、ただの、柔な生物になる。それどころか、自重で潰れて、動けなくなるのも居る。とっても重要な、【根幹システム】。でも、実際に鍛えたら、数値は増えない、けど、裏で処理してる数値が動いて、【ステータス】以上の力が出る。
詳細は、見たまんまだから。自分で考えて。私も、深く考えて管理してない、から。おしまい。』
いや、おい。眠くなるような感じのチュートリアルだな。しかも最終投げやがったぞ。まぁ、重要そうだけど、自分鍛えんのも忘れんなってことだろ。次。
【この世界の基礎知識】
『どもッス!自分、秩序担当のエリスって言うもんッス!知識のミネルヴァ先輩がぶっ倒れたんで代わりに説明してるッス!
えっと、【この世界の基礎知識】ってことッスけど、単純に言えば剣と魔法と~って感じの王道世界なのは理解いただけてるッスか?とりあえずそこ理解してる前提で行くッス!この世界は、現在ディルート様が管理してる世界で、比較的不安定な世界ッス!それで、不安定な分魔物が多く生まれたりするんスけど、それを利用して発展した世界ッスから、ある意味順調に育ってる世界ッスね。因みに、人が信仰してる神は我々実行班の上級、下級の神ッス。ディルート様はあんまり信仰されてないッス。んで、国が幾つかあって、ドゥーム帝国だとかメルクルス王国だとかクリフ神聖国とかが列強ッスね。まぁ、バカが多いッス。んで、通貨は共通通貨デイライトって言う通貨を使ってるッス。一般にはライトって単位らしいッスよ。因みにこの通貨はディルート様直々に作った品なんスよ。で、言葉は新共通交易言語が主流ッスね他にも巨竜言語、妖魔言語、森人言語等々…まぁ、色々あるッスよ。領主様は一応新共通交易言語を使えるッスけど、いろんな言語を学んどいた方がいいッスよ。世界の主な食料はパンや肉ッスね。芋や米、魚はあんまり食わないッス。文化は詩と演劇やらコロッセオでの剣闘やらが流行ってるッスね。主な武装は槍ッス。魔物対策だから主ッスけど、戦争になると魔術が主流武器になるッスね。まぁ、戦争なんて早々起こらないッスけど。…あ、今は結構戦争してるかもしれないッスね!次はとりあえず、魔物についてっすけど魔物って括ってるんスけど、魔物の定義が曖昧なんスよね。とりあえず魔力あったら魔物って感じで。じゃあ人間はなんだっていったら、聖力を持っているとかほざき出すんスよ。魔力ってディルート様が設定してんのにアホみたいにその主張曲げないんスよね。で、魔術は小規模範囲魔術までが開発されてるみたいッス。ま、十数人殺せる程度の魔術ッスね。工業利用もできるように工夫して神全員で考えたプログラムを、こんなおままごとに使いやがってって感じッス。で、人の寿命は60~90歳ッスね。長命種以外はこんなもんッス。種族は…その都度聞いてくださいッス。正直多くて把握してないんスよ。ケモミミも一杯居るッスよ。よかったッスね。因みに私はガルーダの女の子ッス。恋人募集中ッスよ。っと、後は思い付かないんスけど、適当に思い付いたら質問してくださいッス。』
了解。結構わかったか?まぁ、とりあえずチュートリアルはこんなもんか。んじゃ、研究と家屋の建築と、後は周囲の把握だな。食料は今のところどうとでもなるし。あ、そうだ。鍛練もしとかねぇと鈍るな。とりあえずラグナでも大丈夫だろうけど、【蜘蛛】が欲しいな。アレじゃないと何か違和感があるしなぁ。何より、【蜘蛛】系統の刀じゃないと石ころさえ弾ける気がしないんだよな。まぁ、無い物ねだりはやめといて、サクサク進めていくか。ただ、その他知りたいことっつっても特には無いんだし、研究して建物増やしていって、最低限人間らしく生きられる基盤を作り上げるか。…いや待て、気候に関しての話を聞いてねぇぞ。って、気候は基本じゃねぇな。気候が分かりゃいろんな方針が決めれるしなぁ。まぁその辺の知識は勉強してくしかねぇか。一応その他の方見てどんな事教えてくれるのか見とくか。
【その他】
・断絶の盾
・豊穣の胞子
・プロトアーキテクト
・権能解放(虚空図書館)
・身体強化
・真理転写
・天賦付与
・生命越権
・魂魄昇華
・天命確認
・運命変転
・以降未解放
領地魔力…10010
「厨二全開だなこん畜生め!せめて統一しやがれ!」
…ふぅ。さて?断絶の盾は多分そのまんま攻め込まれなくなるんだろ?んで、豊穣の胞子…胞子なのが気に食わねぇけどまぁあれだろ、収穫高アップか。んで、これは飛ばして、権能解放っつーのはあれか。神様の領域かなにかにちょっと踏み込めんのかね?図書館だから、歴史系かもな。身体強化はまぁわかる。真理転写は…あれか?超短期詰め込み教育とかなんとか出てたやつか?んで、天賦付与はスキルだろ?生命越権は…復活か?いや、寿命伸ばすのかね?じゃあ魂魄昇華はなんだろうな?進化とか?で、運命変転…俺今種族的にも見た目的にもリルドラ…いや翼はねぇしな。多分別じゃねぇかな?次、飛ばしたけどこれなんだよ!プロトアーキテクトって!こいつだけ存在感が格別だわ!アーキテクトって何だよわかんねぇよ日本語にしろよ!
さて、思い付く突っ込みはこんなもんか。
それで、だ。実際に使ってみるか。まずは豊穣や断絶は今のところ敵対勢力も生産設備もないから却下。アーキテクトはなんかわかんねぇから一旦飛ばして、情報が得られそうな虚空図書館の権能解放だな。
【権能解放(虚空図書館)】
詳細…神代領主権限以上の権能である虚空図書館の閲覧権限の付与。全ての知識を記した書物全数垓冊以上の本を閲覧することで、きっと神にも近づけるでしょう。…上手く知識を探し当てることができたのならば。
対価…10000領地魔力
「説明あるんかい!」
…もういいや、んで?これはあれか。スッゲーでかい図書館…っつーか書庫の利用権か。要ると言えば要る。ただ、よくわからん他のものの詳細見てからだな。
【断絶の盾】
詳細…領地と認定される範囲の外周に一時的時空断裂を発生させ領地と外界を完全に断絶します。時空断裂発生範囲内の生命体は即座に領地内に転送されます。
対価…1000領地魔力
【豊穣の胞子】
詳細…領地内に上級管理者である仮称ディルート氏より発生している胞子の内、正の方向に傾く性質を持つ胞子をばらまきます。乱用すれば世界管理的に問題が起こるので年に一度のみ使用を許可します。
対価…1000領地魔力+同コマンドの1年封印
【プロトアーキテクト】
詳細…第一世界にてシステムが構築された魔道具システムを流用し、建設特化型魔造人形の初期型を一台生産し送ります。第八世界で言う中世レベルの建築は材料がなくとも数日で見事に組み上げることができるでしょうが、運動力相互増幅備蓄機構の性能の関係で最低でも10体は居なければ数日稼働した後停止します。
対価…一台に付き500領地魔力
【身体強化】
詳細…システム補助を強化し肉体の運動や強度に関する項目の数値を増強します。実際に肉体が鍛え上げられるわけではないので悪しからず。
対価…一ポイントに付き1000領地魔力
【真理転写】
詳細…選択した真理を一つ脳を増強して焼き付けます。但し、大まかな分類で選択した真理は詳細を焼き付けることが許可されておりませんので、ご注意ください。
対価…真理一つに付き10000領地魔力
【天賦付与】
詳細…第0根幹能力より個々人にに付与される能力を再度付与します。これにより技能の成長や習得が早くなり、ステータス外能力の上昇も見込めます。付与される天賦は選択するかどうかを選ぶこともできますが、無作為に選ばれた天賦には選択不能な強力な天賦も含まれているので目的がない限りは無作為に選んだ方が無難でしょう。
対価…10000×回数の2乗
【生命越権】
詳細…システムにより設定されている肉体及び生命の上限を取り払います。
対価…10000000
【魂魄昇華】
詳細…生命及び魂魄の位階を二段階上昇させます。
対価…5000000
【天命確認】
現在の管理者からの依頼を確認できます。たまに増えているので要注意を。
対価…無し
【運命変転】
詳細…運命をねじ曲げ、救えぬものを救い救えるものを救えなくする。安易に使わぬように。
対価…管理の手間と使用者の運命がねじまがる事。
「ほぉほぉ。なるほどな。」
割りと全体的に対価が重い代わりに凄まじい効果があるみてぇだな。断絶の盾の一時的云々とか第一世界云々とか結構わからんが、一瞬だけでも十分凄いもんだろ。で、あんまり簡単には使えそうもねぇ機能ばっかだな…。まぁ、この中じゃアーキテクトに全振りしてもいいかも知れねぇけど、何があるかは分かんねぇし…そうだなぁ、アーキテクトを16用意して、残りの約2000は盾用に残すか。ってことで、ポチポチッと。
【承認しますか?】
【Yes】 【No】
あ、ここはこんな感じなのか…あれか。これシステム複数人で範囲決めて適当にいじってんのか…めんどくせぇ…あ、ポチッとすんの忘れてら。
[ふよん…パッ]
「頼むから全部この担当の人にシステムとエフェクト合わせてくれ…」
マジでそうしてくんねぇかなぁ?こんな感じの普通のでいいんだよ…。んで?
「あ、すげぇ。箱に入ってる。ってかあれだな。ポップな感じのロボットだな…初期型でこれってすげぇ~。第一ってSF世界なのかねぇ?」
ま、それはいいとしてさっさと動かしますかね。
「えぇっと?あ、説明これか…えぇっと?はぁほぉん。ん。これを押して?よし。起動」
[ぺすっ…シューッ]
「アーきテくと、イチごー、キどぅシマしタ。」
「リーダー任命。識別名、アーフィ。」
「メいレいをじゅリ。コれヨリわタシは、あーフぃです。」
「桟橋の建設と道の整備に天候予測具の設置を主指令とし、修理及び改良のできるものを発見した場合は報告するように。部下としてそこの15体の指揮権を与える。」
「メいレいをじゅリ。コレよリシザいをチョうタツしマす。」
「あぁ、それに関してだが、私が命令を解除しない限り可能な限り私以外の陸に生息する小型から大型の生命体や、大型の魚類には近付かない事。命令よりも、危険を避けることを優先する事。それと、確保が難しい資材は私に申請する事。」
「ユウせンジゅんイセッテいカんリョウ。」
「よし、行動開始だ。」
さて、じゃあ俺は研究開発と資材調達の手伝いだな。