【せかいせーふくの手引き】と依頼
いや、ミネルヴァさんの職場環境は首突っ込まないようにしとこう。神っぽい奴の部下は大変って事で済ませといた方が良さそうではあるしな。兄貴の職場と似たような所だろうし。
んで、ミネルヴァさんにも勧められたし、【せかいせーふくの手引き】を見てみようか。
【せかいせーふくの手引き】
『やっほー♪
皆のアイドル、神っぽい奴ことディルート君だよ⭐』
切りてぇブッチしてぇウザすぎる。しかも音声要らねぇ…
『あ、因みにぃ、このチュートリアルだけ、僕の特別製だからね。途中で切れたりしないようにしてるのさ( v^-゜)♪』
ウザいって思われてんの分かっててやってんのかコイツ…
『それで、この項目を選んだ君は、世界征服がしたいのかい?』
あん?良く知らねぇ世界を欲しがるとか無いだろ。
『あ、こっちは問いかけるけどそっちの答えは届かないからね。そこんとこよろしくぅ( ̄▽ ̄)ゞ』
こんにゃろ…
『んで、多分そんなこと急に聞かれても困ると思うから、なっがながとこの世界とかについて説明してやろう!
えー、この世界…トゥイネンって言う名前で、二番目や、別の~って意味らしいね。一番目のアルドって世界と隣接してて、君の元の世界は八番目だから、結構遠いんだよね~。って、脱線しちゃダメだね。』
ちょっと待て脱線が気になるぞ!八番目とかって何の事だ!?
『えーっと、あ、そうそうウチの世界は結構な広さでさぁ、星も一杯あるし、資源もた~っぷりある世界なんだけど、まだ宇宙航行出来る奴はいないんだよね~。それで、君の居る所は、昔「あらゆるモノの天敵」が世界をぶっ壊した時の中心なんだけど~』
はい?「あらゆるモノの天敵」って?
『まぁ、そこは今世界の起点になってる訳でぇ、いわゆるこのトゥイネンの心臓部…の真上に当たるんだよ。』
おう、疑問を産みまくんな。まぁ、確かに今知ってもしょうがないが。で?
『だから、そこは魔力とかのエネルギーにも満ち溢れてるんだけど…そのせいで下手すると大魔王が生まれるのさ。』
は?おいそれ不味くないかってかフラg
『まぁ、それは置いておいて、そこの周辺にはレオン帝国、ミネルヴ聖教国、グラン公国の三つの大国の中央に存在してるんだ。そ・れ・で、君の存在がばれると神の恩恵を忘れたこの大馬鹿三大国に命を狙われる。それはもう確実に。理由とすれば、そこの場所って、資源が豊富で魔力も豊富、ついでに言えば地上で最も神に近しい場所だからね。皆神になりたいらしいしね。』
おいぃぃぃ!?
『だからさ?君には僕に協力して貰いたいんだ。コレは依頼だから、別に受けなくても構わない。それで、君にまずやって欲しいのは、せかいせーふくね。因みに世界征服じゃないよ。平仮名なのは平和な世界征服だからさ。』
あぁ、うん。で?対価は?
『まぁ、受けてくれるなら追々説明するよ。それで、報酬は君の願い事を何でも~ってのは最終で、こっちの権限でかなり優遇しよう。例えば資源だとか神代の武具って呼ばれるモノだとかね。』
ほう?
『神代の武具には、君の持ってるヨトゥンやらラグナレクもあるんだけど、他にも地母神の宝珠とか海洋神の冠とかだね。』
おぉ、凄そうだな。
『まぁ、依頼に関しては説明の後でね。返事考えとけよ~。
で、まず君専用スキルみたいなもので、【拡張機能】だね。コレは本当にいろんな機能があって、土地を豊かにしたり、雨を降らせたり、自然災害を止めたりとか、かなり大規模なんだけど…こっちで決めた「トゥフィアティーラキリアスト」の一部のアクセス権限もあったり、空間固定と絶対領域って言う神代魔法を数日間発動したりもできたりね。後は、超短期学習だとか、スキル…それもユニークスキルやレジェンダリースキルを含んだ大体のスキルは取得出来るようにしたりも出来るよ。…あぁ、後は空間拡張とかもあったっけ?まぁ、一覧見て、無ければ申請してね~。通るかもだからさ。』
なるほど?とりあえず、かなりの事が出来るみたいだな。…○ピュ○は出来るのか?いや、襲われるだろうし、民が可哀想だろ。また今度趣味で出来るならやってみるか。
『それでぇ、【拡張機能】を利用するにはぁ、領地魔力が必要でっす(*^▽^)/★*☆♪
それは何かって言うと、領地に存在する過剰魔力…まぁ、自然消滅する大量の魔力を利用してるのさ。それで、その魔力の集めかたは、まぁ、あれさ。デイリーボーナス的な?一日経ったら勝手に溜まってるよ。
まぁ、意図的に増やすなら魔物とか魔力が籠った物を捧げれば簡単に出来るんだけどね。魔石って呼ばれてるんだっけ?あの石ころ。あーいうのを使いきるのも良いね。あれ、ロスで空気中に莫大な魔力を発生させるからね~。』
ほへ~。…って、魔石?あぁ、木ぃ薙ぎ倒したときのアレか!…っつー事は、狼もどっかに魔石があるかもな。
『まぁ、そういう拡張機能を利用して、国を豊かにして、ついでに僕を信仰してくれればその内国民が集まって、他所の国が干上がって、更に宇宙航行出来るようになったらせかいせーふく出来るんじゃない?』
投げたなぁ…イメージ的にはシ○ィとかになんのかねかね?まぁ良いや。とりあえず、拡張機能は結構使いやすそうだってのが分かって良かったわ。
『それで、ここから先は【世界の秘密】に抵触する、禁則事項だ。君以外には話してはいけないよ。』
あん?なんだ急に真剣な声で。しかも強制か!?
『この世界は、一度再構築したから非常にイレギュラーな事が起こりやすいんだ。かなり不安定な世界って言えば良いかな?それで、下手すると大魔王が生まれるって言ったけど、正確には【世界のエラーの固まり】が、密集して【独自のシステムを持ったあらゆる世界を破壊するために動くウイルス】に変化するんだ。【世界のエラーの固まり】って言えば魔王なんだけど、それは結構定期的に生まれる…まぁ、予定されているものなんだ。だけど、大魔王に関しては、絶対に産み出してはいけないんだ。コイツが生まれると、【あらゆるモノに敵意を持ったあらゆるモノの天敵】が生まれる可能性がある。【あらゆるモノの天敵】は、大魔王の出現が確認されれば、即座に世界ごと破壊しに来る。例え僕らみたいな管理者であっても殺されるんだ。現在は一人だけなんだけど、大魔王は、何故か記憶を継承することが確認されてる。このせいで管理者達は生まれた後の発見が遅れるんだ。もしも【あらゆるモノの天敵】が発見することも遅れてしまえば、かなりピンチになる。だから、決して大魔王を産み出してはいけないんだ。』
…ちょっと待った…管理者って何だっつーのと、【あらゆるモノの天敵】って一杯いんのってのとここって下手すると大魔王が生まれるんだよな?何で?って聞きたいんだけど?
『普通は今時大魔王なんて生まれる筈無いんだけど、前の【詐欺師】って呼ばれた大魔王が用意周到で、自らの魂の欠片を入れた宝石と、それを元にして復活する儀式の方法を世界の核に張り付けてくれちゃっててねぇ…放置してるとその内追い詰められた国とかに出現しそうなんだけど、今は世界の核に張り付いてるせいで、誰も手出しできないんだ。なのにねぇ…馬鹿三大国が気付いたっぽいんだ。魔王経由で。全く…そこで、出現条件が変わったのは良いんだけど、大国が残り一つになったらランダムな国の首都に出現とか止めて欲しいよ…そこで、魂借りるときに、第八のとこの魂を借りてきたんだよ。』
って事は、俺、意図されてこっちに来たのか?
『イエス!そうだよ!彼の弟ならあるいはってね!』
兄貴関連で巻き込まんでくれ…アイツは一応家とは関係無いだろ?
『ところがどっこい!君の魂はとっても強いし、何より君、彼と彼の奥さんに、彼の師匠からも訓練受けたっしょ?』
あぁ、アレなぁ…うん。受けたよ。受けたくなかったし途中で投げ出したかったけどな!
『でも君彼らの技ちょっとだけど使えるようになったでしょ?』
まぁな…ちくしょう…
『それなら大魔王が生まれかけの時に消滅させれるかもしれないのさ!』
あれ、そう言えば会話が成立してる?おい、聞こえてんなこれ!おい!
『さて、予測した会話もここまでにしよう。』
嘘吐いてんじゃねぇ!
『それで、管理者も気になってそうだね。管理者ってのは神様達をまとめて、世界全体を管理する仕事の人で、結構フリーダムなのさ。管理者が出る事案は、世界全体で問題が起きそうな時とかだけだから、毎日遊び倒せたりするんだけど…最近忙しくて寝てなくてね。マジお願い。このテンションもおかしくなってるだけだから、本当助けて。さっさとその馬鹿三大国の力削いで、大国扱いを同時に剥奪すれば君は割と安全に依頼完了になるから。依頼受けて、さっさと完了して。真剣で。』
…あぁうん。何か、ごめんなさい。そのテンション素じゃなかったのな。良いよ。とりあえず、俺も巻き込まれそうだし依頼受けて報酬貰えた方が良いからな。
『依頼、受けてくれんの?
【Yes/No】』
あぁ、うん【Yes】で。
さて、気付いてる方も居るだろうけど、此方には大体関係ない話だし、気付かなくても問題無いから何にとは言わないけどさ。