何処だここ。
実況担当の独断専行、しかも最初の辺りは前にあげた奴をちょっと手直ししてるだけですし、此方の作品は失踪上等でやるんで悪しからずッス。
目の前は真っ暗。目を開けてるはずなのに何も見えない。感じる浮遊感。
…へ?何ここ?何なのここ?
「ハロー。聞こえてる?もっしもーし!」
え?何?誰?
「よぉし聞こえてるねぇ。」
え?だから誰?あ、サプライズかなんか?
「違うよ。まぁ良いや。反応あったってことは魂は生きてると。いやぁ、騙されてなかったみたいで良かったよ~」
ん?魂は生きてるって、魂なんかが本当にあるのか?
「あるよ~。随分落ち着いてるねぇ。」
落ち着かないと考えがまとまらないもんでね。ってかさっきから何で考えが見抜かれたような返答が来てんだ?
「そりゃ、考えを覗いてるからねぇ。」
あ、あれか。これは俺の夢かなんかなんだな。じゃないとこんなに浮いてる感覚が続くはずねぇもん。
「夢じゃないよ~。魂だけだから浮いてるんだよ。君。」
ははっ冗談きついぜ。俺が魂だけなら体はどうしたんだよ?
「何言ってんのさ。死んでるに決まってるじゃん。」
は?
「よーく思い出してみて?自分のことだから覚えてる筈だよ?」
俺が死ぬような記憶なんか…あ、何か、思い当たるのがある。
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確か、俺―「神崎 悠」って名前なんだがな―は高校生で、かぁちゃんの誕生日プレゼントのためにバイトを夜までやって小遣いを稼いで、そこそこ貯まったから直接プレゼントを選びに店を見て行って良さそうな物見つけて…そこで、足を止めた直後に暴走した車が歩道に乗り上げてきて撥ね飛ばされて…
それで、ゴシャって言う何か嫌な音聞いてそのまま気ぃ失った…
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あぁ、うん。死んでんな。あぁぁぁぁ。折角喜ばせようとしてたのに、これじゃひっでえプレゼントになっちまってるじゃねーか。あー…。かぁちゃん。すまねぇ。
「自分が死んでも母親のこと考えてるとか…」
良いじゃねぇか。親が俺のことで悲しむのは嫌なんだよ。
「まぁ、思い出したみたいだから良いや。」
で?死んだのは分かっても他がわからねぇんだけど?
「他のって…此処とか僕の事とか?」
そう。
「一応言っとこうか。此処は魂の間で、魂の取引での不良品かどうかの確認をするためのところで、僕はディルート。神様みたいなもん。」
へぇ…魂の取引って、何?
「あぁ、そうか。そこね。え~っとね、まず初めに、世界は一杯あんの。それで、世界にはそれぞれ神様がいて、世界の管理をしてんの。で、その管理中に色々やるんだけど、出来立ての世界はどうしても色々と足りなくなるのさ。その足り無くなるものの代表が魂なんだけど、神様同士で契約して足りない魂を貸してもらって、世界を安定させるんだ。でも、体つきの魂は運びにくいから、直接魂だけを運ぶの。けど稀に、魂が不完全で死んだ魂になってることもあるから、確認するんだ。それで、世界が安定して管理できるようになったら、魂を返すの。魂自体は世界が安定すると一定まで増えるし、超過分はある程度僕ら神様が貯めておいて、貸し出したり、色々とやるんだ。」
魂に権利はないんですか!?
「無いよ。」
え~…
「ただ、魂の尊重はしてるから、安心して。君が生前望んだような世界に転生するからさ。」
えっ!?も、もしかして転生先ってゲームみたいなファンタジー世界?
「そーだよ。ついでに、君が好きそうな領地経営も出来るように手配するよ?転生先は尊重するし、何しようが問題はないよ。この世界に来てくれただけで十分安定するし。」
やった!ゲームみたいなこと出来る!
「能力もある程度融通聞かせるから言ってね。」
…権利はないのに凄い色々とやってくれるけど、何か裏は?
「転生直後に死なれると世界安定のための魂としてカウントされなくなるから、最初は生きてね?」
なるほど。あ、領地経営は出来れば一からしたいし、寿命も長い方が良いんだけど。
「了~解~取り敢えず、能力系は領主セットで良い?」
確認出来る?
「出来るよ~
まず、能力は一律高水準で、知力が高くなってるね。で、魔法は全部適性があってスキルは後から何でも生えてくるし、生えたスキルは高水準だね。」
おぉ。凄い。チートだ。
「で、後は、うちだと長命は龍人だね。見た目は普通に人間だけど、所々蒼い鱗に覆われてるね。普通に生きて一億年生きれるね。ただ、基本的に血気盛んだから早死にだけど。それで、転生直後は人間で言う18才ぐらい。まぁ、霊薬飲んだら寿命はいくらでも伸びるけどさ。これで良い?」
勿論!
「了~解~
あ、目印に魂に印付けるよ。一応問題起こったら連絡するかも。」
はいよー。
死んだのはまぁ、諦めるが、転生先がファンタジーとは。せっかく拾った命だし、此方で存分に楽しんで生きていこうか!
ずっと暗く生きたら、産んでくれたかぁちゃんに申し訳ないしな。