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妄想設定作品集  作者: 蒼和考雪
skill maker
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 稀少なアイテムも手に入れ、ブレイブはコッチーニ南の湿地帯の先にある土塔のダンジョンを目指す。基本的にモンスターは自然に復活するものだが、コッチーニ襲撃イベントにより、道中のモンスターの数が減っている。これは一種のイベント報酬のようなもので、コッチーニを襲撃したモンスターを倒した、撃滅したからその数が減ったと言うフレーバー的な意味合いもある。以前の防衛戦で負けたことにより、モンスターの出現状態の変更があったりした以上、勝った場合の影響があるはおかしな話ではないだろう。

 道中に出てくるモンスターが少ない、ということもあり、ブレイブは湿地帯を楽に抜けることができている。流石に砂漠の方はまだモンスターは残っているが、それほど強いモンスターがいると言うこともなく、遭遇自体が少ないため、楽に土塔のダンジョンまで到達することができた。

 流石にダンジョン内にはモンスターがいる。しかし、最初にブレイブが土塔のダンジョンに入ったときに比べると全然少なく、フィールドで街道をいづしている時レベルのモンスターの出現頻度でしかない。つまり、あまりモンスターに遭遇せずに移動できる、ということである。仮に出てきても、コッチーニ防衛戦にモンスターたちが出張った結果か、モンスターの強さが落ちているようにもブレイブには感じられた。雑魚相手に進み、そのままあっさりと土塔最上階に到達した。

 もちろん、土塔のボスは竜である。その情報は、コッチーニに来襲したボスの竜について話すときにパティが漏らした通りである。この地域に亜竜が多くいた理由も、ボスが竜だからと言う理由だ。つまり、亜竜は竜と言う存在を頼りと言うか、リーダーとしてというか、そんな感じな意味合いで集まっていたのである。最も、そんな亜竜もボスである竜が倒されたことで、その場で散り散りとなり、多くはコッチーニ近辺のフィールド上のユニークボスモンスター扱いになっているのだが。

 ボスである竜は、本来コッチーニに来襲したボス竜、巨大な竜なのだが、防衛戦の時に倒され、あの巨大竜は死亡、ボスとして復活することがなくなった。代わりに、土塔最上化に存在する卵から生まれた竜がボスとして君臨している。ただし、その強さは生まれてばかりの幼竜である以上、推して知るべし。本来ならばソロで倒せるような強さではないが、生まれたばかりの幼竜であれば、ソロでも倒すことが可能だろう。最も、ブレイブはあの巨大なボス竜であっても倒すことが可能であっただろう。

 そんな、コッチーニ防衛戦を勝利で終えたため、攻略がとんでもなく楽になった土塔をブレイブは攻略し、最上階のボスを倒し攻略完了したのであった。


 あっさりと土塔のダンジョンを攻略したブレイブは、残った北方のダンジョンを目指す。ブレイブが土塔のダンジョンを攻略している間に、友人であるリュージ達も北方のダンジョンを攻略したようで、テイルロマジアで再開することになる。リュージ達はスキルに関する情報を調べていたようだが、ブレイブからコッチーニ南の湿地帯の先にあるダンジョンの存在を聞き、其方に向かう。その前に、ブレイブとフィルマはそれぞれのスキルについての情報の伝達と取得を行った。後に、このときの結果により、フィルマの湿地帯の移動が速い、楽になったようである。ブロックの魔法は戦闘以外で意外と利便性があるようだ。

 スキルに関しての情報の共有はしたが、ダンジョンに関してはお互いに教えることはなかった。せいぜいが、ダンジョンの所在についてくらいだろう。それも、ブレイブが土塔のダンジョンの場所を教えるくらいだ。北方ダンジョンに関しては、掲示板にも書かれており、場所の情報が出回り切っている。ダンジョンの攻略は、誰かに教えてもらうよりは自分たちでやる、というのが両者にはある。一緒に攻略するならばともかく、攻略した場所の情報を教えてもらうのは何か違うようだ。最も、忠告程度の情報は互いに話したし、簡単なモンスター情報くらいは伝えている。

 リュージ達と別れ、ブレイブは北のダンジョンを目指す。その前にアイアンロンドへ向かい、そこでアメリアと会い武器の新調を行ったりしつつ、北方ダンジョンに侵入する。土塔のダンジョンと比べると難易度は落ちるものの、最北のダンジョンと言うこともあって、北方ダンジョンは雪と氷のダンジョンである。もちろん、モンスターもそれに合わせたものとなっているし、様々なギミックもある。最も、モンスターはブレイブの相手にはならないと言っていい。火魔法を使い続け、低級の火魔法ですら、レベルが七や八くらいになっており、ファイアーボールはすでに九に至っている。そして、魔法スキルの使用の結果、ステータスにおける魔力は普通のプレイヤーをはるかに超えており、相性の関係もあって弱い火魔法の攻撃で雑魚を一掃できる。ブレイブにとって、北方ダンジョンの攻略は容易としか言えない。あっさりと、ブレイブは最下層に行き、ダンジョン攻略を終えるのであった。



 そうして、ブレイブは三つのダンジョンを攻略し、やることがなくなる。なんとなく、テイルロマジアでスキルに関しての情報を読むが、わざわざそんなことをしなくてもパティがいるので問題なく知識を得られてしまう。新たなスキルを作るにしても、わざわざ使わないだろうスキルを作る意味もなく、いくらか無駄に魔法スキルを作るが、結局あまり使わないと言うことでパティに譲渡するしかなくなった。

 ならば、スキルを使用しスキルのレベルを上げる、と言うことになるが、狩るモンスターをどうするかの問題もある。なんだかんだでスキルメーカーは他のプレイヤーも遊ぶオンラインゲームである。あまり一人のプレイヤーが周辺のモンスターを狩るのは良くない。もちろん、モンスターを倒さずともレベルはあげられるが、効率が悪い。

 ようは、ブレイブ自身に何か目標、目的がなくなってしまったのである。南側、亜人の住む場所でない町は六番目までの街しかなく、フマーレスト沖の島など、海の先に行ける場所も限られている。そして、ダンジョンは三つのみ。もしかしたら他にもあるのかもしれないが、現状情報すらない。あえて探索できる場所として、山岳地帯、険しい山の頂をめぐるということも可能ではあるが、そもそもあの山は境目としての役割であり、誰も通さないために強力なモンスターを置いている場所である。そう、パティがブレイブに告げ、行かせないようにしている。別に言ってもいいが、強いモンスター以外の利がないのである。最も、それだけで十分ともいえるのだが。暇つぶしにはなる。

 ということなので、ブレイブは山登りをすることになった。その過程で色々と妙なスキルを入手することになったりしたが、それはそれで悪い結果ではないだろう。山の上で、ブロックで足場を作ったりしながら、戦える場所を確保しながら、強力なモンスター相手に戦闘を行う。

 しかし、それは結局一時的な退屈しのぎ、何かあるまでの充足期間と行った所だろう。つまりは、やることがないのでやることを探して何とか暇つぶししているのが現状だ。一応、パティがそのうちイベントが来るんじゃないか、と適当なことを言ってブレイブをスキルメーカーに縛り付けている。ある程度日が過ぎてくると、大体やれることをやりきったプレイヤーも徐々に出てくる。リュージ達にコッチーニ南のダンジョンのことを教えたため、其方の攻略に向かい、攻略を終えたプレイヤーも徐々に出てきた頃合だ。スキルのレベル九や、生産職の魔道具作成など、色々とやれることはあるが、やること自体は限界にきている、と感じているプレイヤーもいるだろう。

 そんなプレイヤーも出始めたころ、マッフェロイの西、穴になっていた場所に、突如謎の構造物が降ってきた。それは、新たなダンジョン、異空界への回廊というダンジョンであった。


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