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 交通事故で瀕死の重傷を負った僕は偶然その場に出くわしたという博士によって研究所に連れ去られ見た目麗しく体を作り替えられてしまった。学校にも行けず途方に暮れていると博士から助手にならないかと誘われる。どうしようかと迷ったが、他に良案も浮かばずとりあえず厄介になることにした。研究所にやってきた僕は犬のようなロボットに案内されて研究室へと通された。


「おお、よくきてくれたな」

「お世話になります」

 ペコッと頭を下げた僕は博士以外にもう一人いることを訝しんだ。


「紹介しよう。儂の助手だ」

「よろしく。君の事は博士から聞いているよ」

 助手と紹介された男は背が小さくて眼鏡をかけていてあんまし風貌のよろしくない人間だった。でも、助手がいないから僕が助手として呼ばれたんじゃなかったの?疑問を抱きつつも差し出された手を握る。


「こちらこそよろしくお願いします」

「そんな堅苦しくしなくていいよ。君は今日から俺の助手だ」

 あ、そういうこと。助手の助手か。まあそんなもんだろう。でも…


「助手って何するんですか?」

「博士や俺のアシスタントをしてくれるだけでいいよ。まあ雑用だな」

 僕には発明の手伝いなんかできないから雑用がちょうどいい。


「……あの、何ですか?」

 助手は僕の手を握ったままジロジロとこちらを見ている。まあ、これも一応博士の作品だから弟子としては気になるのだろう。


「いや、よくできているなって思ってさ」

 その言い方に少しムッとなる。まるで物みたいだ。僕は“物”じゃなくて“者”だ。研究ばっかに打ち込んでいると性格に歪みが生じるのかな。向こうはこっちがムッとなっていることに気づいていないようだ。その時だ。助手がいきなり僕の胸を鷲掴みにしたのだ。


「ふぎゃっ!?」

 奇妙な悲鳴をあげて僕は助手の手を振りほどいて両腕で自分の胸をカバーした。いきなり何するんだ、この人は。


「ちょっと動いたらダメじゃないか」

「えっ?」

 謝るかバツが悪そうにするかと思っていたらまさかの逆ギレ?


「君の体に何か異常が無いか調べているんだから」

 あ、そうか。


「すみません」

 確かに人間をまるごと作り替えたんだからどこか異常があってもおかしくない。専門家に見てもらうのは理に適っている。でも、体をまさぐられるのはちょっとなぁ…。助手は手から足まで隅々まで僕の体を触りまくったが、いやらしい手つきではなかった。そりゃそうだ。見た目は女でも元は男だってのは助手も知ってるんだし。


「ふむ、体つきは完璧に作り替えられているようだね。中身はどうかも確認したいが、それはここでは無理だな」

 中身ね。それは僕も気になる。整形や脱毛や切除などで外見を変えられても中身まで変えるのは困難を通り越して無理の域だと思う。どうしよう、ナイフで肉を抉り取ったら機械の骨が出てきたりしないだろうな。僕は溶鉱炉に沈むような人生の終わり方をしたくはない。


「ところで、君は男物の服を着ているけど女物は無いのか?」

「ありません」

 あるはずがない。すると、助手は何か考え込むような仕草を見せた。


「うーん、ここには女性が着るような服はないし…そうだ、博士こないだ完成したアレを試すのはどうでしょう?」

「おお、そうじゃな。ちょうどいい機会だ。持ってきてくれんか」

「はい」

 しばらくして助手が持ってきたのはカメラだった。あとカタログも。助手はカタログのページをめくって女性用の下着のところを僕に見せた。


「どれか好きなものを選んでくれ」

「えっ?」

 選べって…そうか通販で注文するんだな。しかし、選べって言われても…。僕は盗撮はしても女性の下着を盗むような真似はしない。だから女性の下着を選ぶセンスを持ち合わせていない。とりあえず普通っぽいのにしよう。


「えっと、これにします」

 カタログの商品に指差す。


「じゃ、上も選んで」

 これまたいっぱい選ぶのがあって困る。とりあえずこれにしよう。あと、下はスカートじゃないのにしよう。って、僕はなに普通に下着を選んでんだ?選ぶって事はそれを着けるってことだぞ。でも、女の子になった以上はそれもしょうがないのかな。うーん、近所のおじさんが女装趣味が高じて下着まで着けるようになったのを思い出して自分も同じレベルに堕ちてしまったかと嘆きたくなる。あ、でも…


「僕、自分のサイズ知りませんよ」

 ブラジャーってサイズが重要って聞いたことがある。


「ああ、それなら大丈夫、問題ない」

 そう言いながら助手は機械でカタログの商品をスキャンしている。その間に博士は白衣から背広に着替えていた。どこかへ行かれるんですか?


「ああ、用事があるんでな。後は頼んだぞ」

 助手とは初対面なので博士がいないと不安だが用事があるなら我儘は言えない。


「はい、行ってらっしゃいませ」

 玄関まで博士をお見送りする。戻ると助手が先ほどのカメラを構えていた。


「どうしたんですか?」

「さっき君が選んだ服を着せるから脱いで」

「はっ?」

 何言ってんだ、この人。


「ほら、早く」

 いや、そないに急かされても…。いきなり脱げって言われても、ねえ。


「あの、着せるとは?」

「君がさっき選んだ服をこのカメラで着せるんだよ」

「えっ?そんなことできるんですか?」

「うちの博士を舐めちゃいけないよ、君」

 そんなにすごい人なのか。


「でも、服を脱げとは?」

「君はその服の上にパンツを穿くのか?」

 あ、なるほど。納得した僕は服に手をかけた。そこにピンポンと。助手が応対する。


「はい」

『宅急便です』

「わかりました」

 助手が荷物を受け取ってくるまでに服を脱ぐ。しかし、本当にカメラで服を着せるってできるのかな?トランクスも脱いで全裸になる。下着も選んだから全部脱がないとダメだろう。


「……」

 うわっ、めっちゃ恥ずかしい。自分の家でも風呂以外に裸になることないのに、慣れない場所で全裸になるなんてどうかしてるぜ。早く、助手もどってこないかな。あ、来た。


「あー、お待たせ……」

 荷物を抱えて助手が戻ってきた。そして、僕と目が合って体が硬直したかと思ったらその直後、盛大に鼻血を噴出してぶっ倒れた。


「だ、大丈夫ですか?」

 あわてて駆け寄り抱き起す。


「だ、大丈夫だ。不意を突かれて動揺しただけさ。ははは」

 血の気の失せた顔で無理に笑いながら助手はフラフラの状態で起き上がって鼻にティッシュを詰めた。


「しかし、君の破壊力は想像以上だね。文字通りのダイナマイトボディだ」

「はあ……」

 褒められているのだろうか。


「じゃ、着せるよ。動かないでじっとしてて…ハイ!」

 カシャっとシャッター音がして、胸と腰に何かが接触している感触があるので見てみたらパンツとブラジャーが着けられていた。


「えっ?」

 なに?なになに?嘘っマジで?ど、どーなってんの?


「ほら、動かないで。次いくから」

「あ、はい」

「行くよ…ハイ!」

 カシャ。おお、ちゃんと着れてる。すごい。


「これってどういう原理なんですか?」

「……」

「あの?」

「……」

「えっと、原理を知りたいんですけど…」

「……」

 どうしてこっちを見ない?


「ひょっとして、原理を知らない…」

「俺が言えるのは博士は常識では量れない天才だということだ」

「……」

 今度は僕が沈黙してしまった。あまりこれ以上は追及しない方が良さそうだ。下手に突けば科学の神様が天罰を下しそうだ。


「でも、すごいですね。本当に服を着ているみたいだ。しかもサイズもぴったり」

「そこがこのカメラのすごいところさ。自動的に被写体のサイズも測って調整できるんだ」

 すごい。こんなのが作れるんだったら人間を作り替えることぐらい不可能ではないだろう。


「それ、僕にも使わせてくださいよ」

 面白そうだ。だが、助手は僕を手で制した。


「ダメダメ、これは玩具じゃないんだから」

 むーっ。


「それより近所のスーパーに買い物に行ってくれないか」

「あ、はい」

 雑用の仕事第一号だ。何を買いに行くのだろう。発明の道具とかかな。


「そんなのスーパーに売ってるわけないだろ」

 ですよねぇ。食料品と日用品の買い出しらしい。


「では、行ってきます」

「あ、ちょっと待って」

「はい?」

「これ持って行って」

「なんです?これ」

「もしものときの防犯グッズだ。危ないと思ったらそのボタンを押して」

「押すとどうなるんです?」

「相手が怯むからその隙に逃げるんだ」

 なんだろう。ガスでも出るのか?それとも警告音?いや、ひょっとしたら光線が出るかも。うーん、使ってみたい。


「玩具じゃないんだからな。ここぞって時に使うんだぞ」

 わかってますよ。でも、ここぞって時って来るだろうか?


「じゃ、行ってきます」

「待って、君の携帯番号教えてくれないか?」

「僕、携帯持ってませんよ」

「そうなの?いまどき珍しいね」

 それは持っていても誰からも電話がかかってこないからだ。


「だったらこれ持ってて」

 携帯を渡された。


「何かあったらこれで連絡しあうようにしよう」

「はい、わかりました」

 生まれて初めて携帯持った。通話できる相手ができて嬉しい。


 -・-・-・-

 スーパーは僕も買い物に行ったことがあるからどこにあるかも何分くらいで行けるかもわかっている。僕の家よりも博士の研究所からの方がちょっと遠いが、それでも5分も違わない。なのに、スーパーまで辿り着くのに時間がかかっている。なぜか。


「ねえ彼女、一人?」

「俺とお茶しなーい?」

「どっか遊びに行こうよ」

 というぐあいに立て続けに声をかけられ続けていたのだ。最初は自分が呼び止められているとは思わなかった。


「そこの彼女♪」

「……」

 誰かが女性をナンパしているようだ。


「俺と付き合ってくんない?」

「面白い店知ってんだ。一緒に行こうよ」

「絶対に楽しいからさ♪」

 ナンパ男は執拗に食い下がるが女性からの反応はイマイチのようだ。女性からの声が聞こえてこない。相手にされていないようだ。それにしてもやけに男の声が近い気がするのだが…。と、肩を誰かに掴まれた。


「ねえ、無視しないでよ」

 強制的に振り向かされる。その声、さっきまでうるさかったナンパ男?


「えと…」

 ひょっとして僕をナンパしてた?まさかね。


「僕に何か用ですか?」

「おっ?俗に言う“ぼくっ娘”?しかも作られたキャラじゃなくてごく自然な感じ」

 そりゃ、生まれてからずっと“僕”だったから。


「いいねいいね」

「あの僕、用事があるんで」

 僕は男の手を振り払うと一目散に逃げだした。ああ、びっくりした。まさか、男にナンパされるとは。そうか、女の子になったんだもんな。すっかり失念していた。それと男の時は誰かに話しかけられることなんてほとんどなかったからな。誰も僕が冴えない男だったなんて思わないだろうな。月とスッポンどころじゃないぐらい見た目に差があるから。それから、何人の男にナンパされたことか。男にナンパされたことなんか当然無いわけで、どう対処すればいいかわからないからひたすら「ごめんなさい」「用事があるんで」と断り続けるしかなかった。ナンパなんて僕には一生縁が無いって思っていたのに、まさか男からナンパされることになろうとは。暗然たる気持ちに陥りながらも、ようやくスーパーに到着。


「店の中ならナンパなんてされないだろう」

 メモに書かれた物を探す。ペーパーなどの消耗品に食料、文具…をカゴに詰めていく。


「これで、全部かな」

 メモを見て買い忘れが無いのを確認してレジへ。レジ打ちのバイトといったら女性の場合が大抵だろう。たまに若い男のバイトもいたりする。僕はなるべく男がレジにいるところへ行くことにしている。理由は聞かないでくれ。この時もいつもの習慣で男がいる方のレジに並んだ。そして、レジの台の上が空いたので買い物かごを置く。前の人の勘定が終わって僕の番が回ってきてレジ打ち店員が僕の方を向いた時だった。


「ふおっ!?」

 僕と目が合うなりいきなり奇妙な声を発して店員が驚いてみせた。なにもそんなに驚かなくても。ぽけーっと突っ立っているだけで仕事をしようとしない。


「あの……」

 声をかけると店員は「ハッ」となってようやく自分が何をすべきか思い出したようで仕事を始めた。その合間にチラッチラッとこっちの顔を見ているのに気づいてはいたが何も言わなかった。


「…円になります」

 代金を払って買い物かごをサッカー台に持っていって買ったものを袋に詰めていく。持ってみると、ちょっと重いな。まあ、研究所まで大した距離が無いから大丈夫だろう。店の外に出る。因みにここにはスーパーだけじゃなく、薬屋や本屋や靴屋や100円ショップや服飾店まである。僕は衣料品店に目を止めた。体形が劇的に変わったので今までの服はサイズが合わない。新しい服を買おうか。


「あ、でも、あのカメラがあれば必要ないな」

 いま着ているこれもあのカメラで出てきたんだから。と、ここで僕はあることに気づいた。そういや僕いま女物の下着を着けているんだった。女になったんだから当然なんだけど、うーん…あまり気にすることでもないのかな。悩んでいると、携帯電話が鳴った。


「はい」

『もしもし俺だ。急いで研究所に戻るんだ』

「どうしたんです?」

『いいから急げ。重要なことを忘れてた。とにかく急げ、大変な事になるぞっ』

「あの、何が…」

 切れた。何があるんだ?重要な事って?ま、とにかく帰ろう。と思っていたんだけど、すんなりとは帰れなかった。来るときにナンパされたんだからその逆もまた然り。またしても僕は声をかけられてしまった。


「よう、姉ちゃん。ここらでは見かけねえ顔だな」

 さっきまでの男たちとは危険度が違う怖いお兄さんたちだ。見かけない顔なのは当たり前でいまの僕はつい数日前に生まれたばかりだ。しかも、今日までずっと引きこもっていたから見かけなかったのも道理。


「なあなあ、俺たちと付き合えよ」

 どうして初対面の相手に付き合えと強要できるんだろうか。僕には到底真似できない。僕は男たちに買い物袋を見せた。


「すいません、買い物終えて帰る途中なんで…」

「そんなのどうでもいいだろ?なあ、俺たちに付き合ってくれよ」

「で、でも……」

 助手はすぐに帰ってこいと言っている。慌てた様子だったから何かあるんだろう。なんとかこの場を切り抜けないと。だが、向こうは僕をすんなりとは帰してくれないようだ。


「あんまし俺たちを怒らせない方がいいよ。特にこいつは短気だからキレると女でも容赦しねえから」

 ええーっ。よりによって性質の悪いのにあたったもんだな。誰か助けてくれないかな。ダメだ、皆見て見ぬ振りしてる。


「なあ、何も取って喰おうってわけじゃないんだぜ。ちょっと俺たちと楽しいことをするだけだからよ」

 怖いお兄さんに絡まれた事は男だった時にも何度かある。その時は持ち金を差し出すことで事なきを得ていた。だが、いまは金だけでは済まないだろう事は自分でもよくわかる。


「ちょっとぐらいいいだろ?なあ」

 男の一人が僕の胸に手を伸ばす。


「や、やめてください…」

「そう言うなよ。本当は気持ちいいんだろ?」

「よ…よくないです……」

「それは緊張してるからだろ。気持ちをリラックスさせなよ」

 リラックスなんてできるわけがない。


「あの…僕本当に急いでいるんですけど……」

 なんとか交渉を試みる。その間にも男は僕の胸を触り続けている。微塵も僕を解放する気は無さそうだ。


(どうしよう……)

 このままじゃ、このお兄さんたちだけが楽しい事に付き合わされてしまう。あ、そういや出かける前に助手が持たせてくれた防犯グッズがあった。男たちに気づかれないようにポケットに手を入れてボタンを押す。


“きゃーっ助けてぇ!【放送禁止】されるぅ!”

 その瞬間、僕も含めて全員が「ぶっ」となってしまった。


「ま、待て、俺らはそこまでやるとは言ってねえぞっ」

 怖いお兄さんたちが怯むほどの威力だ。しかも、僕の声で……。


“【自主規制】されたり【禁じられた言葉】されるぅ!”

「お前、いい加減にしろよ!いつ俺らがそこまですると言ったぁ!」

 僕は必死に首を振って僕じゃないとアピールしながら音声を止めようとするが、ボタンは一つしかないしそのボタンを押しても一向に収まる気配が無い。その間にも卑猥な言葉は大音量で発信され続けている。皆が僕に注目してしまっている。


“いやよっ私【禁則事項】なんて絶対にしないからっ!”

 僕はもう涙目になっていた。


「お、おい、こいつやばいよ。これ以上一緒にいると俺たちの品性が疑われちまう」

 怖いお兄さんたちは退散していった。助かったのか?はらった犠牲は大きいが。音声はいまだ鳴り続けている。今度は僕が退散する番だ。


「もういやっ」

 泣きながら走る羽目になるとは。帰ったら助手に一言文句言ってやろう。いや一言じゃ収まらないな。とんだ恥を晒してしまった。人生最大の恥だ。ところが、恥はこれだけじゃなかった。ようやく音声も鳴りやんだので走るのをやめて歩くことにしたのだが、どうしたことか服が薄くなっているのだ。


「ん?」

 最初は気のせいか目の錯覚かと思った。しかし、服はどんどん薄くなって肌や下着が見えてきた。


「えっ?」

 僕は目を疑った。服が消えかかっているのだ。服だけじゃないズボンもだ。


「嘘だろ」

 このままでは服が全部消えてしまう。僕は再びダッシュした。こんなところで裸になんかなったらもう二度と外を歩けない。服やズボンはほとんど消えて僕は下着姿になっていた。幸い、通行人はいない。だが、予断は許されない。下着も徐々に消えかかっている。やばい!あともう少しで研究所だからそれまでどうか消えないでっ。僕は心で願いながら走った。とにかく下着がまだ残っている間に研究所に入らないと。


「間に合え…間に合え…」

 よし、研究所が見えた。何とか間に合……わなかった。門の手前で下着も全部消えてしまった。とそこへ帰宅途中の中学生男子の集団が。


「あっ」

「「「あっ」」」

 互いの目があってその直後、中学生たちは盛大に鼻血を噴出してぶっ倒れた。


「ど、どうしようっ」

 救急車を呼ばないとっ。いや、その前に服だっ。僕は研究所に駆け込んだ。


 ------

「あのカメラで出てきた衣装は1時間で消えてしまうんだ」

 後になって助手がそう説明してくれた。なんで教えてくれなかったのかと問い詰めると「つい忘れてしまった」との事。あの中学生たちは助手が呼んだ救急車で病院に搬送されたが、もの凄いものを見たショックで、その凄いものも含めて前後の記憶を無くしているらしいって事が夜のニュースで流れていた。

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