2.11 キセキ
monogatary.com 2026年2月11日のお題『伝説級の出来事』について投稿したものです。
通話が終わったあとのスマホを、まだ閉じられへん。
タクヤと話し終わったばっかりやのに、まだそこにおるみたいや。
「はぁ……」
さっきまで話してたんに、会うのもしょっちゅうやのに、まだ話したい。
タクヤのことを知れば知るほど、好きになってまう。
最初は「つれないなぁ」思うたんや。
二次会の途中から三次会まで二人きりやったんに、タクヤはさっさと帰ってしもうた。
次に会うたときも、どこかよそよそしい態度。
てっきり『脈なし』やと思うてた。
あの日、ウチがもう一軒行こかって言わへんかったら。
あの日、タクヤがもう少し早よ帰ってしもてたら。
あの日、幹事が席替えせえへんかったら。
たぶん、今のウチらはなかった。
それやのに、いつの間にか付き合いだしてる。
しかも、お互いの実家に挨拶に行く話にまで進んどる。
調子よすぎて怖いくらいや。
タクヤは真面目やけど、ウチに甘い。
ウチのわがままは、たいてい聞いてくれよる。
でも、アカンことは「アカン」って正直に言うてくれる。
あんな人、今まで会うたことない。
数え切れんくらいの出会いの中で、やっと見つけた、たった一人の波長が合う人……。
タクヤと出会えたこと。
それがもう、ウチにとっては――伝説級の出来事や。
――キセキか?
いや、これからもっともっと、二人のキセキを増やしていくんや。




