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タクヤとゆかいな仲間たちが紡ぐ『お題のmonogatary』―どこに向かうか誰もわからないー  作者: もとき未明


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2.10 スカイランタン

monogatary.com 2026年2月10日のお題『雪まつりの夜に』について投稿したものです。



 タクヤ、三十三歳。

 大阪住みが十年を超えるのに、いまだに大阪弁がしゃべれない。――ただいま絶賛練習中。

 ひとり暮らしだが、この静けさも、近いうちに解消されるかもしれない。


 夜、ミサキからLINE通話の着信表示が光った。


「もしもし、こんな夜更けにどうした?」

『あ、タクヤ。まだ寝てへんやろ。なぁなぁ、雪まつりに行かへん?』


 いつも唐突ではあるが、今日のは特別に唐突だ。


「雪まつりってたしか、もう終わる頃ちゃうんか?」

『ちゃうねん。札幌やのうて、“つなんの雪まつり”や』

「つなん? 聞いたことないな」

『知らへんの? 新潟の津南町やで。三月の中旬に雪まつりやるんや』

「初めて聞いたわ」

『タクヤは九州生まれやさかい、雪まつりに興味あるんかと思うてた』

「興味はあるけど、雪まつりっちゅうたら、札幌のしか知らんかったわ」

『つなんの雪まつりは雪像というより、夜のランタン飛ばしが有名やで』

「へぇ……」

 俺は、ミサキと話しながらもパソコンで“つなんの雪まつり”を検索してみた。


『どうや。興味出てきた?』

「ああ、今ネットで見てるけど、夜空に浮かぶスカイランタンって幻想的なもんやな」

『ランタンには、それぞれ願い事書くらしいで』

「願い事?」

『せや。空に上げる前にな。ほんで二人で空に向けて放つんや』

「……そんなん、何書いたらええかわからんな」

『考えとき。三月まで時間あるし』


 三月といえば、ミサキの実家である和歌山にも行かんといけんのやな。


「……じゃあ、和歌山での挨拶が上手い事いくように願かけるか」

『それもええな。また楽しみが増えたなぁ』

「……」

 プレッシャーも増した……。


『一緒にランタン飛ばせたらロマンチックやろな』

「ああ。一応、駐車場を予約しとくわ」

『ありがと! ほな、おやすみ』

「おやすみ……」


 相変わらず嵐のようにやってきて、去っていくな。



 それから俺は、“つなんの雪まつり”について、夜遅くまでネット検索した。

 防寒対策や、ランタンを飛ばしてからのことなどに想いを馳せて……。



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