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進路の決定、分かたれた線路

 

 翌朝の空気は、驚くほど冷たかった。

 昨夜の熱が嘘のように、窓の外には乾いた冬の空が広がっている。


 私たちは、駅の近くの小さな喫茶店で向かい合っていた。テーブルの上には、それぞれの大学からの入学手続きの書類。


 結衣は東京の私立大学。

 私は地元の国立大学。


「……決まっちゃったね」


 結衣が書類を鞄に仕舞いながら、ポツリと言った。昨日まで着ていた制服ではなく、少し大人びた私服の彼女は、もう私の手が届かない場所へ行ってしまうような気がして、胸の奥がキリリと痛む。


「夏休み、絶対会いに来るから。毎日、LINEするから」


 彼女は必死に笑顔を作ったけれど、その瞳には溢れそうな涙が溜まっていた。

 遠距離恋愛。

 それがどれほど過酷なものか、十八歳の私たちはまだ本当の意味では理解していなかった。ただ、目の前で発車を待つ電車のように、時間が二人を別々の方向へと運び去ろうとしていることだけは、残酷なまでに理解していた。


「……うん、待ってる。結衣のこと、ずっと、ずっと見てるから」


 駅の改札。

 人目が気になるはずの場所で、結衣は一瞬だけ私の手を強く握った。そして、一度も振り返ることなく、自動改札の向こう側へと消えていった。


 カタン、という乾いた音が、私たちの「高校時代」という宝石箱が閉じられた音のように聞こえた。


この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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