永遠を信じた、青い逃避行
高校二年生、最後の夏休み。
私たちは、始発の電車に揺られて、県境を越えた先にある誰もいない海岸へと向かった。
制服ではない、お互いに初めて見る夏服。
結衣は白いワンピースを風になびかせ、私は少し背伸びしたサマードレスを着て。駅のホームで待ち合わせたとき、あまりの眩しさに、私たちは同時に「似合うね」と言い合って照れ笑いした。
波打ち際、サンダルを脱ぎ捨てて駆け出す結衣の背中を、私はただ眩しく見つめていた。
「凛、おいでよ! 冷たくて気持ちいいよ!」
彼女が私の手を引き、寄せては返す波の中に誘う。
クラスの誰にも、親にも、SNSのフォロワーにも見せない、子供のような無邪気な笑顔。私の前でだけ、結衣は「完璧な女子高生」という重い鎧を完全に脱ぎ捨てていた。
太陽が傾き始め、海が黄金色に染まる頃。
私たちは防波堤に座り、一つのサイダーを交互に飲んだ。喉を焼く炭酸と、微かな彼女の口紅の甘さ。
「ねえ、凛」
結衣が、私の肩にコテリと頭を乗せた。
「このまま、時間が止まればいいのにね。大学とか、就職とか、大人になるとか……そんなの全部、来なければいいのに」
彼女の細い指が、私の指の間を滑り、ぎゅっと強く絡められる。
「ずっと、こうしていようね」
その言葉が、あどけない約束に過ぎないことを、私たちはどこかで気づいていたのかもしれない。それでも、西日に照らされた彼女の横顔があまりに綺麗で、私は「うん、ずっとだよ」と嘘をついた。
水平線の彼方に太陽が溶けていく。
私たちは、どちらからともなく顔を寄せ、潮風の味がするキスをした。
打ち寄せる波の音だけが、私たちの誓いを祝福するように響いていた。
あの時の私たちは、自分たちが手に入れたこの幸せが、一生分の輝きを凝縮した「宝石」であることに、まだ確信を持てずにいた。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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