第3話 農業問題を一網打尽
【主人公:俺(Z-001)】
【場所:北海道・広大な農地(ショッカー農業生産拠点)】
【敵:怪人サクシュー(人間体:地方の農地を牛耳る悪徳経営者)】
不眠不休の鍬の舞
「イー!」
北海道の広大な農場に、Z-001の力強い**「イー!」**が響き渡った。
周囲には、俺が製造し、配備した初期ロットの戦闘員、Z-002からZ-5000までの部隊が整列している。彼らが手にしているのは、最新鋭のドローンやトラクターではない。
ごく普通の、手持ちの鍬だった。
『農業問題解決の第一段階。我々は、日本の農地の労働力不足と効率の悪さを、超人的な体力で正面から解決する』
脳内シンクロで、指令が戦闘員全員に伝わる。
「イー! イーッ! イーーー!」
一斉に散開した戦闘員たちは、その日の夜から、驚異的な作業を開始した。
疲れを知らない戦闘員が鍬を振るうスピードは、もはや耕運機を超えていた。一振りで畑が深くまで耕され、肥料が均一に撒かれる。もちろん、寝る時間も休憩時間も必要ない。24時間体制、365日、ショッカー式無限労働体制だ。
地元の年老いた農家たちは、最初は怪しげな黒づくめの集団を恐れたが、その**「完璧すぎる労働」**を目の当たりにして、次第に表情が変わっていった。
「あんたたち……いつ寝てるんだい?」「いや、飯も食ってねえだろ!」
戦闘員たちの答えは一つ。力強く、使命に満ちた**「イー!」**だけだ。
彼らが担当した畑では、土壌が見違えるように豊かになり、作物は光合成の限界を超えたスピードで育ち始める。その結果――
収穫量、例年の5倍。品質、史上最高レベル。
数カ月後、北海道の食料自給率は突如として世界トップクラスに躍り出た。地方の農業問題は、ショッカーの純粋な無限労働力によって、あっけなく解決に向かい始めたのだ。
怪人サクシューの妨害
しかし、この「幸福な革命」を快く思わない存在がいた。
地方の農地を買い占め、高齢の農家や外国人労働者を極限まで搾取することで利益を上げていた悪徳農業法人の経営者――怪人サクシューの人間体だ。
「貴様ら! その黒い集団は何だ! 勝手に畑を耕しおって!」
小太りの体に白衣をまとい、顔は常に傲慢な笑顔を貼り付けた男が、Z-001の前に現れた。
男が白衣のポケットから取り出したのは、毒々しい色のドリンク。**「負担」「恐怖」「低賃金」**と書かれたラベルが貼ってある。
「フフフ。これでも飲んで、無力な奴隷に戻るがいい!」
男が変身した。肥大化した白衣の巨体、濁った目、そして肥満体型からは想像できない素早さで、彼は怪人サクシューとなった!
「グフフ! 俺のパワハラ波動を浴びれば、貴様らも恐怖で逆らえなくなる!そして選択肢消滅フィールド!どこにも転職できず、永遠に俺の奴隷だ!」
怪人サクシューの巨大な手が、Z-001たちに向かって襲いかかる!
ショッカーの正義と無限の体力
「イー!」
Z-001は一歩も引かなかった。恐怖? 疲労? 選択肢の消滅?
そんなものは、ショッカー戦闘員の辞書にはない。なぜなら、俺たちには**「使命」という名の、最も強固な「選択肢」**があるからだ。
「イー! イーッ!」
戦闘員たちは、怪人サクシューの毒ドリンクもパワハラ波動も、無視して鍬を振り続けた。
サクシューは焦った。「やめろ! なぜ倒れない! 貴様らには疲れがないのか!?」
「イー!」(疲労なんて知らん!)
「イー!」(睡眠なんて必要ない!)
ショッカー戦闘員は、文字通り無限の体力を持つ。彼らは、怪人の攻撃を避けながら、畑を耕し、種を撒き、作物を収穫し続けた。
怪人サクシューの弱点は、**「労働者を搾取できない状況」**だ。
労働者が疲れて倒れない。賃金を要求しない。反抗もしないが、忠実な奴隷にもならない。ただひたすらに、畑を完璧に耕し、収穫量を増やすという「善行」を遂行する。
「うわあああ! 俺の利益が! 搾取する相手がいないだと!? 労働力がタダで、しかも無限だと、俺の**『搾取経営』**が成り立たないぃぃぃ!」
怪人サクシューは錯乱し、自らの搾取構造が崩壊していくのを目の当たりにした。戦闘員たちが作り出した「豊作と幸福の連鎖」こそが、サクシューにとっての最強の毒だったのだ。
彼は、最後に残った力で叫んだ。
「覚えておけ、ショッカー! この世はカネと搾取で回ってるんだ!」
しかし、彼の叫びは、豊かに実った作物の匂いと、戦闘員たちの力強い**「イー!」**の合唱にかき消された。
かくして、北海道の農業は救われた。食料自給率は改善し、地方経済は活性化した。そして、孤独死した元社畜のZ-001は、確信する。
(ショッカー戦闘員の力は、本当に日本を救える……! イーッ!)
第4話では、舞台を漁場に移し、水産業の問題にショッカー戦闘員が立ち向かいます。不眠不休の戦闘員と、地方経済を活性化させる漁業の再建を描きます




