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Bルート:学院神社へ向かう(導入)
石畳へ足を踏み出すと、空気が一変した。
夕暮れの明るさが柔らかく届き、
山の匂いと古い木造の匂いがまざりあう。
鳥居が近づくほどに、静けさが“意味”を持ち始める。
(神社って……こんなに、空気変わるの?)
鳥居の向こう側。
誰もいない境内。
けれど、
“誰かが歩いた足跡だけ”が砂に残っていた。
小さな足跡。
裸足の跡。
そして、その隣に——影だけの足跡。
(紗灯……?)
しゃがんで指で触れると、
足跡の影の部分だけが、ざらりと冷たい。
【影落ち:23% → 18%】
【危険度:低〜中】
・神社は“抑制”と“導き”が両方あるエリア
すると、境内の奥に誰かが立っていた。
白い巫女服。
黒髪を後ろで結い、こちらを凝視している少女。
(……誰?)
近づこうとした瞬間、
巫女装束の少女は鳥居の影へ吸い込まれるように消えた。
風が吹き抜け、鈴の音がチリリと揺れる。
かわりに、砂の上に一枚の紙切れが落ちていた。
拾うと、そこには墨でほそく書かれた文字。
『影を踏むな ——戻れなくなる』
(……忠告?)
風がまた吹く。
鳥居の影が、わたしの影と重なった。




