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Aルート:旧校舎へ向かう(導入)
生徒たちの声が遠ざかるにつれ、
旧校舎の周囲には淡い霧のようなものが漂い始めた。
夕陽の光が届きにくいのか、
本校舎のすぐ横なのに、途端に空気が冷える。
窓ガラスは暗く曇り、
木枠はところどころ歪んでいる。
階段の下、薄闇の中に——
白い“なにか”が立っているように見えた。
細い腕。
肩のあたりまでの髪。
歪んだ影。
(紗灯……?)
わたしが近づこうとすると、
それは急に形を崩して霧のように散った。
跡には、誰もいない。
代わりに、
“影だけ”が階段の影と二重に重なっていた。
じわ、じわ、と輪郭が波打っている。
【影落ち:23% → 29%】
【危険度:中】
・旧校舎は“紗灯の残響”が強いエリア
カセットが勝手に動き出す。
『……こわ……ない……』
(怖くないって……言ってるの?)
誰が?
この声は、本当に紗灯?
旧校舎の扉が、みしり、と自動的に開いた。
わたしは、影に促されるようにその暗がりへ足を踏み入れた。




