BAD END③「従属影化(じゅうぞくえいか)エンド」――『灯子の“名前”が黒幕に奪われる』
【結に”名前を与える”場合の分岐】
「……ゆい。
結。
あなたの名前、わたしが代わりに呼んであげる」
灯子がそう言った瞬間、
結の影が強く震えた。
「だめ……!
灯子ちゃん……!」
その叫びより早く、
“黒い手”が灯子の口元を塞いだ。
結の影の奥──
誰もいない空間から伸びてきた、黒幕の影。
「む──っ!?」
名前を奪う術式は、
“名前を与えようとした側”が逆に食われる。
灯子の喉が、
獣の手で掻き切られたみたいに熱くなった。
(……なに……これ……?
声が……
名前が……
わたしの名前が……抜けて……)
「と……こ……
と……こ……?」
結が灯子を呼んでも、
灯子は返事できない。
“灯子”という響きが
耳に届いても理解できない。
灯子は、己の名前が
どの文字だったか思い出せなくなっていた。
(わたし……誰……?
名前……どこに……)
影が灯子の足元に吸い付き、
色を奪っていく。
『……ひとり……もらった……』
黒幕の声。
灯子は薄く笑ったように見えた。
でも、その笑みはもう“灯子のもの”ではなかった。
●BAD END:従属影化(名前消失)
灯子の名前が黒幕に渡り、
灯子は“名前のない影の従者”となる。
紗灯影は暴走し、学院は破滅する。




