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影喰 - KAGEGUI - 白鷺の夜鳴き【推理ホラーゲーム風味】  作者: 臂りき
第2章-Aルート 旧校舎の影喰い
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BAD END①「影置換(かげちかん)エンド」――『灯子、消える』

【灯子が”紗灯影を抱こうと手を伸ばした”場合の分岐】


 紗灯の影が、風のない屋上の中央で揺れていた。


 その揺れ方は、幼い子が両手を伸ばして

 “抱きしめてほしい”と願っているみたいだった。


 胸の奥を掴まれるような痛みに負けるように、

 灯子はそっと手を伸ばした。


「紗灯……もう、離さないから……」


 その瞬間だった。


 黒い影が、花が咲くみたいにひらりと形を変えた。

 音が無かった。

 ただ、世界の“線”だけがふっと消えた。


 紗灯影の輪郭が灯子の手を優しく包み込み──

 そのまま、灯子の腕を “飲み込んだ”。


「……あれ……?」


 引き抜けない。


 影の中に沈むように、

 皮膚ごと吸い込まれていく。


『……おねえ……ちゃん……

 いっしょ……だよ……?』


 優しい声。

 でも、その優しさは“死の誘い”だった。


 灯子の身体がずぶずぶと沈む。


 膝。

 肩。

 胸。

 影の中へ沈んでいく。


「紗灯……やめ──」


 叫びは影に飲まれた。


 最後に見えたのは、

 紗灯影の中で静かに笑う紗灯の姿。


『……もう、だいじょうぶ……

 もう、こわくない……

 だって……おねえちゃんも……いっしょ……』


 影は完全に閉じた。


 屋上には、

 灯子の影だけが、薄く揺れて消えた。


●BAD END:影置換エンド

灯子の存在は紗灯影に吸収され、

誰の記憶からも“汐見灯子”の名前が消える。

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