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第一話 香川県要素はここだけです。

こんにちは。日陰浴です。

普段Vtuberものを書いている者です。

物語を書いている合間に休憩として書いていた異世界転生ものを投稿します。

続くかは知りません。続いたとしても頻度はかなり低くなります。

香川県要素はここだけです

 早速で悪いのだが、俺は死んだ。

 なんか白い天井を眺めながら呟く。因みに知らない天井だ。

「流石は香川県民。運転マナーが悪い」

「うどん国民に大きな風評被害。激怒確定案件」

「黙れやヒョロガリ髭ジジイ」

「神に対する圧倒的不敬。煉獄案件。というか儂神ぞ?」

「俺は天照大御神様以外を最高神とは認めん」

「思想が強い奴が来よった。八百万の神を信仰してる国の民としてそれはどうなんや。多様性を認めろ」

 因みに俺の横に座ってるジジイは神。褒め言葉の神とかでは無くマジもんの神様。というかさっき煉獄案件とか言ってたけど煉獄でええんか。天国上がっちゃうよ?

「あ、今更だと思うけどお前死んだらしいよ」

「知ってる。あの交通マナーが悪い県堂々の第一位の香川県(JAFアンケートより)の乗用車(プリウス)に引かれた」

「そこトラックじゃなくてプリウスミサイルで良いのかよ」

「知るかよ。というか神がそのネタにツッコむなよ。随分俗っぽい神だな。何教の神だよ」

 あの車許さねぇ。交差点内で車線変更しやがって、お陰で死ぬ所だったわ。あ、死んでたわ。

「とりあえず煉獄行きで」

「それ続いてたのかよ」

「人間大体やることやってるから基本的煉獄行きだぞ?」

「人類に対しての圧倒的偏見。キリストブチ切れ案件」

「儂らからしたらカトリックとかプロテスタントとかどうでもいいから。結局人間は土塊から勝手に生えてきたんだらだから」

「ルターが助走つけて殴りかかってくるレベル」

「実際殴られた」

「マジかよ」

「カトリックの人に紙切れをドヤ顔で見せられた時は混乱したなぁ••••免罪符って言うんだっけ?あれ。とりあえず地獄送りにしたけど」

「免罪符意味なしてなくて草」

「だってあいつらでっぷり肥えてんだもん。暴食確定じゃん」

「カワイソス」

 因みに七つの大罪はカトリック教会が中心になって禁止していたりする。

「ところで何処がいい」

「何処とは」

「天国?煉獄?それとも••••じ・ご・く?」

「何故に新妻風。ていうか俺、キリスト教じゃねーし」

「因みに煉獄がオヌヌメ。気持ちいいらしいよあそこの火」

「ドMかな?」

「それな。『浄化の炎がイイ』とか言っていたけど儂目線でみたら普通の火やぞ」

「宗教わかんねぇな」

「分かりみ」

 しみじみと相槌を打つジジイ。

「結局、何処行く?」

「異世界は?」

「最近下級の神が勝手にぽんぽん死者を転生させるから霊界は少子化なんだよなぁ。でもまぁいいか。対策は打たれ始めてるし」

「世知辛い あの世の現実 世知辛い」

「何故に五七五。••••とりあえず転送するわ」

「はい」

 ジジイが掌を円を描くように、くるりと回すと、ワームゲート的な何かが現れた。

「これが転送扉ね。ここから異世界に行けるから。じゃ、頑張って」

「えっ、チートは?」

「チート?」

「異世界転生ってあの、なんかこう、凄い能力的なやつ貰えるものじゃ?」

 半ばどもりながらジジイに問いかける。

「チート?もうあるやろ」

 きょとんとした顔をした。殴りたい。この笑顔。

「何がチートだよ。見ろやこの貧弱な身体。ガッリガリよ?」

「十分チートだろ」

「はい?」

 駄目だ。話が通じない。

 俺が嘆息すると、ジジイがポカンとした表情をした。

「いや、だって。時速数キロで走れて、知能もあり、そこら辺の石ころで即席に道具も作れる。並大抵のことでは死なないし、環境対応能力も高い。それに子孫も残せる。これ以上何を望むのよ?」

 あー••••そういうことね?

「ほら、行ってこい」

 ドン、と背中を押される。

 身体のバランスを崩した俺はふらふらと情け無く円の中に落ちた。

「あ、ちょっ!?」

「異世界行き片道一方通行線発車ー!」

 円の中にひょいと顔を出したジジイはニコニコと好好爺然とした笑みを浮かべた。


 ふわふわと宙に浮くような感覚に意識を放しそうになる。

 頭がぐわぐわと鳴り響き、気持ち悪さが込み上げてきた。

 酸っぱいものが口と鼻と目から飛び出しそうだ。••••自分でもどうなんだこの言い方。気持ち悪。

 俺はそのまま意識を失った。


 そして目を覚ましたとさ。めでたしめでたし。

 な訳ねぇだろ。


 目を開けると青い空だった。

「知らない天井••••みたいな気の利いたことは言わねぇぞ」

 腰を浮かし、立ち上がる。

 尻についていたやけに湿った土を払うと、俺は周りを見渡した。

 見渡す限り茶色と深緑である。

「あー••••ジャングルですね対戦ありがとうございました」

 そう。目覚めた先はジャングルであった。

 俺は諦めと絶望の入り混じる表情で、ただただ立ち竦むだけだった。

最後まで読んでいただき、感謝です!

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