きょうのところはおとなしく
紙飛行機も、紙風船も好きです。
飛び発った紙飛行機の羽を濡らして 雨が降る
傘の内側に てるてるぼうずを吊るしたぼくは
忌々しげに
深さを増すいっぽうの 水たまりへと
アスファルトを剥がれた石ころを蹴り入れた
晴れる気もないなら のぼってくるなよって
身勝手ないいぐさで
太陽のやつを困らせたくないから
きょうのところはおとなしく
雨にうたれといてやるよ
やせがえるのバラッドに
はさまれた かえり道をさ
きょうのところはおとなしく
雨にうたれといてやるけど
こいつはひとつ貸しだからって
つぶやくのを ぼくは忘れない
張り裂けた紙風船のはらを塞げる 風はない
針と糸だけで つぎはぎをつくる器用なきみは
得意顔して
深さを増すいっぽうの 溝にぼろきれ
おせっかいにあてがったところがうざったい
たのんでもないのに でしゃばるんじゃないって
もっともないいぶんで
善かれとしたのをだいなしにしてみたい
きょうのところはおとなしく
口を噤んどいてやるよ
やせがまんのドロップが
たしなめた まわれみぎでさ
きょうのところはおとなしく
口を噤んどいてやるけど
こいつは高くつくからなって
念を押した ぼくは何様だ?
てるてる坊主も好き。