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テーマ詩集:いつか

きょうのところはおとなしく

作者: 歌川 詩季

 紙飛行機も、紙風船も好きです。

 飛び()った紙飛行機の(はね)を濡らして 雨が降る

 傘の内側に てるてるぼうずを吊るしたぼくは

 忌々(いまいま)しげに

 深さを増すいっぽうの 水たまりへと

 アスファルトを()がれた石ころを蹴り入れた


 晴れる気もないなら のぼってくるなよって

 身勝手ないいぐさで

 太陽のやつを困らせたくないから


 きょうのところはおとなしく

 雨にうたれといてやるよ

 やせがえるのバラッドに

 はさまれた かえり道をさ

 きょうのところはおとなしく

 雨にうたれといてやるけど

 こいつはひとつ貸しだからって

 つぶやくのを ぼくは忘れない



 張り裂けた紙風船のはらを(ふさ)げる 風はない

 針と糸だけで つぎはぎをつくる器用なきみは

 得意顔して

 深さを増すいっぽうの (みぞ)にぼろきれ

 おせっかいにあてがったところがうざったい


 たのんでもないのに でしゃばるんじゃないって

 もっともないいぶんで

 ()かれとしたのをだいなしにしてみたい


 きょうのところはおとなしく

 口を(つぐ)んどいてやるよ

 やせがまんのドロップが

 たしなめた まわれみぎでさ

 きょうのところはおとなしく

 口を(つぐ)んどいてやるけど

 こいつは高くつくからなって

 念を押した ぼくは何様だ?

 てるてる坊主も好き。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  ちょっと偉そうにしているところがとても少年らしくて素敵です。 雨の向こうある虹まで走っていきそうです^^ [気になる点]  私もてるてる坊主好きです。 [一言]  拝読させて頂きありがと…
[良い点]  まだまだ無邪気そうな幼い「ぼく」のようで、すれた大人のような「ぼく」。対比なのに混ざっていて、面白い雰囲気がある作品だと思いました。  やせがまんのドロップを舐めて、口をつぐむ。  な…
[一言]  おとなしくといいつつ、おとなしくない最後のひとこと。  次もまた、という約束のようにも聞こえます。
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